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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):住友不、東京機、菊池製作

住友不 <日足> 「株探」多機能チャートより
■住友不動産 <8830>  3,726円  +11 円 (+0.3%)  本日終値
 住友不動産<8830>は朝安後にプラスに転じた。19日の米国市場では長期債相場に下落(金利に上昇)圧力が強まり、長期金利の指標となる10年債利回りは同日夕に一時5%の大台を突破。およそ16年ぶりの高水準をつけた。20日の円債市場では外部要因を手掛かりに売りが先行し、日本の新発10年債利回り(長期金利)は一時0.845%に上昇したものの、やがて上昇は一服した。これを受け、金利上昇が事業環境にマイナスの影響をもたらすとされる不動産株に対しては、売り持ち高を解消する目的の買いが入ったようだ。日銀はこの日、5年物の共通担保資金供給オペを24日に実施すると予告し、国内金利の上昇抑制に動いた。また、総務省が発表した9月の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年同月比2.8%上昇と、3%を下回る水準まで伸び率は鈍化した。3%割れは市場の想定内だったが、直近で急速に高まった日銀の政策修正観測に対して幾分水を差す格好となり、債券相場の下落(金利の上昇)を抑える一因となったとみられている。野村不動産ホールディングス<3231>や東京建物<8804>が高く、三井不動産<8801>、三菱地所<8802>が底堅い。

■SECカーボン <5304>  13,560円  -330 円 (-2.4%)  本日終値
 SECカーボン<5304>やレゾナック・ホールディングス<4004>が軟調に推移。中国政府が今年12月から、一部の黒鉛(グラファイト)の輸出を規制すると発表した。リチウムイオン電池の電極として利用される黒鉛は、中国が世界最大の生産国となっている。日本も黒鉛を中国から多く輸入しているとされており、関連銘柄に対しては、事業への悪影響を懸念した売りが出たようだ。東海カーボン<5301>や日本カーボン<5302>も冴えない。

■ソフトバンクグループ <9984>  6,255円  -130 円 (-2.0%)  本日終値
 ソフトバンクグループ<9984>は全体地合い悪に流され売り優勢も下値抵抗力を発揮している。前日の米国株市場では長期金利の上昇を嫌気して半導体セクターなどハイテク株が売られ、ナスダック総合株価指数が1%近い下落で3日続落となった。ナスダック市場と株価連動性が高い同社株にはネガティブに作用している。また、同社傘下でナスダック市場に上場する英半導体設計アーム<ARM>も上場後の安値に沈むなど向かい風が強い。ただ、一方で下値では押し目買いも観測される。国内では政策重点課題である人工知能(AI)や半導体分野のインフラ拡充でキーカンパニーの1社として存在感を示す。生成AIなどの普及で国内でのデータ流通量が今後急拡大する見込みにあるなか、直近では子会社のソフトバンク<9434>が大規模データセンターを北海道に建設する方針を固め、経済産業省に補助金を申請したことが伝わっており、マーケットの関心を集めている。

■イオンファンタジー <4343>  2,742円  -44 円 (-1.6%)  本日終値
 イオンファンタジー<4343>が続落した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が19日、イオンファンの目標株価を5700円から5200円に引き下げた。中国のレジャー需要の回復が予想よりも遅れていると指摘し、同証券は24年2月期の営業利益予想をこれまでの48億円から40億円に見直した。一方、コロナ禍後の営業利益成長力を考慮すると株価には割安感があるとし、レーティングは「オーバーウエイト」を継続した。

■ラクスル <4384>  1,138円  -18 円 (-1.6%)  本日終値
 ラクスル<4384>は朝高後下げに沈んだ。19日の取引終了後、24年7月期の連結業績予想を修正したと発表した。経常利益の見通しはこれまで14億~15億円としてきたが、今回15億5000万~16億5000万円(前期比32.6%~41.2%増)に引き上げた。これを手掛かり視した買いが先行したものの、上値の重さが意識され、やがて利益確定売りに押される格好となった。AmidAホールディングス<7671>を子会社化したことに伴う影響などを反映した。今期の売上高は、494億~504億円(同20.4%~22.9%増)となる見込み。AmidAHへのTOBが完了した場合として9月に示した数値から変更はない。このほか、持ち分法適用関連会社であるハコベル株の一部売却に伴う関係会社株式売却益の発生や、持ち分法による投資損益の減少といった影響なども業績予想に反映した。AmidAHは10月2日付でラクスルの子会社となり、特別支配株主の株式等売渡請求により10月31日付で完全子会社となる見通し。

■ディスコ <6146>  28,000円  -405 円 (-1.4%)  本日終値
 ディスコ<6146>は続急落。19日の取引終了後、24年3月期第2四半期累計(4~9月)の決算発表にあわせ、第3四半期(10~12月)の業績見通しを開示した。第3四半期の売上高は755億円(前年同期比15%増)、営業利益は284億円(同17%増)と増収増益を計画する。一方、出荷額の見通しは751億円(前年同期比5%減)。前四半期(7~9月)比でも5%減となった。羽田R&Dセンターの建て替えに伴う約75億円の減損損失の計上により、10~12月期は最終減益を見込んでいることもあって、業況に対する慎重な見方が強まり、売りが膨らんだようだ。10~12月期の想定為替レートは1ドル=140円、1ユーロ=150円に設定した。パワー半導体向けの装置を中心に高水準の出荷を見込むものの、量産用途の装置需要は依然低調との見通しを示している。

■トヨタ自動車 <7203>  2,617円  -28 円 (-1.1%)  本日終値
 トヨタ自動車<7203>が安い。外国為替市場でドル円相場は1ドル=150円に迫る水準まで円安が進行している。だが、輸出採算性の向上を期待して自動車株を買い向かう姿勢は限られている。むしろ、米長期金利が16年ぶりに5%の大台を突破したことを背景に、米国での自動車のローン金利が一段と上昇して自動車販売に悪影響をもたらすシナリオが意識されるようになり、自動車株の重荷となっているようだ。日産自動車<7201>やホンダ<7267>、SUBARU<7270>も軟調に推移している。

■東京機械製作所 <6335>  427円  +80 円 (+23.1%) ストップ高   本日終値
 東京機械製作所<6335>がストップ高。19日の取引終了後、ニシオホールディングス<9699>傘下の西尾レントオールと提携し、「自律走行清掃ロボット」の共同開発を進めていると発表。これを材料視した買いが集まった。開発中のロボットは、建築現場に多く散在するコンクリート片やネジ、粉塵、釘、木片などを清掃するという。2024年9月開催予定の「国際物流総合展2024」で公開し、25年の大阪・関西万博への投入を目指すとしている。

■菊池製作所 <3444>  444円  +80 円 (+22.0%) ストップ高   本日終値
 菊池製作所<3444>がストップ高。経済産業省がこの日発表した令和4年度二次補正予算「中小企業イノベーション創出推進事業」の「行政ニーズ等に対応したドローンの開発・実証」において、同社子会社のイームズロボティクスが採択されたことが好感された。採択された事業計画は「行政ニーズに応じた物流支援マルチコプターとVTOL型無人航空機製品化」で、行政・民間の現場ニーズである高精度測量・物流(物資輸送)に対応できる中型から大型の高性能ドローンの開発を行うとしている。また、同じく「行政ニーズ等に対応したドローンの開発・実証」に「行政等ニーズに応える小型空撮ドローンの性能向上と社会実装」の事業計画が採択されたACSL<6232>も後場に入り急上昇している。

■プライム・ストラテジー <5250>  2,385円  +400 円 (+20.2%) ストップ高   本日終値
 プライム・ストラテジー<5250>は大幅高で4日続伸。同社は19日取引終了後、自社が開発・提供する超高速CMS実行環境「KUSANAGI」の累計稼働台数が8万台を超えたと発表しており、これが株価を刺激したようだ。累計稼働台数の伸びは増加傾向にあり、今年2月の7万台達成から約8カ月で8万台に到達。同社は今後、グローバルなCMS高速化ソリューションのデファクトスタンダードを目指し、研究開発を推進するとしている。

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