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【市況】ダウ平均は再び下げに転じる パウエル講演を受け目まぐるしい動き=米国株後半

NY株式19日(NY時間15:36)
ダウ平均   33459.45(-205.63 -0.61%)
ナスダック   13203.57(-110.73 -0.83%)
CME日経平均先物 31330(大証終比:-70 -0.22%)

 NY時間の終盤に入って、ダウ平均は再び下げに転じている。昼になってパウエルFRB議長のNYエコノミッククラブでの講演が伝わり、その発言を受けて米株式市場は目まぐるしい反応を見せた。

 「FOMCは慎重に進めている」との発言に買いの反応を見せた後、「金利の高さ、期間が十分ではない可能性」と述べると今度は下げに転じ、「FRBは利回り上昇を見守るしかない。利回り上昇は利上げの必要性低下を意味し得る」と述べると上げに転じる展開。

 ただ、いずれも方向感が出る動きまでには至らず、次の材料を探している雰囲気に概ね変化はない。終盤に入ると、原油相場が90ドル台に上昇しており、米10年債利回りも上昇が続く中で、米株式市場は次第に上値が重くなっている模様。

 決算では前日引け後にテスラ<TSLA>とネットフリックス<NFLX>が7-9月期決算を発表。テスラは決算発表の際にサイバートラックについて言及。同社は待望のピックアップトラック「サイバートラック」を11月30日に投入する方向だが、マスクCEOはサイバートラックがキャッシュフローに大きく貢献するようになるには少なくとも1年半かかると警告。株価は冴えない反応を見せている。

 一方、ネットフリックスは有料会員数が876万人増と数年ぶりの大幅増となり、一部顧客への値上げも発表したことから大幅高。

 いまのところ、先週からの決算もまちまちといった状態で、こちらも米株式市場に方向感を与えていないようだ。

 カジノのラスベガス・サンズ<LVS>が決算を受け上昇。2025年までで20億ドルの自社株買いプログラムを承認した。パンデミック以来の復活となる。

 半導体製造装置のラムリサーチ<LRCX>が決算を受け下落。売上高が3四半期連続の減収となったことや、第2四半期の1株利益の見通しが予想を下回ったことが嫌気された。半導体への需要が依然弱いままであることが示唆されている。

 クラウドのVMウェア<VMW>が大幅安。同社はブロードコム<AVGO>による610億ドル規模の買収で合意しているが、中国当局が買収の承認を保留する可能性があると報じられた。

 AT&T<T>が決算を受け上昇。通期のFCFの見通しを上方修正した。

 カナダのアパレルメーカー、カナダグース<GOOS>が下落。2名のアナリストが投資判断を「中立」に引き下げた。

 投資会社のブラックストーン<BX>が決算を受け下落。1株分配可能所得および手数料関連1株利益とも予想を下回った。セグメント経常収益も予想を下回っている。

ネットフリックス<NFLX> 404.60(+58.41 +16.87%)
ラスベガス・サンズ<LVS> 46.05(+1.45 +3.24%)
ラムリサーチ<LRCX> 602.74(-39.50 -6.15%)
VMウェア<VMW> 149.71(-16.54 -9.95%)
ブロードコム<AVGO> 871.76(-15.27 -1.72%)
AT&T<T> 15.28(+0.96 +6.67%)
カナダグース<GOOS> 12.08(-0.65 -5.07%)
ブラックストーン<BX> 94.58(-7.72 -7.55%)

アップル<AAPL> 175.89(+0.05 +0.03%)
マイクロソフト<MSFT> 332.06(+1.95 +0.59%)
アマゾン<AMZN> 128.11(-0.02 -0.02%)
アルファベットC<GOOG> 139.13(-0.16 -0.11%)
テスラ<TSLA> 218.78(-23.90 -9.85%)
メタ・プラットフォームズ<META> 313.54(-3.43 -1.08%)
AMD<AMD> 102.45(+0.28 +0.27%)
エヌビディア<NVDA> 421.84(-0.12 -0.03%)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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