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【市況】株価指数先物【寄り前】 目先的な達成感も、SQ控えヘッジ対応の流れを意識


大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 31780 +50 (+0.15%)
TOPIX先物 2307.0 +1.0 (+0.04%)
シカゴ日経平均先物 31820 +90
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 10日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。金融引き締め長期化への懸念が和らぎ、米長期金利が大幅に低下したことが買い安心感につながった。前日には米連邦準備制度理事会(FRB)のジェファーソン副議長による「追加的な政策引き締めを見極める上で、慎重に進める余地がある」との発言が伝わっていたが、この日はアトランタ連銀のボスティック総裁が「米当局が政策金利をこれ以上引き上げる必要はない」との見解をあらためて示した。

 米金融当局の高官らが再び利上げ見送りに傾いたことで、足もとでの調整に対する自律反発狙いの買いが入った。イスラエルの核施設近くにロケット弾が着弾するなど中東情勢の悪化は市場心理の重荷となったが、長期金利の低下を手掛かりとした買いが優勢だった。S&P500業種別指数は自動車・同部品、銀行、公益事業が上昇した一方で、テクノロジー・ハード・機器、保険、ソフトウエア・サービスが下落。

 シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比90円高の3万1820円だった。日経225先物(12月限)は日中比50円高の3万1780円で始まり、3万1760円~3万1880円辺りでの保ち合いを継続。米国市場の強いリバウンドの流れを受けて、中盤には一時3万1970円と節目の3万2000円に迫る場面も見られた。終盤には利益確定とみられる動きとなり、3万1780円でナイトセッションの取引を終えた。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好で、やや買い先行で始まることになりそうだ。ただし、米長期金利の低下を受けた米国市場の上昇が好感されるものの、前日に700円を超える大幅な上昇を見せたこともあり、戻り待ちの売りも入りやすいだろう。ナイトセッションで節目の3万2000円に迫っているほか、心理的な抵抗線となる25日、75日移動平均線は3万2200円前後で推移していることから、目先的な達成感も意識されてくることになりそうだ。

 また、NYダウは3営業日続伸で200日線水準を回復してきた。同線に跳ね返される可能性もあり、明確に上放れてくるかを見極めたい。11日に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表が予定されている。足もとでは追加の利上げ観測は後退しているが、議事要旨の内容次第では利上げ観測が再燃する可能性も考えられるため、やや投資家心理を神経質にさせそうである。

 そのため、オプション権利行使価格の3万1750円を中心とした上下の権利行使価格である3万1500円から3万2000円のレンジを想定。3万1750円辺りで底堅さがみられるようだと、3万1750円から3万2250円辺りのレンジに切り上がる可能性がありそうだ。今後発表される米経済指標や中東情勢を見極めつつも、週末には10月の特別清算指数算出(SQ)を控えていることもあり、ヘッジ対応の流れから水準を切り上げてくる展開も想定しておきたい。

 VIX指数は17.03(前日は17.70)に低下し、支持線として意識されていた200日線を下回ってきた。上昇を狙っていたポジションに対するリバランスが入りやすくなると考えられ、ややリスク選好が強まろう。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で13.75倍に上昇した。このところは下向きで推移する25日線水準での攻防を継続しており、同線を明確に上放れてくると、NTショートを巻き戻す動きが強まりやすく、NTロングでのスプレッド狙いの動きに向かわせそうだ。

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