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【経済】【クラファン・優待】前回3762万円調達! 京町家の“空き家”活用した「町家泊」展開 立志社、10月7日募集開始

 空き家となった京町家を活用した「町家泊」を展開する株式会社立志社(東京都渋谷区)が、株式投資型クラウドファンディング(普通株式型)による出資を募集します。申し込みは10月7日10時開始を予定しています。

・ 普通株式型
・ 目標募集額:1496万8800円、上限募集額:9963万円
・ 2回目(前回は3762万円調達)
・ エンジェル税制あり(優遇措置B)
・ 株主優待あり:同社運営施設宿泊料金の割引
・ みなし時価総額:4億514万4000円
・ 類似上場企業:ニッソウ <1444> [東証G]、タスキ <2987> [東証G]、アズーム <3496> [東証G]、アールプランナー <2983> [東証G]、ツクルバ <2978> [東証G]
※「みなし時価総額」はミンカブ編集部が「発行済み株式数×募集株式の払込金額」により試算

京町家を宿泊施設に、地域に根差した事業運営

 立志社代表の前田弘二氏は大学時代を京都で過ごした後、大手金融機関に勤務し、不良債権処理や不動産のバルクセール(一括売却)に従事。平成バブル崩壊後という時期で、売却不動産の多くはホテルや旅館であり、宿泊施設の資金繰りの難しさや経営課題を間近で見てきたといいます。

 転職した証券会社では、私募ファンド、開発型証券化組成等に従事し、その後転職した前職では、外資系金融機関傘下のホテル投資会社に在籍、航空会社系列のホテルアセットマネジメント業務を担当しました。独立後もホテルの買収・再建に携わり、成功させています。

 このような宿泊施設の買収や経営課題解決のノウハウ等、実務経験を伴う再建・価値向上の経験を生かし、京都の町家の再生事業に取り組んでいます。

【タイトル】
(出典:FUNDINNO)

 同社は、空き家となった京町家を宿泊施設にリノベーションし、一棟貸しの町家ホテルや旅館として運営を行っています。外観などの意匠は可能な限りそのまま残し、京都の歴史的な景観の保全に取り組んでいます。

 物件の取得にあたっては、自社で不動産を買い取らず、オーナーと定期借家契約を結び、遊休資産の活用につなげています。初期投資は主にリノベーション費用のみで、2年程度で収益化可能な、リスクを抑えたビジネスモデルだといいます。

 2026年、京都市で「非居住住宅利活用促進税」が導入され、空き家への課税が始まる予定で、新規物件取得の追い風になると見込んでいます。

 同社は地主・近隣住民・従業員・宿泊者・出資者の全てが喜ぶ「五方よし」をモットーに、住民や企業との関わりを通じた地域共生を推進し、地域に根づいた事業運営を行っているといいます。

 注力サービスとしては、ペット同伴の顧客に快適に過ごしてもらえるドッグフレンドリー施設や、イスラム圏の顧客に対応したムスリムフレンドリーにも取り組んでいるほか、京都府外での事業展開にも着手し、文化財や歴史ある建物を宿泊施設としてリノベーションするプロジェクトを進めています。

 また、京町家の再生ノウハウを応用し、需要の減少や担い手不足によって衰退が懸念される日本の伝統文化を現代用途にリノベーションする取り組みも開始。文化を預かり、運用し、新たな価値を創出する「カルチャーバンク」として、日本の魅力向上に貢献したいといいます。

【タイトル】
(出典:FUNDINNO)

 事業計画と施策のサマリは以下の通りです。

【来期(2024年1月~2024年12月期)】売上高約3.84億円

 他府県エリアでの集客を本格的に開始し、多角的な収益源を確立させる計画です。既に複数のエリアから引き合いがあるといい、内容を吟味して取り組んでいく予定です。

【再来期(2025年1月~2025年12月期)】売上高約5.75億円

 遊休宿泊施設の再生事業を全国展開し、年間宿泊者数を約7000人にまで拡大する計画です。京都での成功事例を基に、有名温泉地が関心を示しているといい、貴重な文化財の再生を推進したい考えです。

【再々来期(2026年1月~2026年12月期)】売上高約8.94億円

 他府県エリアでの展開や遊休宿泊施設の再生事業を軌道に乗せ、主要4事業(京町家ホテル、ホテル営業委託、既存活用、別エリア)の収益力向上を目指すといいます。

【IPOのタイミング】

 最短(5年以内)でのIPOを目指しています。地方での空き家問題解決や、将来、海外展開を検討する際にも銀行融資や資金調達面でメリットが大きいと考えており、他エリアでの展開を成功させ、2027年12月期に売上高10億円の達成を目標としています。



前回からの進捗

 2022年11月以降、稼働率が急速に回復し、事業は順調に拡大しているそうです。2023年、一棟貸しの町家ホテル1施設、旅館タイプの町家ホテル2施設、ドミトリータイプのホステル1施設、合計4施設55室の運営を開始しています。

 前回募集をきっかけに新規顧客も増加、また、インバウンドの集客戦略としてイスラム圏の宿泊客向けに、ハラール認証を取得した食事の提供や礼拝用の備品の設置を行うとともに、SNS広告への注力などにより、外国人比率が約5%(2022年7月末時点)から約10%(2023年7月末時点)に上昇しています。

※ハラール認証:商品やサービスがイスラム法に則って生産・提供されたものであることを、ハラール認証機関が監査し、一定の基準を満たしていると認めること(同社注)

 京都以外では富山県南砺市で、古民家をリノベーションし、旅館として再生するため、2023年4月に不動産投資型クラウドファンディング「利回りくん」を実施。このプロジェクトでは、開始数時間で目標金額の約159%となる約2.4億円の申し込みがあり、2024年初頭の竣工に向けて工事が進行中だといいます。

 また現在、企業や自治体と連携したプロジェクトを奈良県の2地域で進めています。

 地元住民に親しまれてきた木造施設を宿泊施設に再生するプロジェクトでは、最終プレゼンが完了し、次の段階の準備を進行中です。

 江戸時代の書院造りが残る文化財を宿泊施設に再生するプロジェクトでは、工事の見積もりを行い、資金調達方法について、国や自治体、地域の金融機関と話し合いを進めているといいます。

 前回募集時に計画した2022年12月期のKPIについては、直営施設の年間宿泊人数は目標の1万2432人に対して9001人、2022年12月期の売上は、目標の約1億6000万円に対して約1億3700万円、未達の主な要因は、新型コロナウイルス感染症流行の長期化であるとしています。

 ただし、2022年11月以降、急速に客室稼働率が回復したことに加え、客室単価の向上に取り組んだ成果から、 足元では、前期比約2.2倍の売上高に着地する見込みで、今期は、回復傾向にある宿泊需要を着実に取り込み、売上計画の達成を目指したい考えです。

【タイトル】
(出典:FUNDINNO)

滅失、空き家化が進行する「京町家」

 同社によると、京町家とは1950年以前に建築された木造建築物のことで、現在、京都では、京町家が急激に減少していることが問題になっているといいます。2016年の調査では、過去7年間で約5600軒の京町家が滅失(調査不能物件1987軒を除く)、約5800軒が空き家となっているそうです。

 京町家は現在、多くの物件で相続が発生していると見られる一方、地価の高い市内の中心部では、重い相続税が負担となって売却されたり、山間部や過疎地では、そもそも、相続人がいないことなどが、町家が空き家となり、滅失が進む要因だといいます。さらに、所有者の高齢化により、修理や維持管理が困難になることも課題になっているそうです。

 京都市は、京町家の解体に関する条例を定め、京町家を手放したいオーナーと活用希望者をマッチングするための情報提供や補助事業など、さまざまな取り組みを通じて、京町家の滅失に歯止めをかけようとしているものの、根本的な解決には至っていないと同社は考えています。

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(出典:FUNDINNO)

 日本国内の空き家数は右肩上がりで増加しており、高齢化が進む日本では今後も増加の一途を辿ると同社は見ています。

 国土交通省は、2030年に約470万戸に増加すると推計される空き家の数を400万戸程度に抑えることを目指し、空き家対策を進めており、また、空き家対策の一環として、2023年6月に「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律」が公布され、空き家活用のための改修費用の約1/3を国が支援する事業もスタートしています。

 しかし、物件取得の資金調達方法が充実する一方、改修後の収益化が難しいため、空き家の再生産につながるリスクがあると同社は見ています。

 異業種からの参入が相次いだ民泊ブームでは、後に多くの事業者が撤退しており、宿泊業の経営では、投資先の選定やオペレーションに対する高度なノウハウが必要不可欠であることが証明されたと同社は考えています。

 「長年、ホテル経営に携わってきた弊社の経験を生かし、国や自治体、地域住民などと連携しながら、空き家問題解決の一助を担いたいと考えています」(同社)

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(出典:FUNDINNO)

「町家泊」という新しい旅のスタイルを提案

 同社は京町家をリノベーションし、宿泊施設として再生するとともに、京都の歴史的な景観の保全に取り組んでいるといいます。

 京町家の意匠はそのままに、洗練されたインテリアや現代の生活スタイルに最適化した快適な空間作りにこだわり、また、京都での日常生活を体感し、歴史や文化を感じることができる「町家泊」という新しい旅のスタイルを提案しています。

【タイトル】
(出典:FUNDINNO)

 京都では、ペットと泊まれる宿はまだブルーオーシャンだといい、同社は愛犬と一緒に宿泊できるドッグフレンドリー施設の展開にも注力しています。ドッグフレンドリー施設はすべて一棟貸しで、愛犬の安全に配慮した内装や足洗い場、備品などを用意しているそうです。

 同社は「地域共生」を重視した、地主・近隣住民・従業員・宿泊者・出資者全てが活性化する「五方よし」をモットーとしています。

 「弊社の町家ホテルをハブに地域と積極的に関わる機会を作り、伝統文化を継承しながら、現代のカルチャーも取り入れ、地域の活性化に取り組んでいます」(同社)

「ビジネスモデル」「販売戦略」「競争優位性」

【ビジネスモデル】

 同社の宿泊施設は、京町家オーナーと約15~20年の定期借家契約を結び、一括借り上げした物件が中心です。リノベーション費用は同社が負担し、宿泊業の売上から、家賃をオーナーに支払っています。

 自社で物件を買い取らないため、初期投資はリノベーション費用などの2000万円程度のみ。低リスクでありながら、高効率の収益性を確保することができ、概ね2年程度で初期投資費用を回収、収益化できるそうです。

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(出典:FUNDINNO)

 契約期間終了後は、改装した物件をそのまま返却するか、契約を延長するかをオーナーが選択できます。宿泊施設運営中は家賃収入を得ることができ、契約終了後は物件に居住することも賃貸に出すことも可能で、遊休資産を低リスクで運用できる点が、大きなメリットであるといいます。

 また、同社がリノベーションから運営までワンストップで行う物件の他、不動産オーナーの負担でリノベーションまで行う既存活用型の運営形態や、営業委託による運営形態もあるそうです。

【販売戦略】

 同社は創業時より、日本人をメインターゲットとした集客・マーケティング戦略を採用しています。地域共生を重視した「五方よし」を経営理念に、地元の人々の思いを尊重しているそうです。

 一方で、インドネシアや中東等のイスラム圏へ向けたマーケティングやムスリムフレンドリーの取り組みにも注力しています。イスラム教の教義上、飲酒による騒音などのトラブルが起きにくく、地元にも受け入れられやすいと考えているそうです。

 日本人旅行者の閑散期に稼働率を高める戦略として、イスラム圏を主軸としたインバウンド誘致のため、SNSでの広告運用やマーケティングを強化しています。

 現在は稼働率が好調なため、SNSマーケティング専門人材によるSNS等の包括的な見直し・改善を進め、認知拡大やブランディングの強化、インフルエンサーや海外YouTuberを通じた情報発信などに取り組んでいます。

【競争優位性】

 地元のつながりを重視する京都という土地柄、空き家となった町家の取得やリノベーションの実施はコスト面からも、地元の事業者が圧倒的に有利だといいます。

 同社代表は京都市内の私立大学を卒業後、同窓生の強い結びつきが縁で京町家の再生事業をスタートしており、このバックグラウンドが京都でのビジネスを円滑に進める基盤となっているそうです。

 「地域に根差した企業として受け入れられたことにより、『地元価格』で物件の仕入れやリノベーションができ、短期間での収益化につながっていると考えています」(同社)

 また、同社は宿泊だけでなく、京都文化の体験も包括したプラスアルファの特別な滞在価値も提供しているそうです。

今後の成長に向けて

(1)京都の成功モデルを全国に拡大

 現在、不動産オーナーや文化財を有する自治体から引き合いが多数あるといい、現状のリソースでは全てに対応しきれない状況だといいます。今回の資金調達で対応キャパシティを拡大し、より多くの不動産再生に着手する計画です。

 また、現状の客室数では繁忙期に宿泊できないケースが発生しているため、施設数を拡大し、より多くの顧客に京都での「町家泊」を体験してもらいたい考えです。

 さらに、京都の町家だけではなく、日本各地に存在する貴重な古民家や文化財の再生事業にも着手し、その第1弾として、奈良県で2つのプロジェクトを進めています。京都府以外の地域からも、ホテル運営の引き継ぎや不動産活用のオファーがあるといい、まずは関西圏を中心に展開エリアを広げていくといいます。

 「日本各地に残されている、空き家となった古民家や活用されずに朽ち果てようとしている文化財を弊社が保全し、新たな価値を与え、地域の活性化につなげる好循環の創出を目指します」(同社)

【タイトル】
(出典:FUNDINNO)

(2)文化財を次世代に継承する「カルチャーバンク」

 同社は京町家再生を通じて、京都の景観保全に取り組んできましたが、今後は対象範囲を拡大し、伝統工芸や無形文化財など、京都など日本の文化の保全を目的に、新たな価値を与える取り組みを進めています。

 例えば、京都の西陣織は過去30年で出荷額が10分の1以下に減少、伝統的な産業の衰退が課題となっており、同社は、西陣織の端切れを活用し、京都らしさを感じてもらえるオリジナルのリネン類を制作し、宿のアメニティとして設置する計画です。

 さらに、同社のオリジナル商品としてECサイトで販売し、遠方の地域や海外の顧客に京都文化を発信していく予定です。

 「町家再生事業と同様、さまざまな文化資産を弊社で預かり、事業での活用によって保全、再生、発展を目指します。銀行が預金を預かり、融資や投資で運用するように、文化の銀行、いわば『カルチャーバンク』として、企業や自治体、個人オーナーと連携しながら、日本から消えかけている素晴らしい文化を現代の生活に取り入れやすい形に再生し、次世代に継承していきたいと考えています」(同社)

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(出典:FUNDINNO)

(3)将来のExitはIPOを想定

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(出典:FUNDINNO)

(4)2029年に京町家ホテルの宿泊者数年間3.8万人を計画

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(出典:FUNDINNO)

類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)

・ニッソウ <1444> [東証G]
・タスキ <2987> [東証G]
・アズーム <3496> [東証G]
・アールプランナー <2983> [東証G]
・ツクルバ <2978> [東証G]

株主優待

【基準日】
毎年11月末日

【優待内容】
・66株未満:同社運営施設宿泊料金3%オフ
・66~131株:同5%オフ
・132株以上:同7%オフ

【申し込み方法】
基準日経過後、予約可能な予約サイトをメールにて知らせる。そのサイトからの予約のみ割引をする。

【注意事項】
・他の特典や政府による割引事業との併用不可。株主特別予約サイトからの予約のみに適用。
・1人、1年に1回限りの優待。2023年9月末日に優待を利用した既存株主は11月末日にも再度、優待を利用できる。

発行者・募集情報

■募集株式の発行者の商号及び住所、資本金等
株式会社立志社
東京都渋谷区恵比寿南一丁目20番6号第21荒井ビル4F
資本金:28,810,000円(2023年8月3日現在)
発行済株式総数:112,540株(同)
発行可能株式総数:400,000株
設立日:2014年7月18日
決算日:12月31日

■募集株式の発行者の代表者
代表取締役 前田弘二

■募集株式の種類及び数(上限)
普通株式 27,675株

■募集株式の払込金額
1株あたり 3,600円

■資金使途
・目標募集額達成時の資金使途内訳
調達額1,496万円を以下の目的に充てる予定。
人件費 1,129万円
消耗品費 120万円
手数料 246万円

・上限募集額達成時の資金使途内訳
上記に追加し、調達額8,466万円(目標募集額1,496万円と上限募集額9,963万円との差額)を以下の目的に充てる予定。
京都町家取得費 4,000万円
別エリア(奈良)物件取得費 3,069万円
手数料 1,396万円

■投資金額のコース及び株数
97,200円コース(27株)
194,400円コース(54株)
291,600円コース(81株)
388,800円コース(108株)
486,000円コース(135株)
972,000円コース(270株)
1,944,000円コース(540株)
2,916,000円コース(810株)
3,888,000円コース(1,080株)
4,860,000円コース(1,350株)
※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、486,000円コース(135株)までしか申し込みできない。特定投資家口座からの申し込みの場合、4,860,000円コース(1,350株)を上限とする。

■申込期間
2023年10月7日~10月20日

■目標募集額
14,968,800円(上限募集額 99,630,000円)
※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は79,704,000円とする。

■払込期日
2023年11月14日

■連絡先
電話番号:075-468-1417
メールアドレス:funddino@risshisha-group.com

※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。

<稼働率前年比約2倍>京都の町家をホテル再建のプロが蘇らせる。高収益モデルで全国展開を狙う「立志社」

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