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【経済】【クラファン】ベトナムの過酷な医療環境を変える画期的「問診サポートシステム」 Lea Bio、9月24日募集開始

 問診サポートシステムでベトナムの医療のDX化を目指すLea Bio株式会社(神奈川県藤沢市)が、株式投資型クラウドファンディング(普通株式型)による出資を募集します。申し込みは9月24日10時開始を予定しています。

・ 普通株式型
・ 目標募集額:1500万円、上限募集額:4000万円
・ 事業会社/CVC出資実績あり
・ エンジェル出資実績あり
・ エンジェル税制あり(優遇措置B)
・ みなし時価総額:1億9141万1100円
・ 類似上場企業:ケアネット <2150> [東証G]、ジェイフロンティア <2934> [東証G]、Welby <4438> [東証G]、MRT <6034> [東証G]、ポート <7047> [東証G]
※「みなし時価総額」はミンカブ編集部が「発行済み株式数×募集株式の払込金額」により試算

ベトナムの医療の過酷な現実を変えたい



 Lea Bioの浜中康晴代表は小児専門病院の理学療法士を経て、製薬会社でがんなどの治療薬の臨床開発や治験業務に従事、また、ヘルスケア業界での豊富な経験や実績を生かし、バイオベンチャー企業のコンサルティング業務も経験した後、ベトナムの医療の過酷な現実を変えたいという強い思いから、同社を創業しています。

【タイトル】
(出典:FUNDINNO)

 同社は、ヘルスケア分野におけるサービスの開発・販売およびコンサルティング業務を行っており、特にベトナムの過酷な医療環境のDX化を目指して、問診サポートシステム「MEQUY(ミクイ)」を開発し、導入拡大を図っています。

 「MEQUY」は患者の問診をオンライン上で手軽にできるサービスで、患者は診察前、「Facebook Messenger」を通して体調などを入力し、医師はそのデータをもとに効率よく診察ができるというものです。実際に「MEQUY」を使用している医療機関では、1人当たりの問診時間を約60%、年間約1000時間削減しています。

 現在はベトナム国内の3施設に導入されており、うち1施設では事業開発を目的としてMOU(基本合意書)を締結。また、ベトナム以外でも、タイ、シンガポールの医療機関への導入が決定しました(2023年9月時点)。

 創業手帳の「注目のスタートアップ起業家」に選出されたほか、2023年7月には、ベトナムにおける保健課題の解決等について意見交換を行う日本政府主催のイベントにも参加。同イベントでは、10月に日本のヘルスケア関連企業とともにベトナムで講演なども行う予定です。

 「今後はベトナムの医療業界との強固なコネクションや、国家戦略として医療分野のDX化を進める市場環境を武器に『MEQUY』の導入を広げ、『MEQUY』を活用した診療の保険適用を目指して臨床試験を実施していきます。将来的に、日本とベトナム間におけるメディカルツーリズムへも活用していきたいと考えています」(同社)

 事業計画と施策のサマリは以下の通りです。

【2024年4月~2025年3月期】売上約0.39億円

 機能拡充においては、日本のものづくり補助金を活用し、入院病棟用のシステムやAIを用いた写真診断、過去データと比較できる機能の開発を進めていくとしています。また、小児循環器科などへの適用拡大を進め、製品のナレッジを蓄積させることでシステムの基礎固めを図りたい考えです。

【2025年4月~2026年3月期】売上約0.94億円

 ベトナムでは感染者が多いB型肝炎の新たな治療法の一つとして、「MEQUY」を患者に処方できるよう、保険適用を目指すとしています。また、糖尿病や生活習慣病などを扱う診療科などへと、対象診療科目を拡大したい考えです。

【2026年4月~2027年3月期】売上約1.98億円

 かつて、がんなどの治療薬の臨床開発に従事していた代表の経験も踏まえて、腫瘍内科へも適用拡大を図るとしています。さらに、導入予定のタイ、シンガポールの医療機関を契機に、インドネシアなどASEAN諸国への進出を計画しています。

【直近】

 現在、「MEQUY」販売前に実施したテストで一番ニーズが高かった産婦人科・小児科・消化器内科のほか、精神科・心療内科の医療機関に対して展開していますが、ベトナムの医療機関は横のつながりが強いため、すでにつながりのある医師の紹介から導入先を拡大しているそうです。

【IPOタイミング】

 IPOについては、2030年ごろに着手する計画です。それまでに医療業界での地位を確立するべく、ASEAN諸国での普及を進めていく方針です。あらゆる診療科目への対応や機能拡充により、ベトナムで「MEQUY」が問診に一番多く使われているサービスとなることを目指すとしています。

日本の約3倍の患者に対応しているベトナムの医師

 同社によると、2018年のベトナムの医療費支出は全体で約145億米ドル。政府が捻出した医療費はその約46%に当たる約66億米ドルで、2008年から約2.8倍に膨らんでいます。

 一方で、日本では、人口から算出した医師1人当たりが対応する患者数は約370人であるのに対し、ベトナムでは約1160人と、日本の約3倍もの対応が求められています。医療施設も日本の約1/4と少なく、施設の廊下にずらりと並んでいる入院ベッドを2~3人で共用している施設もあるそうです。

 ベトナムの医師や看護師などの医療従事者は早朝から夜遅くまで、診療・オペ・入院患者の巡回などの業務に追われており、同社の調査では、残業時間が月に170時間以上という医師も数多くいたといいます。しかし、高い賃金が支払われているわけではなく、2021年6月からの1年間で退職者は約1万人に。医療の質は低下し、患者の心理的不安も増していると同社は考えています。

 また、医療水準の地域格差は近年ますます拡大しており、公立と私立の医療機関でも大きく異なるといいます。都市部の公立医療機関に患者が集中し、患者が廊下で5時間以上も待っている施設も珍しくないそうです。

 このような状況から、患者自身が薬を薬局で購入し、しばらく経過観察してしまうケースも多く、重症化してから高次医療機関を受診する患者が増えているといいます。その結果、再診率が高まり、中央医療機関の混雑状況はさらに悪化しているそうです。

 「弊社は、このような医療従事者を取り巻く環境を改善することこそ、ベトナム医療の質の向上につながるのではないかと考えました」(同社)

「Facebook Messenger」を活用した「MEQUY」

 同社は、診察前に患者の容態をヒアリングできる問診サポートシステム「MEQUY」を2022年12月にリリースしています。

 同サービスの問診では、ベトナム人の約66%が利用する「Facebook Messenger」を活用することで、患者側は新規にアプリをダウンロードすることなく、気軽に「MEQUY」を利用できるそうです。

 患者から収集したデータをもとに自動生成したグラフから、忙しい医療従事者が適切に患者の状態を判断し、問診時間を削減しながら、医療の質を向上させることができるといいます。

 また、医師が患者の病状に合わせて質問を自由にカスタマイズし、定期的に患者へ自動送信します。患者に返信をしてもらうことで、自宅療養期間の容態を把握し、合併症や急な体調変化の早期発見をサポートするそうです。

 さらに、患者が入力した情報をリスト化・文章化し、カルテ作成作業の効率化も実現しているといいます。

【タイトル】
(出典:FUNDINNO)

 これにより、実際に「MEQUY」を使用している医療機関では、1人当たりの問診時間を約60%、年間約1000時間削減、また、診察前の患者の待ち時間が50%以上削減できた計測結果もあるそうです。

 さらに、予約変更の手続きのほか、返信のない患者へ連絡できる機能も搭載し、患者がストレスなく利用できるよう工夫しているといいます。

 自宅療養期間でも医師が常に体調をモニタリングしてくれているという安心感から、現在、導入している医療機関では約90%の継続率を維持、今後はほかの診療科への導入を拡大させていきたい考えです。

 「弊社は、このような仕組みによって医療現場の業務を効率化させ、ベトナムの医療の発展に貢献したいと考えております」(同社)

「ビジネスモデル」「競合優位性」「営業戦略」

【ビジネスモデル】

 同社は2019年に日本で、2022年にはベトナムで法人を立ち上げています。日本法人では主に資金調達を行い、現地法人への投資を担当。また、現地法人が行う「MEQUY」関連事業の売上の一部を日本法人へ送り、ベトナム以外の国への販路拡大やベトナム現地法人の管理および運営支援を行っています。

 「MEQUY」の収益軸は、医療機関からのシステム利用料です。初期費用のほかに、利用者数および来院回数に単価500円をかけ合わせた金額を月ごとに支払います。

 また、システム不具合発生時のサービスおよびサポート体制の整備も計画しており、カスタマーセンターを設置し、メールや電話で対応していく予定です。将来的には、パッケージ化して販売することも検討しています。

【タイトル】
(出典:FUNDINNO)

【競合優位性】

 ベトナム国内では、多くのサービスが患者側の利便性にフォーカスしたものである一方、「MEQUY」は医療現場のニーズに沿ったローカライズを徹底し、ユーザーに「問診時間の短縮」といった価値を提供しているといいます。

 また、ベトナムの約12人に1人が感染しているとされるB型肝炎患者に対して、運動と食事の指導を連動させるプログラムも提供する予定です。同プログラムは医療機器としての保険適用を目指しており、今後、臨床試験を実施し、治癒率や満足度などを調査していくといいます。

 「MEQUY」の普及には医療機関への導入が鍵であり、ベトナムは横のつながりが強いため、商談を持ちかけるには関係者との適切なつながりが不可欠だといいます。同社代表らは同国の医療業界に強いコネクションがあるため、同国のヘルスケア市場に参入できているそうです。

 また、「MEQUY」はベトナムで権威のある3名の現役医師がアドバイザーとして監修しており、開発段階から導入テストに至るまで、そのアドバイスをもとにより良い製品開発に努めているそうです。

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(出典:FUNDINNO)

【営業戦略】

 「MEQUY」の早期ターゲットは、中央医療機関に当たる国立の医療機関や大規模病院です。権威ある医療機関からのサービス普及を目指すことで、ベトナム市場に広く展開していきたい考えです。

 「MEQUY」はすでに消化器内科・産婦人科・神経内科(精神科領域の患者に利用)の3施設に導入されており、ハノイ市にある消化器内科の病院(Institute of Gastroenterology and Hepatology)とは、事業開発を目的としてMOUを締結しています(2023年9月時点)。

 さらに、タイ、シンガポールの医療機関へも導入が決定しており、まずはこれらの実績をもとに、他医療機関への展開を加速させていきたい考えです。

 「ベトナム政府は、医療課題の解決のため、国として医療分野のDX化を優先度高く推進していくことを2020年に発表しました。また、ベトナムは経済成長によって生活習慣病などの再診を多く必要とする病気が増加しており、このような動きも、『MEQUY』の導入先拡大においては今後、追い風になっていくと弊社は考えています」(同社)

今後の成長に向けて

(1)入院患者に対応した総合型システムの開発や保険適用を計画

 同社は短期目標として、「MEQUY」のさらなる機能拡充を目指していくとしています。

 現在は日本のものづくり補助金を活用し、入院病棟用システムの開発を2023年5月からスタート。大手病院であっても、外来と入院では診療や投薬情報などが共有されていないことが多いといい、これらを連携できるシステムを構築中です。

 また、AIを用いた写真診断や過去データと比較できる機能については、すでにベトナム国家大学ホーチミン市校(Vietnam National University HCMC)と共同研究を行っており、7月下旬より、テスト導入を実施。現在は約500名の患者の診断に利用しているそうです。

 また、今後は活用してもらえる診療科を広げていく予定で、まずは患者数あたりの医師数が不足している精神科・心療内科への導入を進め、その後、小児循環器科への導入も目指しています。

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(出典:FUNDINNO)

 B型肝炎患者の治療過程における「MEQUY」利用の保険適用は2024年開始を目指しており、まずは臨床試験を実施しながら、関係者との人脈づくりにも注力する予定です。

(2)メディカルビッグデータを活用し、ASEAN諸国へ展開

 「MEQUY」を通じて、ベトナムのヘルスケア業界における貴重なデータが大量に収集できる見込みだといいます。また、毎年、約4万人のベトナム人が医療サービスを受けるために海外旅行に約20億ドルを使っているといい、同社は「MEQUY」を日本とベトナム間のメディカルツーリズムに活用できると考えています。

 一例として、ベトナム人患者のオペを日本で行い、その後の経過を「MEQUY」を通じてモニタリングし、国境を越えた情報交換や、患者帰国後の処置・治療法の指導などが可能になるとしています。

 「MEQUY」はベトナム以外の国でも引き合いがあるといい、海外展開へ向けて準備を進めており、将来的にはASEAN諸国への事業展開も視野に入れているそうです。

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(出典:FUNDINNO)

(3)将来のExitはIPOを想定

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(出典:FUNDINNO)

(4)2030年に年間利用者数約130万人を計画

【タイトル】
(出典:FUNDINNO)

株主構成

 同社は、以下の事業会社およびエンジェル投資家より出資を受けています。

・株式会社Luatsu
・ATHLEE PTE.LTD.
・アイタン株式会社
・MAXPAYMENT GATEWAY SERVICES PTE.LTD.

類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)

・ケアネット <2150> [東証G]
・ジェイフロンティア <2934> [東証G]
・Welby <4438> [東証G]
・MRT <6034> [東証G]
・ポート <7047> [東証G]

発行者・募集情報

■募集株式の発行者の商号及び住所、資本金等
Lea Bio株式会社
神奈川県藤沢市辻堂元町三丁目7番20号ボナール湘南103号
資本金:12,239,997円(2023年9月7日現在)
発行済株式総数:3,798,222株(同)
発行可能株式総数:20,000,000株
設立日:2019年8月14日
決算日:3月31日
※2023年8月31日を効力発生日として、発行済株式総数、資本金の変更を実施しており、現時点で登記申請中。登記完了後の発行済株式総数は3,828,222株、資本金は12,989,997円となる。

■募集株式の発行者の代表者
代表取締役 浜中康晴

■募集株式の種類及び数(上限)
普通株式 800,000株

■募集株式の払込金額
1株あたり 50円

■資金使途
・目標募集額達成時の資金使途内訳
調達額1,500万円を以下の目的に充てる予定。
ソフトウェア開発費 770万円
エンジニア人件費 280万円
営業人件費 120万円
手数料 330万円

・上限募集額達成時の資金使途内訳
上記に追加し、調達額2,500円(目標募集額1,500万円と上限募集額4,000万円との差額)を以下の目的に充てる予定。
ソフトウェア開発費 806万円
エンジニア人件費 784万円
営業人件費 360万円
手数料 550万円

■投資金額のコース及び株数
100,000円コース(2,000株)
200,000円コース(4,000株)
300,000円コース(6,000株)
400,000円コース(8,000株)
500,000円コース(10,000株)
1,000,000円コース(20,000株)
2,000,000円コース(40,000株)
3,000,000円コース(60,000株)
4,000,000円コース(80,000株)
5,000,000円コース(100,000株)
※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、500,000円コース(10,000株)までしか申し込みできない。特定投資家口座からの申し込みの場合、5,000,000円コース(100,000株)を上限とする。

■申込期間
2023年9月24日~10月5日

■目標募集額
15,000,000円(上限募集額 40,000,000円)
※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は32,000,000円とする。

■払込期日
2023年10月30日

■連絡先
Lea Bio株式会社
電話番号:080-3319-0722
メールアドレス:hamanaka@leabio.com

※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。

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