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【市況】伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 9月3日版

日経平均は週明け後に続伸するなら戻り高値を目指す公算
1. 日経平均が年前半に上昇した年の展開を再確認
 6月11日の本コラムでは、本年と同様、 日経平均株価が年の前半に値幅の伴った上昇の流れを作っている年を示すため、1月から6月までの期間で月足が4回以上陽線で引けている年を紹介しました。1990年から2022年の期間で、14回がそのパターンに当てはまりますが、2014年のように月足が陽線となっても1月から5月まで上値重く推移している動きもあって、必ずしも年の前半に上昇の流れを作っている年ばかりではありませんでした。
 そこで、今回はチャートを見てはっきりと年の前半に上昇の流れを作っているものだけを取り上げて、その後の展開を見ていきます。
 1990年から2022年の期間では、1993年、1994年、1996年、1997年、1999年、2002年、2004年、2007年、2013年、2015年、2019年の11回が年の前半に上昇しています。
 図1は、これらの年の1年間の値動きのパターンをおおまかにまとめたものになります。
 1993年は6月まで上昇し、6月と9月の高値でダブル・トップの格好となって、9月以降、年末まで年の前半の上昇分を押し戻されるパターンとなっています。
 1994年(6月に最高値)、1996年(6月に最高値)、1997年(6月に最高値)、2002年(5月に最高値)、2004年(4月に最高値)、2007年(2月に最高値)、2015年(6月に最高値)は、だいたい5月、6月まで上昇して、年間の最高値をつけた後、年末へ向けてジグザグの下げの流れを作るパターンとなっています(2007年だけ少し異なりますが、6月頃まで堅調に推移してから下げる展開となっています)。
 1999年、2013年、2019年は、それぞれ7月、5月、4月まで上昇を経過し、その後、9月頃まで上値重く推移して、10月頃から年末まで下げた分を戻す程度の上げを経過するパターンとなっています。
 2019年は、4月までの上げ幅があまり大きくならなかった分だけ、年末へ向けた上昇幅が大きくなっています。
 年末へ向けて価格が上昇する場合、6月までの高値が上値の目安になって、下げた分を戻す展開となっています。
図1 日経平均が年の前半に上昇した年の展開
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