【市況】株価指数先物【寄り前】 買い一巡後の底堅さを確認
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 31860 +230 (+0.72%)
TOPIX先物 2282.0 +15.0 (+0.66%)
シカゴ日経平均先物 31860 +230
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
25日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」ではパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が「必要と判断すればさらに利上げする用意がある」と述べ、改めてインフレ抑制を優先する姿勢を示した。一方で「金融引き締めの長期化によって悪影響を与える可能性もある」と述べており、景気にも配慮する姿勢を示した。25日の米国市場は講演後に売られる場面が見られたが、売り一巡後は買い戻され上昇に転じた。S&P500業種別指数は自動車・同部品、ソフトウエア・サービス、テクノロジー・ハード・機器が上昇した一方で、半導体・同製造装置、銀行、電気通信サービスが下落。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比230円高の3万1860円だった。日経225先物(9月限)は日中比20円高の3万1650円で始まり、緩やかなリバウンド基調を見せ、米国市場の取引開始後に3万1850円まで買われた。その後、パウエル議長の講演を受けて米国市場が下落するなか、これに連動する格好から一時3万1610円まで売られた。しかし、売り一巡後は米国市場の切り返しを受けて買い戻され、終盤にかけて3万1890円まで上げ幅を広げ、3万1860円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い先行で始まることになりそうだ。前週末にはパウエル議長の講演に対する警戒感から売りが膨らんでいたが、無難に通過したこともあり、買い戻しが先行しそうだ。ただし、米国市場ではアップル<AAPL>やアマゾン・ドット・コム<AMZN>、アルファベット<GOOG>、マイクロソフト<MSFT>など大型テック株が買われたものの、エヌビディア<NVDA>は2%を超える下落となったこともあり、指数インパクトの大きい値がさハイテク株へのインパクトは限られそうである。
日経225先物は、買い一巡後はボリンジャーバンドの-1σが位置する3万1770円処での底堅さを見極める展開が見込まれ、-1σが支持線として意識される局面では、節目の3万2000円での攻防から、75日移動平均線が位置する3万2140円近辺を狙ったロング優勢の流れが期待される。オプション権利行使価格の3万1750円処での押し目狙いのロング対応として、下値の堅さを確認したいところだろう。
VIX指数は15.68(前日は17.20)まで大幅な低下を見せており、25日、75日線水準まで下げている。75日線(15.18倍)を下回ってくるようだとリスク選好に傾きやすく、注目しておきたい。一方で、200日線が18.37に位置しているため、再び同線に接近する局面ではリスク回避姿勢が強まりやすいと考えられる。
なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で13.95倍に低下した。5月10日に付けた直近安値13.91倍が意識されており、米国市場の上昇を受けていったんはNTショートの巻き戻しが入りやすいだろう。ただし、方向性は下向きであるため、14.11倍辺りに位置する200日線を明確に上放れてこないと、戻りの場面ではNTショートによるスプレッド狙いの動きに向かいやすいとみておきたい。
株探ニュース