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【市況】市場はなお、来年前半の米利下げを織り込んでいる

 前回のFOMC議事録では、委員の大半がインフレが鈍化しない可能性を懸念し、利上げ継続が必要になり得るとの見解を示していた。市場は金曜日のジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演に注目しているが、利上げ終了は接近しているものの、あと若干の追加利上げと、その後の高水準での金利維持の可能性を示唆する内容になるとの見方が広がっている。

 しかし、短期金融市場では以前ほどではないが、なお来年前半の米利下げを織り込んでいる。FRBは高金利は長期化するとずっと言っているが、市場はそれに耳を傾けていない。堅調な米経済、高水準の雇用、低い失業率を示すデータがFRBの見方を裏付けてはいるが、これまでの経験則から、FRBはピーク時の金利水準を6-12カ月程度しか維持していないとの指摘も出ている。一方、現在の高インフレと堅調な労働市場からは、景気が減速し、更にインフレ圧力が緩和するには時間がかかるだろうとも指摘している。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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