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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):日本製鉄、日精工、アドテスト

日本製鉄 <日足> 「株探」多機能チャートより
■日本製鉄 <5401>  3,260円  -42 円 (-1.3%)  本日終値
 日本製鉄<5401>、JFEホールディングス<5411>など大手をはじめ鉄鋼株が軒並み安。低PBR・高配当利回り株の宝庫でバリュー株の象徴セクターとして買われていたが、足もと全体相場がリスクオフに傾くなか、利食い急ぎの動きが顕在化した。特に、中国の景気減速懸念が高まるなか、「中国での鋼材需要の低迷が粗鋼生産の下方修正要因として警戒されている」(中堅証券ストラテジスト)とし、鉄鋼セクターの先行き業績不透明感がにわかに投資家心理を冷やしているもようだ。

■日本精工 <6471>  817円  -6.2 円 (-0.8%)  本日終値
 日本精工<6471>やダイフク<6383>など機械セクターの株価が軟調に推移。内閣府が17日発表した6月機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」は前月比2.7%増の8540億円となった。2カ月ぶりのプラスとなったが、市場予想を下回った。7~9月期の見通しでは、受注総額は前年同期比2.8%減の7兆7784億円、船舶・電力を除く民需は同2.6%減の2兆5174億円となっており、機械株に対しては業績へのネガティブな影響を懸念した売りが出たようだ。三菱重工業<7011>やコマツ<6301>なども下落している。

■アドバンテスト <6857>  18,200円  -120 円 (-0.7%)  本日終値
 アドバンテスト<6857>、ディスコ<6146>がいずれも3日ぶり反落。ただ、下値では押し目買いが観測される。前日の米国株市場で半導体関連株が売られ、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は2%強の下落をみせており、きょうの東京市場でも同関連株への逆風が引き続き意識される状況にある。ただ、生成AI市場拡大に対する期待は根強く、画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>は、同日に3日ぶりに反落したものの下落率は1%程度にとどまった。来週23日に発表される同社の5~7月期決算にマーケットの関心が高い。そうしたなか、エヌビディアの画像処理半導体向けに半導体テスターを供給するアドテストや今下期以降に生成AI関連の受注本格化が見込まれるディスコなどは、半導体製造装置関連株の中でも相対的に強さを発揮している。

■アトラグループ <6029>  229円  +50 円 (+27.9%) ストップ高   本日終値
 アトラグループ<6029>が後場に急伸。200円台に乗せて年初来高値を更新した。この日、メディアシーク<4824>とともに、ブレインテックを活用した施術サービスの提供を開始すると発表。これが株価の刺激材料となった。接骨院などに向けて痛みの緩和を目的に、脳波を活用したブレインテックトレーニングサービスを提供する。アトラ請求サービスの会員に提供する院内管理システム「A-COMS」と、メディアSのアプリとのシステム連携を図るとともに、脳波データを活用して施術後の患者の状態を多面的に評価し、新しい施術の実施を模索する。

■フジタコーポレーション <3370>  381円  +80 円 (+26.6%) ストップ高   本日終値
 フジタコーポレーション<3370>が大幅続伸。14日取引終了後に発表した4~6月期連結決算は売上高が10億9700万円(前年同期単独10億600万円)、営業損益が1400万円の黒字(同3400万円の赤字)だった。収益改善の進展を評価した買いが入り、足もと上げ足を加速させている。新型コロナウイルス対策の緩和が追い風となった。商品価格値上げなどの影響や子会社取得により売上高が増加。原価・水光熱費の高騰による影響があったものの、増収効果で吸収した。

■メルディアDC <1739>  763円  +100 円 (+15.1%) ストップ高   本日終値
 メルディアDC<1739>がストップ高。16日の取引終了後、同社の親会社である三栄建築設計<3228>に対し、オープンハウスグループ<3288>が完全子会社化を目指し、1株2025円で株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。メルディアDは15日、24年6月期が減益となる見通しを発表し、翌16日に株価は急落していた。TOB成立後、オープンハウスグループ<3288>の傘下にメルディアDが入る見込みとなったことで、PER(株価収益率)が4倍台にとどまる同社に対しては、収益性の向上と割安感の修正への思惑が膨らみ、買い戻しが集まった。メルディアDは16日の取引終了後、親会社に対するTOBについての適時開示を告知するとともに、メルディアDの株式は上場維持されると表明した。

■ヘッドウォータース <4011>  7,690円  +1,000 円 (+15.0%) ストップ高   本日終値
 ヘッドウォータース<4011>が切り返し急。前日まで2営業日連続のストップ安に売り込まれていた。きょうも朝方は追い証絡みの投げ売りでウリ気配スタートとなったが、寄った直後からリバウンド狙いの買いが集中する格好となった。同社が14日取引終了後に発表した23年12月期第2四半期累計(1~6月)の連結決算は、売上高が前年同期比79.3%増の11億5800万円、最終損益が3000万円の黒字(前年同期は800万円の赤字)と改善色を鮮明としたが、直近の4~6月期でみると売上高が1~3月期を下回り、最終損益は赤字となっており、これを売り材料に株価急落の憂き目をみた。しかし市場では「悪いところをほじくり返したような売り仕掛けで実態面ではここまで売り込む理由がない」(中堅証券ストラテジスト)という声も出ていた。足もとマーケットで顕在化している“グロース狩り”の流れに乗せられた形だが、実際に直近で貸株調達による外資系証券経由の空売りが急増していた。きょうは値幅制限下方拡大となり、ストップ安は4000円(株価では2690円まで)に広げられたが、このタイミングでは売り込めないと見た売り方のショートカバーが作用して戻り足に弾みがついた。もっとも、前日までの2営業日は取引時間中に商いが成立しないストップ安配分だったことで、追い証回避の潜在的な売り圧力は残っていると思われる。ストップ高をつけた後は再び剥がれる格好となっており、しばらくは売りと買いのせめぎ合いで不安定な値動きが予想される。

■神栄 <3004>  1,422円  +82 円 (+6.1%)  本日終値
 神栄<3004>が3日続伸し、年初来高値を更新した。16日の取引終了後、メディパルホールディングス<7459>の連結子会社であるメディセオが、医療用医薬品の高機能物流センター(ALC)に、神栄の連結子会社である神栄テクノロジーが開発した温度管理システムを導入する予定だと発表し、手掛かり視されたようだ。導入されるクラウド型温度管理システムは、停電などの異常時におけるバックアップ機能を強化するとともに、設定温度を逸脱した場合は即座にアラートを発信するなど、品質の一元管理と現場の迅速な対応を可能にする。メディセオの東北ALC(岩手県花巻市)を皮切りに、今年9月に完成予定の阪神ALC(兵庫県西宮市)など他拠点に順次導入する予定という。

■シノプス <4428>  1,078円  +62 円 (+6.1%)  本日終値
 シノプス<4428>が急反発し、年初来高値を更新した。17日、伊藤忠商事<8001>とともに、食品デマンド・チェーン・マネジメントの実証実験を、スーパーマーケットを運営するウオロク(新潟市中央区)で開始したと発表し、材料視されたようだ。小売業の需要予測データを卸売業や製造業につなげてサプライチェーンの最適化を目指す。シノプスで算出した店舗の需要予測データを活用し、物流センターの稼働効率の向上を図るとともに、特売品の需要予測を14日先まで行い、従来は数日前に確定していた卸売業者への発注を14日前に確定させる。これにより、在庫調整業務の負荷低減や過剰在庫、欠品などのリスク抑制につなげる。

■Ysテーブル <2798>  2,598円  +128 円 (+5.2%)  本日終値
 ワイズテーブルコーポレーション<2798>が反発し、年初来高値に接近した。16日の取引終了後、株主優待制度の一部変更を発表し、これを前向きに受け止めた買いが入ったようだ。これまでは2月と8月の末日を基準日として100株以上を保有する株主に対し、直営店などで利用できる1000円分の株主優待券を5枚贈呈していた。今回、200株以上300株未満の株主には同優待券を10枚、300株以上保有の株主には15枚贈呈する形とする。100株以上を3年以上継続保有する株主に2月末を基準日として贈呈する株主向けメンバー「XEX MEMBERS CLUB」の優待は継続する。一方、優待を受けられる店舗について、これまではフランチャイズ店舗が含まれていたが、今後は直営店舗(一部店舗及び商品を除く)を対象とする。今年8月末日を基準日とする株主名簿に記載または記録された株主より適用する。

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