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【市況】ダウ平均は伸び悩む 米CPIはインフレ鈍化を示唆 ただ、不安定な値動きは続く=米国株前半

NY株式10日(NY時間13:42)
ダウ平均   35159.25(+35.89 +0.10%)
ナスダック   13706.98(-15.04 -0.11%)
CME日経平均先物 32560(大証終比:0 0.00%)

 きょうのNY株式市場でダウ平均は横ばい。取引開始前に発表の米消費者物価指数(CPI)を受けて、米株式市場は買いが先行し、ダウ平均は一時455ドル高まで上昇する場面が見られた。ただ、動きが一巡すると戻り売りに押され、伸び悩んでいる。

 米CPIは予想を若干下回る程度ではあったが、インフレ鈍化を示唆するには十分な内容で、短期金融市場ではFRBの年内利上げの確率を低下させている。少なくとも9月FOMCでの利上げはほぼないと見ている状況。

 ただ、米株式市場は昨年3月以来の高値水準で7月を終えた後、8月に入ると不安定な値動きが続いている。バリュエーションは、特にIT・ハイテク株で拡大しており、米経済がソフトランディングに成功し、FRBの利上げキャンペーンが終焉を迎えるという期待が後押ししている。

 その期待を過度に織り込んでいるのではとの出始めており、S&P500は現在の4450から4500の辺りを上下動し、第2四半期決算の大半を通過するまでは神経質な時間が続くのではとの見方も出ている。

 ひとまずイベントを通過したことで、8月下旬にワイオミング州のジャクソンホールで開催されるFRBのシンポジウムまで重要イベントはないが、一部からは、そこでパウエルFRB議長が追加利上げの可能性を温存させておくとの見方も出ている模様。

 決算ではディズニー<DIS>が前日引け後に発表し、ディズニー+の加入者が3四半期連続で減少し、予想も下回ったものの、ストリーミング配信の値上げや、ハリウッドのストの影響もあり、コンテンツ支出の下方修正も発表し、株価は上昇。ディズニー+の加入者が第4四半期には増加に転じるとの見通しも示していた。株価は上昇しており、ダウ平均をサポートしている。

 カジノのウィン・リゾーツ<WYNN>も前日引け後に発表し、マカオ市場が好調で予想を上回る結果を発表し、株価は上昇している。

 一方、フォード<F>、GM<GM>といった自動車株が下落。労使交渉が始まっているが、全米自動車労組(UAW)は46%の賃上げを始め、伝統的な年金の復活、生活費の増加、週40時間から32時間への労働時間の短縮、退職者給付の増加など経営側に要求している。一部の推計によると、要求が全て実現した場合、メーカー側のコストは800億ドル余り押し上げることになり、各社の利益は帳消しになるとの分析も出ている。

*米消費者物価指数(7月)21:30
結果 0.2%
予想 0.3% 前回 0.2%(前月比)
結果 3.2%
予想 3.3% 前回 3.0%(前年比)
結果 0.2%
予想 0.2% 前回 0.2%(コア・前月比)
結果 4.7%
予想 4.8% 前回 4.8%(コア・前年比)

(NY時間13:42)
ディズニー<DIS> 91.18(+3.69 +4.22%)
ウィン・リゾーツ<WYNN> 104.69(+3.14 +3.09%)
フォード<F> 12.13(-0.60 -4.71%)
GM<GM> 34.26(-2.01 -5.53%)

アップル<AAPL> 177.77(-0.42 -0.24%)
マイクロソフト<MSFT> 321.91(-0.33 -0.10%)
アマゾン<AMZN> 137.68(-0.18 -0.13%)
アルファベットC<GOOG> 130.38(+0.23 +0.17%)
テスラ<TSLA> 243.32(+1.13 +0.47%)
メタ・プラットフォームズ<META> 304.80(-0.41 -0.13%)
AMD<AMD> 109.73(-0.74 -0.67%)
エヌビディア<NVDA> 421.80(-3.74 -0.88%)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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