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【市況】株価指数先物【引け後】 先回り的に米株安を織り込む動き


大阪9月限
日経225先物 32610 -800 (-2.39%)
TOPIX先物 2295.5 -38.0 (-1.62%)

 日経225先物(9月限)は前日比800円安の3万2610円で取引を終了。寄り付きは3万3070円とシカゴ日経平均先物清算値(3万3200円)を下回って始まった。現物の寄り付き時点では下げ渋る動きも見られたが、その後は下へのバイアスが強まり、ほどなくして節目の3万3000円を割り込んだ。売り一巡後は3万3000円を挟んで保ち合ったが、前場終盤にかけてレンジを下放れると、ランチタイムで3万2690円まで下落幅を広げた。後場中盤には3万2820円辺りまで下げ幅を縮める動きも見られたが、終盤にかけて持ち高調整の売りが強まり、現物の大引け直後には3万2590円まで売られた。

 格付け会社フィッチ・レーティングスは、米国の長期外貨建て国債格付けを「AAA」から「AA+」に引き下げたと発表した。米国債の格下げがトリガーになる形でアルゴリズムが発動し、ショートが強まったようだ。決算発表が本格化するなかで国内外の機関投資家は積極的にポジションを傾けてくる動きは限られていることもあり、短期のヘッジファンドなどのトレードによる影響が大きく出た格好だろう。日経225先物は前場中盤辺りに、いったん3万3000円水準で下げ渋る場面も見られたが、支持線として意識されていた25日移動平均線を割り込んだことで、押し目を狙っていたロングもクローズを強いられた面もあるだろう。

 グローベックスの米株先物ではNYダウ先物が0.4%、ナスダック100先物は0.9%ほどの下落で推移しており、日経225先物はこれを大きく上回る2.39%の下落となった。米国市場の下落を相当織り込んだ格好のため、米国市場が先物水準での下落にとどまるようだと、過剰反応に対するリバウンドをみせてくる可能性があろう。ただし、ナイトセッションで概ね反応をみせることで、日中取引は引き続き不安定な展開を想定しておきたい。

 日経225先物のボリンジャーバンドの-1σは3万2290円辺りに位置しており、早い段階で25日線が位置する3万2730円辺りを回復できないと、下へのバイアスが強まりやすい。-1σを下回ってくるようだと、-2σの3万1850円辺りが意識されやすく、7月12日に付けた3万1760円がターゲットとして射程に入ってくる。

 なお、NT倍率は先物中心限月で14.20倍に低下した。日経平均型を中心としたショートによって一時14.16倍まで下げており、ボリンジャーバンドの-3σおよび200日線が位置する14.12倍に接近してきた。調整一巡も意識されやすくなるため、もう一段の低下を想定しつつも、NTショートの巻き戻しのタイミングを探ることになりそうだ。

 手口面では、日経225先物はABNクリアリン証券が4646枚、みずほ証券が694枚、三菱UFJ証券が686枚、UBS証券が491枚、SBI証券が343枚の買い越しに対して、JPモルガン証券が1485枚、ゴールドマン証券が1459枚、ビーオブエー証券が1385枚、野村証券が1247枚、ドイツ証券が876枚、バークレイズ証券が527枚の売り越しだった。なお、ABNクリアリン証券の買いは、裁定解消(先物買い・現物売り)に伴う商いとみられる。

 TOPIX先物物はみずほ証券が2204枚、ソシエテジェネラル証券が1855枚、HSBC証券が1613枚、JPモルガン証券が1205枚、野村証券が908枚、大和証券が244枚の買い越しに対して、ゴールドマン証券が3972枚、ドイツ証券が1075枚、ビーオブエー証券が858枚、モルガンMUFG証券が607枚、ABNクリアリン証券が416枚の売り越しだった。

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