【市況】テーマ性のある銘柄などでの短期的な物色/オープニングコメント
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
24日の日本株市場は、買い一巡後は次第にこう着感が強まりそうだ。21日の米国市場は、NYダウが2ドル高、ナスダックは30ポイント安だった。楽観的な景気見通しを受けた買いが継続するなか、利食いも入りやすく伸び悩む展開。また、ハイテク株にはリバランスに絡んだ売りが入った。シカゴ日経225先物清算値は、大阪比400円高の32670円。円相場は1ドル141円70銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い先行で始まることになりそうだ。日経225先物はナイトセッションの開始後ほどなくして一気に32760円まで買われた。日銀は現時点でイールドカーブコントロール(YCC)政策の副作用に対応する緊急性は乏しいとの認識を示したとの報道をきっかけに円安基調が強まり、これを受けて日経225先物は急伸した。ただし、米国市場の取引時間帯では32700円を挟んだこう着を継続しており、仕掛け的な商いは入りづらいだろう。
また、週末の米国市場ではハイテク株の一角が売られたが、24日に実施されるナスダック100先物のリバランスに絡んだ動きと見られている。リバランスの影響を見極めたいとする模様眺めムードが強まりやすく、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の重荷となる可能性はありそうだ。そのほか、米国ではハイテク株の決算が相次ぐため、先週のテスラやネットフリックスのように失望につながる決算が相次ぐようだと、神経質にさせそうだ。国内でもアドバンテスト<6857>や信越化<4063>など主要企業の決算発表を控えていることから、結果を見極めたいところだろう。
そのほか、日銀会合に絡んだ報道によって円相場が大きく振れやすいと考えられ、為替にらみの展開を余儀なくされ、円相場が大きく変動する局面においては、先物主導で振らされやすい需給状況になりそうだ。物色は決算を手掛かりとした個別対応のほか、直近IPO銘柄などでの短期的な値幅取り狙いの動きに向かわせよう。また、岸田首相は「ChatGPT」をはじめ、急速に活用が広がっている生成AIなどの先端技術分野に対して、支援を強化することを表明しており、AI関連などテーマ性のある銘柄などでの短期的な物色も意識されそうだ。
《AK》
提供:フィスコ