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【市況】テクニカル指標は新たな強気相場突入を示唆=米国株

 エコノミストやストラテジストからは依然として懸念の声が多いものの、米株式市場はその声を無視し、堅調な推移を続けている。ダウ平均は8連騰しており、2021年3月以来の最長となった。

 そのような中、テクニカル指標は米株式市場の新たな強気相場入りを示唆しているとの指摘が出ている。今週の上げでS&P500は昨年の下落相場のフィボナッチ76.4%戻しの水準を上抜いている。S&P500が高値から20%超下落し、弱気相場に入りとなった後に底を付け、上記水準まで買い戻された場合、翌年中に再度最安値を試しに行ったことは1929年以来、一度もないという。テクニカル上は100%完璧に新たな強気相場入りを示唆しているという。

 騰落レシオや出来高を分析するアームズ指数といったブレドス(Breadth)と、モメンタムの両シグナルはまだ不完全だが、昨年秋の最安値以降、株価上昇と伴に改善している。200日線より上で取引されている銘柄の割合が70%近くに達しており、過熱感を測るテクニカル指標であるRSIは継続的に上昇しているという。

 また、経済全体のファンダメンタルズを顕著に示唆する3つのセクターのチャートも明るい時代の到来を示唆していると述べている。半導体と住宅建設はともに下降トレンドから抜け出し、21年後半のピークを突破している。一方、運輸は他の2業種ほど決定的ではないが、同様に下降トレンドから脱却しつつあるとしている。住宅建設は6月に最初に底から反発したが、他の2業種は市場全体が底を打った頃に安値をつけた。

 一方、ディフェンシブはそのリーダーシップをシクリカルに完全に譲っており、それは市場全体の見通しが良くなることを示唆しているという。公益セクターは5月以降、全体と比較して大きく苦戦しており、これは全体相場にとってはポジティブなシグナルだとしている。インフレと賃金上昇に鈍化傾向が示され始めている中、個人消費の先行きに対する懸念は根強いにものの、生活必需品は消費裁量に対してアンダーパフォームしており、より積極的な消費関連株への移行を示唆している。

 消費財セクターと公益セクターは、S&P500の中で最もベータ(指数への感応度)の低い2つのセクターだが、下落相場では最も持ちこたえるが、上昇相場では最も遅れをとる傾向があるという。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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