【市況】株価指数先物 【週間展望】 ―ETF決算通過で目先底を意識
TOPIX <日足> 「株探」多機能チャートより
今週の日経225先物は、10日の上場投資信託(ETF)の決算通過による需給改善を受けてロングが入りやすくなりそうだ。ただし、米国では米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を決定する上で重要なインフレ指標として位置づける消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数(PPI)の発表に加え、週末にはJPモルガン・チェース<JPM>など主要銀行の決算発表が予定されている。そのため、これらの結果を受けた米国市場の動向を睨んだトレードになりやすい。
ETFの分配金を捻出するための現物や先物の売り需要については、7日の値動きにも顕著に表れていた。投機筋による先回り的な動きも入ったと考えられ、後場半ばの3万2600円水準から大引けは3万2430円へ下げ、ナイトセッションの開始直後には3万2200円まで下落した。
10日はiFreeETF TOPIX(年1回決算型) <1305> [東証E]、NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信 <1306> [東証E]など5つのETFが決算となり、分配金見込み額は約1兆8147億円となる。先週の日経225先物は4日に付けた3万3810円を高値に、7日の取引終了後のナイトセッションで付けた3万2200円まで1610円下げている。7日時点でショートカバーのほか、押し目待ち狙いのロングも若干入っているとみられるが、分配金捻出のための売り需要に向かう形で、カバーを伴ったロングが入りやすいだろう。
日経225先物は、先週の下落で支持線として意識されていた25日移動平均線を割り込み、6月22日に付けた直近安値の3万2250円も下回るなど、トレンドは悪化傾向にある。ただし、大きな需給イベントを通過することによって、目先底入れをみせてくる可能性がある。テクニカル面では、ボリンジャーバンドの-1σを下回り、-2σが位置する3万1780円辺りが意識される。ただし、週初の売り需要で同水準まで調整をみせてくるようだと、調整一巡感が意識されやすい。
また、7日に発表された6月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比20万9000人増えた。雇用者数の増加幅は予想(23万人増程度)を下回ったが、平均時給の伸びが予想を上回っており、FRBによる金融引き締めへの警戒は解けず、主要な株価指数が下落した。しかし、前日に一時17.08まで上昇したVIX指数は14.83に低下しており、前日に発表されたADP雇用統計で織り込まれていたようだ。
もっとも、今週は重要なインフレ指標の発表を控えていることもあり、12日のCPIや13日のPPI発表前には積極的なロングは手控えられそうだ。そのため、需給イベントの通過による底入れが意識されるものの、強いリバウンドは期待しづらく、-2σから25日線辺りの推移になると考えられ、オプション権利行使価格の3万1875円~3万2875円処のレンジを想定する。
先週のNT倍率は、先物中心限月で14.38倍に低下した。ボリンジャーバンド-2σ水準での攻防が見られ、14.29倍辺りに位置する-3σが意識されやすいだろう。ただし、過去の動きでは-3σから反転へ向かう事例も少なくなく、同水準に接近する局面ではNTショートの巻き戻しが入る可能性があろう。
6月第4週(6月26日-30日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では3週連続で売り越しており、売り越し額は1963億円(6月第3週は3069億円の売り越し)だった。なお、現物は3041億円の買い越し(同3604億円の売り越し)と2週ぶりの買い越しであり、先物は5005億円の売り越し(同535億円の買い越し)と2週ぶりに売り越している。個人は現物と先物の合算で1095億円の売り越しで、2週ぶりの売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で861億円の売り越しとなり、2週連続の売り越しだった。
経済スケジュールでは、10日に6月景気ウオッチャー調査、中国6月消費者物価指数(CPI)、中国6月生産者物価指数(PPI)、米国5月卸売売上高、12日に5月機械受注、6月国内企業物価指数、米国6月CPI、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、13日に中国6月貿易収支、米国6月PPI、14日に5月鉱工業生産確報値、米国6月輸入/輸出物価指数、米国7月ミシガン大学消費者態度指数などが予定されている。
――プレイバック・マーケット――
●SQ値
07月限 日経225 26659.58 TOPIX 1890.16
08月限 日経225 28525.62 TOPIX 1963.05
09月限 日経225 28253.40 TOPIX 1957.76
10月限 日経225 26666.31 TOPIX 1885.58
11月限 日経225 28225.86 TOPIX 1978.52
12月限 日経225 27576.37 TOPIX 1945.27
01月限 日経225 26325.21 TOPIX 1900.71
02月限 日経225 27779.75 TOPIX 1986.19
03月限 日経225 28377.34 TOPIX 2047.32
04月限 日経225 28519.43 TOPIX 2019.76
05月限 日経225 29235.08 TOPIX 2090.33
06月限 日経225 32018.38 TOPIX 2211.13
◆日経225先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
23/09 07月07日 32600 32720 32220 32430 -300
23/09 07月06日 33230 33240 32610 32730 -590
23/09 07月05日 33320 33370 33010 33320 ±0
23/09 07月04日 33720 33810 33300 33320 -330
23/09 07月03日 33200 33740 33170 33650 +460
◇TOPIX先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
23/09 07月07日 2266.0 2273.0 2244.0 2254.0 -19.0
23/09 07月06日 2299.5 2300.5 2265.5 2273.0 -31.5
23/09 07月05日 2303.0 2310.0 2287.0 2304.5 +0.5
23/09 07月04日 2318.5 2325.5 2298.5 2304.0 -11.0
23/09 07月03日 2287.0 2320.5 2286.5 2315.0 +28.0
●シカゴ日経平均 円建て
清算値 前日大阪比
07月07日(9月限) 32465 +35
07月06日(9月限) 32450 -280
07月05日(9月限) 33120 -200
07月04日(9月限) 休場
07月03日(9月限) 33615 -35
※前日比は大阪取引所終値比
□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
売り 前週末比 買い 前週末比
06月30日 1212億円 +480億円 1兆4486億円 -636億円
06月23日 732億円 -235億円 1兆5123億円 +1345億円
06月16日 967億円 -915億円 1兆3778億円 +324億円
06月09日 1883億円 +331億円 1兆3453億円 +73億円
06月02日 1551億円 +444億円 1兆3379億円 +1433億円
05月26日 1107億円 +204億円 1兆1946億円 +768億円
05月19日 902億円 -31億円 1兆1177億円 +1491億円
□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
売り 前日比 買い 前日比
07月05日 1522万株 -1266万株 5億7177万株 -1862万株
07月04日 2789万株 +49万株 5億9039万株 -2755万株
07月03日 2740万株 +42万株 6億1795万株 -469万株
06月30日 2697万株 -67万株 6億2265万株 -3502万株
06月29日 2764万株 +860万株 6億5767万株 +1億1127万株
06月28日 1904万株 +315万株 5億4640万株 +2342万株
06月27日 1589万株 +43万株 5億2297万株 -118万株
06月26日 1545万株 -30万株 5億2416万株 -229万株
06月23日 1576万株 0万株 5億2646万株 +585万株
06月22日 1576万株 0万株 5億2061万株 -70万株
06月21日 1576万株 +34万株 5億2131万株 +907万株
06月20日 1542万株 -196万株 5億1224万株 +1791万株
06月19日 1739万株 -438万株 4億9432万株 +1679万株
06月16日 2177万株 -1440万株 4億7753万株 +669万株
■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分)
【2022年】
1月14日 701億円
1月25日 701億円
2月14日 701億円
3月07日 701億円
4月07日 701億円
5月19日 701億円
6月13日 701億円
6月17日 701億円
12月2日 701億円
【2023年】
3月13日 701億円
3月14日 701億円
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