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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「安値期日に戻り高値」

株式評論家 富田隆弥

◆真夏日の如く熱気に包まれてきた東京市場だが、夏休みを前に雲行きが怪しくなってきた。日経平均株価は1月4日の安値から26週を経過、その安値期日が7月4日であり、7月上旬がポイントになると見ていた。読み通り7月3日に大きく上昇して3万3762円の高値をつけ、6月19日の高値3万3772円にあと10円まで迫ったが、ここで頭打ちとなった。本コラム執筆時点の6日は565円安と3日続落し、25日移動平均線(3万2909円)を割り込んだ。

◆すぐに切り返して25日線を回復するならば「上昇基調」を継続するだろう。だが、もたついて25日線の下方で推移するようだと、「調整」懸念を強めかねない。週足のRCI(順位相関指数、9週、13週、26週)は90%台に集まり、「陰転」の気配が漂う。この先、6月27日の調整安値3万2306円を割り込むと、チャートは日足、週足ともに3万3700円台での「ダブルトップ」が確定し、陰転が鮮明になる。

◆外国人投資家(6月第4週、現物株と先物の合計)が3週連続で売り越したほか、7月上旬は上場投資信託(ETF)の分配金捻出に伴う売りも指摘されていた。加えて、米中貿易摩擦や中国景気の減速なども警戒されたが、相場が下げ始めると燻っていた懸念要因が表舞台に表れるのも相場の常である。

◆25日線の下でもたつけば、需給悪化懸念も出てくる。6週ぶりに減少したものの、なお1年6カ月ぶりの高水準にある信用買い残(6月30日申し込み時点、3兆4675億円)や、7週ぶりに減少したとはいえ4年8カ月ぶりの高水準にある裁定買い残(同1兆4486億円)も重荷(シコリ)となりかねない。「8月お盆まで調整」というアノマリー(経験則)もあり、暗雲が晴れるまでしばし夏休みを取り、様子見も賢明と思われる。

(7月7日 記、次回更新は7月15日を予定)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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