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【市況】来週の株式相場に向けて=「二番天井」形成を警戒、7月日銀会合にも関心高まる

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 7日の東京株式市場は、日経平均株価が384円安と4日続落。米ADP雇用統計が予想外に強く、前日のNYダウが下落したことが嫌気された。また東京市場では、きょうの引けにかけ上場投資信託(ETF)の分配金捻出売りが出ることが警戒された。

 このETF売りに関しては「東京市場の出来高は特に増えてはいない。事前に先物などを通じて売りは出ていたのではないか」(市場関係者)との観測もある。引けにかけての売りは、今晩の米6月雇用統計を前にいったんポジションを落としたためとの見方もある。

 そんななか市場の関心を集めているのが、チャート上では6月19日と7月3日の高値による「ダブルトップ(二番天井)」が形成されつつあることだ。下値抵抗線となるネックラインは6月27日の安値(3万2306円)であり、ここを割り込めば調整局面入りが確認されるという。それだけに今晩の米雇用統計は、日経平均株価が瀬戸際で踏ん張ることができるかどうかの大きなポイントとなりそうだ。

 ただ、たとえ調整期入りしても、それは短期的なものとなることも予想される。相場の次の焦点は7月下旬の「米連邦公開市場委員会(FOMC)」「日銀金融政策決定会合」、そして「決算発表」だ。この3大イベントをクリアすれば「再び海外投資家は買い姿勢を強めそうだ」(アナリスト)とみられている。例えば、海外投資家は日銀の政策変更を警戒している。しかし、現状維持が確認されれば、再び海外勢は買い意欲を強めそうだ。日経平均株価の下値のメドは3万1000円前後で、調整があっても下げは限定的とみる声は少なくない。

 来週は12日の米6月消費者物価指数(CPI)が注目されそうだ。また、13日には同生産者物価(PPI)が発表される。14日にはJPモルガン<JPM>やシティグループ<C>の決算発表があり、米国は決算シーズン入りする。

 国内では10日に6月景気ウォッチャー調査、12日に5月機械受注が発表される。また消費関連企業などの決算発表がピークを迎える。10日にウエルシアホールディングス<3141>、11日にビックカメラ<3048>、12日に吉野家ホールディングス<9861>、13日にファーストリテイリング<9983>、14日にIDOM<7599>などが決算を予定している。来週の日経平均株価の予想レンジは3万1800~3万3100円前後。(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS

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