【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):オリエンタルランド、クレセゾン、浅沼組
OLC <日足> 「株探」多機能チャートより
オリエンタルランド<4661>が全般軟調地合いに流されず頑強な値動き。世界的なインフレが続くなか国内でも製品やサービス価格の上昇傾向が強まっている。そうしたなか、東京ディズニーリゾートを運営する同社も、今年10月1日から入場料金の値上げを行うことを前週末23日に発表した。混雑時の価格は従来比1500円の値上げで大人1日券が1万900円となり、初めて1万円を超える。テーマパークなどのレジャー関連は、インバウンドによるコト消費需要などを追い風に強気の価格設定を打ち出しやすくなっている。同社も料金値上げによる収益改善効果に期待した買いが足もとの株価に反映されている。
■クレディセゾン <8253> 2,110円 +24.5 円 (+1.2%) 本日終値
クレディセゾン<8253>はしっかり。前週末23日の取引終了後、スルガ銀行<8358>の主要株主になることについて、銀行法に基づく認可を金融庁より取得したと発表した。今後のサービス展開に対する期待を膨らませる格好となったほか、国内有力証券によるレーティング引き上げも追い風となり、買いを集めたようだ。スルガ銀はクレセゾンの持ち分法適用会社となる予定。日本会計基準であるスルガ銀の財務諸表をIFRS(国際会計基準)に組み替えたうえで、クレセゾンの連結財務諸表に取り込んでいく。負ののれん発生益及びスルガ銀の貸出金などに対して必要な信用損失引当金など、IFRSに関連した調整額が計上される見込み。クレセゾンは連結業績予想に影響を与える可能性があるとして、現在精査中だとしている。
■淺沼組 <1852> 3,200円 +20 円 (+0.6%) 本日終値
淺沼組<1852>が底堅い。前週末23日の取引終了後に自社株買いの実施を発表し、株価の支えとなった。同社は取得総数5万株(自己株式を除く発行済み株式総数の0.31%)、取得総額1億6000万円を上限とする自社株買いを6月26日から9月30日までの間に実施する。東京証券取引所における市場買付けにより取得する。
■エイベックス <7860> 1,496円 +2 円 (+0.1%) 本日終値
エイベックス<7860>が4日ぶりに反発した。前週末23日の取引終了後、海外100%子会社のAvex Asia(シンガポール)がサウジアラビアにおいて新会社を設立することを決めたと発表。イベント企画・制作・運営や音楽事業などを展開するAvex Saudi Arabia Entertainment(リヤード州)を8月に設立する予定。サウジアラビアや中東全域での事業拡大を狙う。
■日本オラクル <4716> 10,800円 -900 円 (-7.7%) 本日終値
日本オラクル<4716>が急落。前週末23日の取引終了後に23年5月期の単体決算を発表した。経常利益は前の期比1.5%増の746億8100万円と、過去最高益を更新した。未定としていた前期の年間配当は162円と、前の期比2円増配とした。一方、直近3カ月間の3~5月期の経常利益は微減益となっており、業績のモメンタム鈍化を懸念した売りが出たようだ。23年5月期の売上高は前の期比5.7%増の2269億1400万円だった。3~5月期でも増収となったが、セグメント別では「クラウド&オンプレミスライセンス」と「サービス」が減収となった。24年5月期は、売上高で前期比2.0~6.0%増、1株当たり純利益で406~418円と予想する。
■ミスミグループ本社 <9962> 2,907円 -142 円 (-4.7%) 本日終値
ミスミグループ本社<9962>が続落。前週末23日の取引終了後に月別売上高実績を発表した。5月の連結売上高は前年同月比3.5%減の294億6300万円となった。減収で着地したことを嫌気した売りが膨らんだ。事業別では、VONA事業が同5.1%減の134億4300万円、FA事業が同4.5%減の94億3900万円と落ち込んだ。一方、金型部品事業は同1.3%増の65億8100万円と増収となった。
■富士通 <6702> 18,285円 -265 円 (-1.4%) 本日終値
富士通<6702>が軟調。同社が出資する富士通クライアントコンピューティングのノートパソコンの販売を巡り、景品表示法違反(有利誤認表示)が認められたとして、消費者庁が前週末23日に措置命令を行ったと発表しており、株価の重荷となったようだ。消費者庁によると、「LIFEBOOK」ブランドの15商品について、自社ウェブサイトで販売実績のないWEB価格を表示しながら、更に安いキャンペーン価格を表示した。同庁は再発防止策の構築などを求めている。
■カシオ計算機 <6952> 1,165円 -15 円 (-1.3%) 本日終値
カシオ計算機<6952>が続落。5月31日につけた年初来安値の更新が視野に入っている。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が前週末23日、カシオのレーティングを「オーバーウエート」から「ニュートラル」に引き下げた。目標株価も1800円から1390円に減額している。成長の柱である中国の回復が鈍く、値上げへの姿勢も消極的な印象だと指摘。同証券はカシオの24年3月期営業利益について、予想をこれまでの313億9000万円から190億円に見直した。
■アドバンテスト <6857> 18,285円 -185 円 (-1.0%) 本日終値
アドバンテスト<6857>、レーザーテック<6920>など半導体製造装置関連の主力銘柄が軟調な値動き。前週22日にストップ安に売り込まれたSoC(システム・オン・チップ)設計・開発のソシオネクスト<6526>も安い。前週末の米国株市場ではFRBによる金融引き締めが長期化することへの警戒感から、ハイテク株が総じて軟調な値動きとなり、半導体セクターも広範囲に値を下げる銘柄が多くなった。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は1.8%安とナスダック総合株価指数の下落率を上回った。東京市場でも前週後半から同セクターへの利益確定の動きが顕在化しており、きょうも米半導体株安を受け上値の重い展開となっている。ただ、下値では出遅れた向きの押し目買いも観測され強弱観は対立している。
株探ニュース