【市況】前場に注目すべき3つのポイント~戻り待ちの売りは入りやすく、個人主体による中小型株への物色が中心に~
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
26日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■戻り待ちの売りは入りやすく、個人主体による中小型株への物色が中心に
■日本オラクル、23/5営業利益 1.6%増 743億円
■前場の注目材料:トヨタ自、水素利用拡大、量産工程で実証加速
■戻り待ちの売りは入りやすく、個人主体による中小型株への物色が中心に
26日の日本株市場は、米株安の流れからやや売り優勢の展開になりそうだ。23日の米国市場は、NYダウが219ドル安、ナスダックは138ポイント安だった。米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利上げにより、景気後退に陥るとの懸念が根強く売り優勢の展開。6月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は、総合PMIが前月から低下したことで、景況感の悪化が警戒された。金利が低下したにもかかわらずハイテクも売られ、株式相場は終日軟調に推移。シカゴ日経225先物清算値は、大阪比35安の32635円、円相場は1ドル143円60銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや売り先行で始まることになりそうだ。日経平均は先週末の大幅な下げに対する自律反発が意識されやすいところではあるが、日経225先物はナイトセッションで一時32350円まで売られており、支持線として意識される25日線に接近してきた。日経平均は先週末の下げで支持線として意識されていたボリンジャーバンドの+1σを明確に下回っていることもあり、25日線辺りをターゲットとした売り仕掛け的な動きは入りやすいだろう。
売り一巡後は、いったん自律反発の動きは意識されやすいだろうが、ボリンジャーバンドの+1σが位置する33170円辺りでは上値の重さは意識され、戻り待ちの売りは入りそうだ。月末の年金によるリバランス需給への警戒もあり、利益確定を急ぐ流れのなか、25日線水準での底堅さが見られるまでは、押し目狙いの買いも慎重にさせそうである。また、米国ではエヌビディアなど、これまで相場をリードしてきたハイテク株への利益確定の売りも目立ってきており、米国市場の下げ止まりも見極めたいところである。
そのため、物色の流れとしては、個人主体による中小型株への物色が中心になりやすい。今週もIPOが相次ぐことから、短期的な値幅取り狙いの動きは活発だろう。そのほか、生成AIなどテーマ性のある材料株への循環的な物色のほか、浮動株比率の低い銘柄などへは投機的な資金が集中しやすいと考えられる。
■日本オラクル、23/5営業利益 1.6%増 743億円
日本オラクル<4716>が発表した2023年5月期業績は、売上高が前期比5.7%増の2269.14億円、営業利益は同1.6%増の743.96億円だった。通期としては、売上高、営業利益、経常利益および純利益ともに過去最高を達成した。クラウドについては、パフォーマンスやセキュリティ、費用対効果を重視される顧客からの引合いが強い。
■前場の注目材料
・1ドル=143.60-70円
・米長期金利は低下
・米国景気は拡大
・日銀は金融緩和を継続
・トヨタ自<7203>水素利用拡大、量産工程で実証加速
・JSR<4185>産業革新投資機構傘下に、半導体材料材料に集中
・ソニーG<6758>熊本に画像センサーの新工場、稼働時期「需要で判断」セミコン社長
・三井物産<8031>蘭社買収、食品素材、低糖質商品など拡充
・横浜ゴム<5101>亀裂が進みにくいゴム材、信州大と開発
・マツダ<7261>ロータリー搭載PHV量産開始、欧州向け
・ソディック<6143>海外で攻勢、食品機械の営業専門部署を新設
・千代化建<6366>中山水熱と協業、回転機診断を強化
・JUKI<6440>ミシン生産受託、三菱電から厚物用
・鈴茂器工<6405>寿司ロボなど修理費値上げ
・ニコン<7731>3Dプリンターに遠隔監視機能、年度内めど提供
・浜松ホトニク<6965>光半導体製造の新棟建設、370億円投資、生産能力2倍
・東応化<4186>東工大と協働研究拠点を設置、新規事業のテーマ発掘
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・特になし
<海外>
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《ST》
提供:フィスコ