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【市況】株価指数先物【寄り前】 戻りの鈍さが意識される局面では、月末月初の売り需要を睨んだショートが入りやすい


大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 32600 -70 (-0.21%)
TOPIX先物 2256.5 -2.5 (-0.11%)
シカゴ日経平均先物 32635 -35
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 23日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。朝方発表された6月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)は、製造業・サービス業を合わせた総合PMIが前月比1.3ポイント低下の53となり、景況感の悪化につながった。米連邦準備理事会(FRB)による追加利上げ観測が根強いなか、持ち高調整の売りが優勢となった。S&P500業種別指数はすべてのセクターが下落しており、自動車・同部品、半導体・同製造装置、公益事業、消費者サービス、商業サービス・用品の弱さが目立った。

 シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比35円安の3万2635円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは、日中大阪比20円高の3万2690円で始まり、開始直後に付けた3万2740円を高値に軟化し、米国市場の取引開始前には3万2350円まで下げ幅を広げる場面があった。その後、中盤にかけて買い戻されたが開始直後に付けた高値には届かず、終盤にかけて3万2540円~3万2650円辺りで保ち合い、3万2600円でナイトセッションの取引を終えた。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや売り優勢の展開になりそうだ。米国市場では足もとで相場を牽引していたテスラ<TSLA>やエヌビディア<NVDA>などの下げが目立っており、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の重荷となろう。日経225先物は前週末の下落により、これまでサポートとして機能していたボリンジャーバンドの+1σを明確に下回ってきた。ナイトセッションでリバウンドを見せられなかったこともあり、押し目待ち狙いの買いも慎重にさせそうだ。

 日経225先物はナイトセッションで一時3万2350円まで売られ、3万2160円辺りで推移している25日移動平均線に接近してきた。前週の大幅な調整に対する自律反発狙いの買いが意識されやすいものの、戻りの鈍さが意識される局面では、ショートが入りやすいだろう。25日線がサポートとして機能するか試す動きも考えられ、同線を下回る局面では節目の3万2000円割れを仕掛けてくる流れに向かいやすい。まずは、下値の堅さを見極めたいとする模様眺めムードが強まろう。そのため、オプション権利行使価格の3万2125円~3万2750円処のレンジ推移を想定する。

 また、四半期末を迎えることから、月末に向けて年金などのリバランス売りが警戒されている。週末には米連邦準備理事会(FRB)が注視する5月の個人消費支出(PCEデフレーター)の発表を控えていることも手掛けづらくさせる。さらに7月上旬にはパッシブ型ETFの決算が控えており、分配金の捻出のための売り需要が発生するため、思惑的なショートを誘い込みやすい。

 しかし、これまでの上昇に対する調整であり、ピーク感による資金流出ではないだろう。月末・月初に控える売り需要を前にした利益確定の動きと考えられる。反対に想定される売り需要に対しては押し目待ち狙いの買いが意識されやすい。

 VIX指数は13.44に上昇したが、依然としてボトム圏での推移である。米国市場で主要な株価指数は下落した中で落ち着いた推移を見せており、リスク選好の流れは継続していると考えられる。

 なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で14.46倍だった。ボリンジャーバンドの+1σを下回り、支持線として意識されていた25日線を割り込んできた。バンドが収斂するなかでトレンドが出やすいタイミングであったため、想定されていた動きではある。ただし、目先的には-1σが位置する14.38倍辺りまでの低下は想定しておきたい。

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