【注目】話題株ピックアップ【昼刊】:さくらネット、図研、三菱商
さくらネット <日足> 「株探」多機能チャートより
さくらインターネット<3778>が強烈な上昇波動を形成している。人気化の背景は前週末16日に、経済産業省からクラウド基盤の整備を目的とした「クラウドプログラム」の供給確保計画で認定を受けたと発表したこと。国内での生成AI開発の基盤づくりに乗り出し、同社が近く整備するスーパーコンピューターの経費の半額を国が助成することで、同社の存在が一気にクローズアップされる格好となった。株価は16日に1本値でストップ高の150円高に買われ、週明け19日もカイ気配のまま大引けまで値がつかず、連続で値幅制限上限まで駆け上がった。きょうは値幅制限が拡大されたが、一時744円高(74%高)の1750円をつける場面があった。世界的に生成AIの市場急拡大が観測されるなか、国内でも同分野のインフラ整備が国策の位置付けで進められる方向にある。同社株は、その象徴銘柄としてにわかに頭角を現し、短期資金の攻勢が加速した。株式需給面からは空売りも高水準に観測され、需給相場の様相となっている。
■図研 <6947> 4,240円 +485 円 (+12.9%) 11:30現在 東証プライム 上昇率2位
図研<6947>が大幅高。昨年8月につけた3880円を上抜け、2021年11月以来およそ1年7カ月ぶりの高値圏に浮上した。19日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表しており、これを好感した買いが入っている。取得上限は110万株(自己株式を除く発行済み株数の4.73%)、または40億円。期間は6月20日から来年3月29日まで。
■エニマインド <5027> 991円 +56 円 (+6.0%) 11:30現在
AnyMind Group<5027>が3日続伸となっている。同社はきょう、パナソニック ホールディングス<6752>傘下のパナソニック マレーシアと同国におけるECディストリビューション契約を締結したと発表。これが材料視されているようだ。同社は高品質な日本の製品を紹介するマレーシア国内ユーザー向けECサイト「Inspired Lifestyle Japan」を立ち上げ、メンズシェーバーをはじめとしたグルーミング製品や浄水器などの商品販売を開始。今後は女性向け美容家電など、より幅広い商品展開を予定しているという。
■ジャパンディスプレイ <6740> 40円 +2 円 (+5.3%) 11:30現在 東証プライム 上昇率7位
ジャパンディスプレイ<6740>が反発。日立製作所<6501>、東芝<6502>、ソニーグループ<6758>の事業統合で発足された中小型液晶パネル大手だが、足もとの業績は不振が続いており、株価は50円未満での推移となっている。そうしたなか、19日取引終了後、可視光を通過する透明な5Gミリ波対応液晶メタサーフェス反射板の開発に世界で初めて成功したことを発表、これが株価を刺激する格好となった。株価は2円高の40円ながら率にして5%を超えており、出来高流動性の高さからロットを利かせた売買で参戦する動きもあるようだ。
■都築電気 <8157> 1,944円 +55 円 (+2.9%) 11:30現在
都築電気<8157>が上げ幅を拡大し、年初来高値を連日で更新した。20日、米マイクロソフト<MSFT>とオープンAIによるサービス「Azure OpenAI Service」の活用支援を始めると発表した。生成AIに関するサービスとあって、買いを誘う要因となった。都築電は、先端技術を通じた新たな価値を顧客とともに創造するための「D-VUE DX導入支援サービス」のアドバイザリー範囲に生成系AIの追加を決定した。「Azure OpenAI Service」のセキュアな活用環境の導入から運用保守まで、ワンストップでの提供を実現。顧客の先端技術の早期導入につなげる。
■住信SBIネット銀行 <7163> 1,672円 +47 円 (+2.9%) 11:30現在
住信SBIネット銀行<7163>が反発した。20日、カーボンクレジット事業への参入を発表し、好感されたようだ。地理空間情報のアプリプラットフォームを通じ、スマート林業の実現を支援するマプリィ(兵庫県丹波市)と、資本業務提携に向けた検討を開始することで合意した。省エネルギー・再生可能エネルギー設備の導入や、森林経営などの取り組みによる二酸化炭素(CO2)などの削減・吸収量をクレジットとして認証する「J─クレジット」制度を活用。森林由来のカーボンクレジットの流通や活用に向け、実証実験を行う予定という。森林サプライチェーンのDX(デジタルトランスフォーメーション)化も狙う。
■三菱商事 <8058> 7,118円 +176 円 (+2.5%) 11:30現在
三菱商事<8058>が9連騰で年初来高値を連日で更新したほか、三井物産<8031>、伊藤忠商事<8001>など総合商社株が軒並み上昇している。著名投資家のウォーレン・バフェット氏率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイが総合商社大手5銘柄を買い増したことを明らかにし、マーケットで話題となっている。5大商社のうち4社で保有株比率が8%を超えたが、今後も保有株を漸次増やす方針で最大9.9%まで保有することを表明している。これを受けて、総合商社株は一段の上値が見込めるとの思惑が、投資資金の買いを誘導している。各社とも4月中旬以降に急ピッチの株価上昇をみせているが、株価指標面では依然として割高感に乏しく、追撃買いを入れやすい面もあるようだ。
■クオールHD <3034> 1,773円 +27 円 (+1.6%) 11:30現在
クオールホールディングス<3034>が4日ぶりに反発している。同社は19日、LINEミニアプリ「クオールおくすり便」で提供している処方箋事前送信サービスを強化し、処方箋薬のモバイルオーダーの受け付けを開始したと発表しており、好材料視されている。これまで「クオールおくすり便」では、処方箋事前送信サービスを提供し、待ち時間短縮を図ってきたが、新サービスではこれまでのサービスにスマートフォン決済機能、リアルタイムでの処方箋呼び出し状況確認機能を新たに搭載。これまで提供してきた処方箋事前送信機能、調剤完了通知機能と合わせて、処方箋の受け付けから決済までをスマホで完結できるようにし、患者が薬局で待つ時間の短縮を図り、利便性を高めるとしている。まず都内1店舗で19日から試験導入し、順次グループ全店で展開する方針だ。
■ヤマトホールディングス <9064> 2,575円 +20.5 円 (+0.8%) 11:30現在
ヤマトホールディングス<9064>が堅調。19日の取引終了後、同社と日本郵政<6178>が、持続可能な物流サービスの推進に向けた協業に関する基本合意書を締結したと発表したことが株価の支えとなったようだ。ヤマト運輸が取り扱うクロネコDM便のサービスを2024年1月31日に終了したうえで、日本郵便の「ゆうメール」を活用した新サービス「クロネコゆうメール(仮称)」としてヤマト運輸で取り扱いを開始する。ヤマト運輸の「ネコポス」のサービスも今年10月から順次終了し、日本郵便の「ゆうパケット」を活用した「クロネコゆうパケット(同)」の取り扱いを始める。ヤマト運輸が預かった荷物を日本郵便の配送網で届けることで、ドライバー不足などの課題解決につなげる。
■ローム <6963> 13,275円 +95 円 (+0.7%) 11:30現在
ローム<6963>が3日ぶりに反発した。19日、自動車部品大手の独ヴィテスコ・テクノロジーズに対し、SiC(炭化ケイ素)パワーデバイスの長期供給パートナーシップ契約を締結したと発表した。取引額は2024年から30年までの期間で1300億円以上といい、株価の支援材料となったようだ。ヴィテスコはロームのSiCチップを搭載したインバーターの供給を24年から開始する予定。すでに大手2社の電気自動車(EV)への採用が決定しているという。
■薬王堂ホールディングス <7679> 2,557円 +16 円 (+0.6%) 11:30現在
薬王堂ホールディングス<7679>が4日ぶりに反発している。19日の取引終了後、第1類医薬品「クオンパスCOVID-19抗原検査キット(一般用)」の販売を開始したと発表しており、好材料視されている。新製品は、新型コロナウイルスに対する抗原を検出するキットで、特別な機器を必要とせず、簡便な検体処理により約15分で検査結果が得られる感染の診断補助に適する検査キット。まずは特設サイトで販売をスタートしている。
■マクドナルド <2702> 5,780円 +30 円 (+0.5%) 11:30現在
日本マクドナルドホールディングス<2702>が小幅ながら4日続伸、前日終値近辺で売り買いを交錯させ、強含みもみ合いの展開となっている。外食産業は原料価格の高騰や人件費の上昇などで利益採算の維持に苦労しており、値上げの動きが相次いでいる。そうしたなか、同社は7月19日から都心部に立地する184店舗(全体の約6%)で商品を値上げすることを発表した。これにより店舗運営コストの上昇を相殺する狙い。同社の売り上げ自体は好調な推移が続いており、今月上旬に発表された5月の既存店売上高は前年同月比で5.2%増と35カ月連続で前年実績を上回っている。
■東京海上 <8766> 3,225円 -174 円 (-5.1%) 11:30現在 東証プライム 下落率6位
東京海上ホールディングス<8766>やSOMPOホールディングス<8630>、MS&ADインシュアランスグループホールディングス<8725>が軟調に推移している。東京海上日動火災保険など大手損害保険各社が、企業向けの火災保険料について価格調整をした疑いがあるとして、金融庁が保険業法に基づく報告命令を出したことが分かったと、19日に報じられた。今後の事業への影響を懸念した売りが優勢となっている。各メディアの報道によると、報告命令を受けたのは東京海上日動火災保険と損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険。大手企業に対する火災保険は1社単独での引き受けはリスクが高いことから、各社が契約を分担して引き受けているが、大手私鉄グループの保険料に関し、東京海上日動火災保険が主導する形で、価格調整が行われていた疑いがあるという。
■データセクション <3905> 374円 +47 円 (+14.4%) 一時ストップ高 11:30現在
データセクション<3905>が急騰、一時80円高はストップ高となる407円まで駆け上がる場面があった。中小型株に物色の矛先が向かうなか、人工知能(AI)関連に相次いで人気化する銘柄が目立つ。そのなか、株価が300円台と値ごろ感があり、業績もトップラインの伸びが顕著な同社株に出遅れ修正高狙いの買いが集中した。株価は2015年1月に1730円の高値をつけた実績がある。AIを活用した小売店販促支援ビジネスを手掛け、海外展開にも力を入れているが、損益面でも24年3月期は営業黒字化が見込まれ、25年3月期以降は飛躍期入りが期待されている。「ChatGPT(チャットGPT)」は既存サービスとの連携で商品化を模索している。
■ピアズ <7066> 2,577円 +246 円 (+10.6%) 一時ストップ高 11:30現在
ピアズ<7066>が続急伸している。19日の取引終了後、7月20日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表したことが好感されている。投資単位当たりの金額を引き下げることで、投資家がより投資しやすい環境を整えるとともに、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることが目的としている。
●ストップ高銘柄
エーアイ <4388> 1,337円 +300 円 (+28.9%) ストップ高買い気配 11:30現在
マキュリRI <5025> 965円 +150 円 (+18.4%) ストップ高 11:30現在
ラストワンマイル <9252> 4,630円 +700 円 (+17.8%) ストップ高 11:30現在
ぷらっとホーム <6836> 1,106円 +150 円 (+15.7%) ストップ高買い気配 11:30現在
など、4銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース