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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):ニデック、愛三工、エプソン

ニデック <日足> 「株探」多機能チャートより
■ニデック <6594>  8,016円  +130 円 (+1.7%)  本日終値
 ニデック<6594>が7日続伸し連日の年初来高値更新となった。この日の寄り前、米子会社のニデックモータがブラジルの航空機メーカであるエンブラエル<ERJ>と航空産業向けの電機駆動システムに関する合弁会社設立に向けた契約を締結したと発表しており、好材料視された。設立する新会社ニデックエアロスペースはニデックモータ51%、エンブラエル49%の出資で米ミズーリ州セントルイスに設立の予定。両社の有する技術を結集し、次世代の航空移動手段(空飛ぶクルマ)の可能性を広げることを目指すとしている。なお、同件による24年3月期業績業績への影響は軽微としている。

■愛三工業 <7283>  1,147円  +13 円 (+1.2%)  本日終値
 愛三工業<7283>が7連騰。2018年5月以来、およそ5年1カ月ぶりの高値圏で推移している。同社はトヨタ自動車<7203>を主要取引先とする自動車部品メーカーで、トヨタ向けの生産回復が見込まれるなか、PBR(株価純資産倍率)が0.68倍と1倍を下回っており、低PBR銘柄に注目する投資家の資金流入が続く。加えて、前週末16日の取引終了後には、燃料電池部品の取引先であるマグネクス(東京都立川市)の株式取得と子会社化を発表。愛三工のクリーンエネルギー関連事業の更なる成長への思惑を広げる格好となったようだ。マグネクスは表面処理、熱流体システムや水電解システムなどで高い技術・ノウハウを保有する。同社の子会社化により、愛三工はクリーンエネルギー関連事業の成長に向け、必要な技術の蓄積につなげる方針だ。

■セイコーエプソン <6724>  2,232.5円  +22.5 円 (+1.0%)  本日終値
 セイコーエプソン<6724>が続伸。17日付の日本経済新聞朝刊で、「競合する企業より消費電力が最大9割少ない複合機の生産を増強する」と報じられたことが好材料視されたようだ。記事によると、長野県内の工場に約230億円を投じ25年度までに基幹部品の生産能力を2倍に増やすという。25年度にオフィス向けプリンターの売上高を21年度比約7割増の2000億円に引き上げる計画としており、省エネ性能を前面に打ち出すことでシェア拡大を図るもようだ。

■出光興産 <5019>  2,926.5円  +23.5 円 (+0.8%)  本日終値
 出光興産<5019>が堅調。19日、全固体リチウムイオン二次電池の普及に向け、千葉事業所(千葉県市原市)にある固体電解質の小型実証設備第1プラントの生産能力を増強すると発表し、株価の支援材料となった。完工時期は24年度を計画する。今年7月からリチウム電池材料部(千葉県袖ケ浦市)にある小型実証設備第2プラントの稼働も始め、自動車・電池メーカーに供給する。

■純金信託 <1540>  8,434円  +43 円 (+0.5%)  本日終値
 純金上場信託(現物国内保管型)<1540>が上伸し、5月10日につけた上場来高値を更新した。外国為替市場で一時141円台後半まで円安・ドル高が進行した。円建てで取引される国内の金先物に対しては、円安に伴う割安感を意識した買いが入り、過去最高値を更新した。これが金価格連動型のETFの支援材料となったようだ。

■トーメンデバイス <2737>  5,260円  -470 円 (-8.2%)  本日終値  東証プライム 下落率トップ
 トーメンデバイス<2737>が急落し年初来安値を更新した。前週末16日の取引終了後、24年3月期の連結業績予想について、売上高を3700億円から3550億円(前期比15.0%減)へ、営業利益を70億円から63億円(同48.5%減)へ、純利益を40億円から8億5000万円(同82.7%減)へ下方修正し、あわせて期末一括配当予想を240円から120円へ引き下げたことが嫌気された。取引先が民事再生手続開始の申し立てを行ったことに伴う売り上げ見込み額の減少に加えて、主要製品であるメモリー製品の足もとでの想定以上の市況悪化継続の影響、貸倒引当金及び棚卸資産評価損の発生などが要因としている。

■ツバキ・ナカシマ <6464>  840円  -51 円 (-5.7%)  本日終値  東証プライム 下落率3位
 ツバキ・ナカシマ<6464>が急落。同社は16日取引終了後、23年12月期通期の連結業績予想を修正。営業損益の見通しを90億円の黒字から45億円の黒字(前期は90億6500万円の赤字)に下方修正したほか、年間配当計画を18円減額の30円(中間配当13円、期末配当17円)にすると発表したことが嫌気されたようだ。売上収益予想は860億円から800億円(前期比1.2%増)に引き下げた。自動車生産台数の回復の遅れや世界的な工作機械受注の落ち込み、納入先の在庫調整などに加え、損益面ではオランダのスタンピング部品工場閉鎖に伴う費用及び需要減が影響するとしている。

■リコー <7752>  1,234円  -32.5 円 (-2.6%)  本日終値
 リコー<7752>が5日ぶりに反落。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は16日、同社株のレーティングを「オーバーウエート」から「ニュートラル」に引き下げた。目標株価は1600円から1370円に見直した。「オフィスサービスの拡大はすでに株価に織り込み済み」と判断した。オフィスサービスは旺盛な需要の取り込みが今後も期待できるが、すでにこの点は市場の理解が進んでいるとみている。新型コロナウイルス感染拡大で急減した複写機消耗品の回復は市場が想定していたよりも短期間で再び縮小傾向となり、値上げ効果も限定的など、マイナス要素も増えつつあるとしている。

■東京エレクトロン <8035>  19,900円  -500 円 (-2.5%)  本日終値
 東京エレクトロン<8035>アドバンテスト<6857>など半導体製造装置の主力銘柄は売りに押される展開。前週末の米国株市場では半導体関連株は総じて安くフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も続落、東京市場でも足もとで半導体セクターに逆風となっている。ただ、米株市場でエヌビディア<NVDA>は小幅ながらプラス圏を維持、生成AI関連で需要獲得が進む企業には引き続き投資資金の根強い買いが続いている。国内でもハイスペックの半導体製造装置を手掛けるメーカーへの押し目買い意欲は旺盛のようだ。西村経済産業相が18日に北海道の日の丸半導体新会社ラピダスの工場建設予定地を視察したが、インフラ整備への追加支援に前向きな姿勢が伝わっており、これも半導体周辺にポジティブな思惑を与えている。

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