【市況】12日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場は続伸、CPI改善や利上げ停止への期待高まる
NASDAQ <日足> 「株探」多機能チャートより
■NY株式:米国株式市場は続伸、CPI改善や利上げ停止への期待高まる
ダウ平均は189.55ドル高の34,066.33ドル、ナスダックは202.78ポイント高の13,461.92で取引を終了した。
明日発表予定の5月消費者物価指数(CPI)の改善期待から買いが先行。金利の上昇を警戒し一時失速も、連邦準備制度理事会(FRB)が今週開催する連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを停止するとの思惑も強く、期待感から再び買いが強まった。ハイテク株の上昇も相場全体を押し上げ、終盤にかけて上げ幅を拡大して終了した。セクター別では半導体・同製造装置や自動車・自動車部品が上昇した一方で、エネルギー・銀行が下落した。
遺伝的機能・変異の大規模解析ツール開発会社のイルミナ(ILMN)は物言う投資家アイカーン氏の更迭要求を受け、週末にデソーザ最高経営責任者(CEO)が辞任したことやCEO交代計画を発表し、上昇。クルーズ船を運営するカーニバル(CCL)は同セクターの強い需要が継続するとの分析を背景としアナリストが投資判断を引き上げたため買われた。ソフトウエア・メーカーのオラクル(ORCL)もアナリストが好決算を期待し、投資判断を引き上げ上昇。金融会社のソファィ・テクノロジーズ(SOFI)もアナリストの投資判断引き上げが材料視された。ソフトウエアメーカー、マイクロソフト(MSFT)は同社によるゲームソフト開発会社アクティビジョン・ブリザード(ATVI)買収を阻止するため当局が差し止め申請すると報じられたが想定内で株価は上昇。一方でアクティビジョン・ブリザード(ATVI)は売られた。証券取引所のナスダック(NDAQ)は過去最大規模となる金融ソフトウエアメーカー、アデンサの買収計画を発表して下落。
ソフトウエア・メーカーのオラクル(ORCL)は取引終了後に四半期決算を発表。調整後の1株利益が予想を上回り時間外取引で上昇している。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:米CPIやFOMC控えた警戒感でドル続伸
12日のニューヨーク外為市場でドル・円は、139円10銭へ下落後、139円76銭まで上昇し、139円61銭で引けた。米消費者物価指数(CPI)の発表や連邦公開市場委員会(FOMC)開催を控えた調整でドル売りが強まったのち、インフレ持続警戒感に加え10年債入札の冴えない結果を受けた金利上昇に伴いドル買いが優勢となった。
ユーロ・ドルは、1.0772ドルから1.0744ドルまで下落し、1.0758ドルで引けた。欧州中央銀行(ECB)が今週開催する定例理事会で25ベーシスポイントの利上げを実施するとの予想を受けてユーロ買いが優勢となったのち、ドル買いに押され伸び悩んだ。ユーロ・円は149円77銭へ下落後、150円26銭まで上昇。ポンド・ドルは、1.2571ドルから1.2487ドルまで下落した。ドル・スイスは0.9050フランから0.9109フランまで上昇した。
■NY原油:大幅続落で67.12ドル、需給緩和の思惑強まる
NY原油先物7月限は大幅続落(NYMEX原油7月限終値:67.12 ↓3.05)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は、前営業日比-3.05ドルの67.12ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは66.80ドル-70.33ドル。アジア市場の序盤に70.33ドルまで買われたが、その後はさえない動きとなり、米国市場の中盤にかけて66.80ドルまで一段安となった。米国株高を意識して下げ渋ったが、需給緩和の思惑は消えていないため、通常取引終了後の時間外取引では67ドルを挟んだ水準で推移。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 29.13ドル -0.14ドル(-0.48%)
モルガン・スタンレー(MS) 87.44ドル +1.23ドル(+1.43%)
ゴールドマン・サックス(GS)339.49ドル +3.47ドル(+1.03%)
インテル(INTC) 33.07ドル +1.73ドル(+5.52%)
アップル(AAPL) 183.79ドル +2.83ドル(+1.56%)
アルファベット(GOOG) 124.35ドル +1.48ドル(+1.20%)
メタ(META) 271.05ドル +6.10ドル(+2.30%)
キャタピラー(CAT) 237.90ドル +2.87ドル(+1.22%)
アルコア(AA) 34.99ドル -0.24ドル(-0.68%)
ウォルマート(WMT) 154.10ドル +1.01ドル(+0.66%)
《ST》
提供:フィスコ