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【市況】こう着感が強まりそうだが、3万円が射程に入るなかで底堅さは意識される/オープニングコメント

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

 17日の日本株市場は、こう着感が強まりそうだが、3万円が射程に入るなかで底堅さは意識されよう。16日の米国市場はNYダウが336ドル安、ナスダックは22ポイント安だった。4月小売売上高や米連邦準備制度理事会(FRB)高官の発言を受けて追加利上げ観測が強まり、金利高を警戒した売りが先行した。バイデン米大統領と議会指導者との債務上限交渉の再開も速やかな合意は不可能との悲観的な見方も重荷となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比30円高の29870円。円相場は1ドル136円30銭台で推移している。

 米国市場は弱い値動きとなったが、AMDやアルファベットなどハイテクの一角が買われており、下支えとして意識されそうだ。シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや買い優勢の展開が期待される。債務上限問題を巡る協議の行方を見極めたいとする模様眺めムードが強まりやすいものの、週内にまとまるといった見方は後退しており、改めて警戒感が高まってくるのは来週以降になりそうだ。相対的に出遅れ感のある日本株への海外勢の資金流入が継続しているため、下値の堅さは意識されやすいだろう。

 また、日経225先物はナイトセッションで一時3万円まで買われた。節目の3万円に到達したことから、目先的な達成感が意識されるものの、売り方の買い戻しの動きも強まりやすいと考えられる。そのため、米国市場の流れからこう着感が強まる可能性はありそうだが押し目買い意欲は強く、3万円を意識したスタンスは継続。足もとで東エレク<8035>など半導体株の一角が出直り基調を見せていることも日経平均をけん引する格好となろう。

 短期的には先物主導で売り仕掛け的な商いは入りやすいところだが、ショートカバーのほか、買い遅れている投資家による押し目買い意欲の強さから、底堅さは意識される。出遅れ感のあるハイテク株への物色が継続するようだと、センチメントを明るくさせよう。また、米地銀のキャピタル・ワンは、著名投資家バフェット氏が率いるバークシャーハサウェイが第1四半期に同社株を追加購入したことが当局への報告で明らかになった。金融セクターへの見直しも意識されやすいところだろう。
《AK》

 提供:フィスコ

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