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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 SQ前に荒い値動きへの警戒あるが、2万9000円を中心としたトレンドは継続


大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 29050 -90 (-0.30%)
TOPIX先物 2077.5 -10.0 (-0.47%)
シカゴ日経平均先物 29055 -85
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 10日の米国市場は、NYダウが下落した一方、 S&P500ナスダックは上昇。注目されていた4月の米消費者物価指数(CPI)は、総合CPIが前月比0.4%上昇と予想と一致した。食品とエネルギーを除くコア指数は、同0.4%上昇と予想と同じだった。足もとで予想を上振れするとの警戒感が強まっていたこともあり、発表後は米長期金利が低下し、NYダウは一時200ドルあまり上昇する場面も見られた。

 しかし、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めへの警戒感は根強く、その後下落に転じた。債務上限問題なども重荷となり、NYダウの下げ幅は300ドルを超す場面もあるなど、荒い値動きとなった。長期金利の低下を受けてハイテク株が買われ、ナスダックは年初来高値を更新。S&P500業種別指数はメディア、ソフトウエア・サービス、小売、半導体・同製造装置が上昇した半面、エネルギー、耐久消費財・アパレル、銀行、各種金融がさえない。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比85円安の2万9055円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中大阪比10円高の2万9150円で始まり、その後は2万9020円~2万9090円辺りとマイナス圏での推移を見せた。米CPIの発表を受けて2万9230円まで切り返したが、米国市場の動きに振らされる格好となるなか、中盤にかけて2万8890円まで急落。終盤にショートカバーが入り、2万9050円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする形で、やや売り優勢の展開になりそうだ。ナイトセッションで一時2万8890円まで売られたものの、終値では2万9000円を上回っており、引き続き2万9000円水準での底堅さは意識されそうだ。ボリンジャーバンドの+1σ水準までの調整を経て買い戻されており、+1σと+2σとのバンド内での推移は継続している。SQ(特別清算指数算出)を前に荒い値動きへの警戒はあるものの、オプション権利行使価格の2万9000円を中心とした権利行使価格2万8875円~2万9250円辺りのレンジを想定しておきたい。

 VIX指数は16.94に低下した。25日移動平均線に上値を抑えられており、神経質ながらもリスク回避の流れは強まってはいない。債務上限問題については、バイデン米大統領と共和党幹部が12日に再協議を行う予定であり、デフォルト(債務不履行)懸念が燻ることから、短期筋によるショートは入りやすいだろう。とはいえ、あくまでも短期的なポジションと考えられるため、その後のリバウンド狙いのロングで対応したい。

 なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で13.95倍に上昇した。支持線として意識されていた75日線を下回って始まったが、その後はNTショートの巻き戻しの動きとなった。いったんはリバランスが入りやすい水準である。本日は指数インパクトの大きい東京エレクトロン <8035> [東証P]やソフトバンクグループ <9984> [東証P]の決算を控えているためトレンドは出にくいと考えられるが、ナスダックの強い動きを背景には、NTロングによるスプレッド狙いが入りそうだ。

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