【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 2万8500円~2万8875円のレンジを想定、ヘッジ対応が強まればボリンジャー+2σが射程に
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 28740 +300 (+1.05%)
TOPIX先物 2055.0 +25.0 (+1.23%)
シカゴ日経平均先物 28710 +270
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
27日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。メタ・プラットフォームズ<META>が予想を上回る決算が評価されて14%近く上昇。マイクロソフト<MSFT>やアップル<AAPL>などにも買いが波及した。また、経営不安を背景に前日まで大きく売られていたファースト・リパブリック・バンク<FRC>が反発。金融システム不安を警戒した売りが一巡し、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>やJPモルガン・チェース<JPM>が上昇したことで、センチメントの改善につながった。S&P500業種別指数はメディア、小売、自動車・同部品、電気通信サービスが上昇した一方で、医薬品・バイオテクノロジーのみが下落。
シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比270円高の2万8710円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中大阪比20円高の2万8460円で始まり、直後に付けた2万8450円を安値にロング優勢の展開から、米国市場の取引開始直後に2万8600円を回復。買い一巡後は2万8520円~2万8600円処で保ち合いを見せていたが、終盤にかけて一段高となり、2万8740円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。
日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする格好から買い優勢の展開になりそうだ。米国では大型テック株の良好な決算が相次ぎ、相場を押し上げている。ファースト・リパブリック・バンクが反発したことで、金融株にはショートカバーが入った。日経225先物はナイトセッションでは2万8600円辺りで推移していたボリンジャーバンドの+1σを上放れてきており、ショートカバーを誘い込みやすく、+1σの2万8600円辺りでは押し目狙いのロングが入りやすいだろう。
また、アマゾン・ドット・コム<AMZN>が取引終了後に2023年1-3月期決算を発表した。売上高および1株利益が市場予想を上回り、時間外取引で一時10%近く買われる場面も見られた。大型連休を控えて積極的な売買は手控えられ、買い一巡後は次第にこう着感が強まる可能性はあるが、ショートは入りづらいだろう。一方で、ゴールデンウイーク中に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されることもあり、アク抜け的な動きを想定した動きも考えられ、ショートポジションをヘッジする動きが意識されそうだ。
そのほか、日銀の金融政策決定会合の結果判明後のショートカバーも意識される。大規模な金融緩和策について当面は継続する姿勢は示しているものの、植田和男新総裁のもとで金融政策が修正されるのではないかとの観測も出ていたことから、ヘッジの動きはあったと考えられる。会合通過後のアク抜けへの期待から、短期的にはロングを仕掛けてくる動きもありそうだ。このため、ボリンジャーバンドの+1σを支持線として意識しつつ、オプション権利行使価格の2万8500円~2万8875円のレンジを想定。ヘッジ対応が活発化するようだと、+2σが位置する2万9040円処が射程に入ってこよう。
VIX指数は17.03に低下した。25日移動平均線に上値を抑えられる格好で低下しており、リスク選好に向かわせよう。なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.00倍に低下した。大型テック株の上昇が指数インパクトの大きい値がさ株の支援材料になるが、金融株への買い戻しも入りやすく、14.00倍を挟んだ推移を継続しそうであり、NTスプレッド狙いの動きは限られそうだ。
株探ニュース