【市況】NY株式:米国株式市場は下落、金融不安が再燃
NASDAQ <日足> 「株探」多機能チャートより
ダウ平均は344.57ドル安の33,530.83ドル、ナスダックは238.05ポイント安の11,799.16で取引を終了した。
主要ハイテク企業の決算発表を控えた警戒感から売りが先行。4月消費者信頼感指数が予想を下回ると景気減速懸念が強まり一段の売り圧力になった。その後、地銀のファースト・リパブリック(FRC)が1000億ドルの資産売却を検討していると報じられると同行株が急落し相場の下落に拍車をかけた。金融システム混乱懸念が再燃する中、終盤にかけて下げ幅を拡大した。セクター別では食品・飲料・タバコが上昇した一方で、運輸、半導体・同製造装置が下落。
飲料メーカーのペプシコ(PEP)は第1四半期決算で1株利益が予想を上回ったほか、値上げを実施したにもかかわらず売上が強く、見通しを引上げたため買われた。音楽配信のスポティファイ(SPOT)は第1四半期の会員数増加や利益率の上昇が好感され、上昇。消費財メーカーのキンバリー・クラーク(KMB)は第1四半期決算で売上が予想を上回ったほか、見通しの引上げが好感され買われた。
一方、地銀のファースト・リパブリック(FRC)は第1四半期の預金が大手数行の支援にもかかわらず市場の想定以上に前四半期から減少したことが警戒されたほか、同行の1000億ドルの資産売却計画報道が嫌気され、大幅安。また、貨物運送会社のユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)は第1四半期決算で内容は予想に一致したものの、取扱量が当初の予想を下回る結果で、最高経営責任者(CEO)が需要が物からサービスに移行したと説明し、見通しも冴えなかったため売られた。
取引終了後に四半期決算を発表したソフトウエアメーカーのマイクロソフト(MSFT)や検索のグーグルを運営するアルファベット(GOOG)は1株利益が予想を上回り、それぞれ時間外取引で上昇している。アルファベットは追加の自社株買い計画も好感された。また、地銀のパックウエスト(PACW)も調整後の1株利益が予想を上回り、前四半期から16.9%の預金減が報告されたが、3月末から預金が増加したと発表し、買われている。
(Horiko Capital Management LLC)
《YN》
提供:フィスコ