【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):Aバランス、乃村工芸社、三菱電
Aバランス <日足> 「株探」多機能チャートより
Abalance<3856>が5日ぶり急反発。2月中旬以降、株価は一貫した上昇トレンドを続け、今月18日には1万3370円の上場来高値を形成。わずか2カ月で4.5倍に大化けしたが、その後の崩れ足も激しかった。信用の投げを誘発し直近4営業日続落で前日は一時7000円台を割り込み、高値から半値近い水準まで売り込まれる場面があった。しかし、目先投げ売りが一巡し、きょうは外資系証券経由の貸株調達による空売り買い戻しなども観測されるなか、リバウンドに転じている。なお、同社は前日取引終了後に、前週21日に開示した同社のベトナムグループ会社の太陽光パネル製造用部品となるセル工場建設についての追加情報を発表した。そのなか、セル工場建設資金の捻出について、公募増資などの計画はないことに言及、これが買いを誘導した面もあるようだ。
■乃村工藝社 <9716> 956円 +51 円 (+5.6%) 本日終値 東証プライム 上昇率3位
乃村工藝社<9716>は続急伸し、年初来高値を更新した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が24日、同社のレーティングを「ニュートラル」から「オーバーウエート」に引き上げた。目標株価は1200円(従来は850円)に変更している。事業環境が底打ちし、業績改善の期待が高まる局面となったと指摘。成長投資による費用増を見込み、同証券による25年2月期までの営業利益予想は引き下げたものの、需要はこれまでの想定以上に堅調で受注競争環境も徐々に緩和するとの見方を示し、目標株価算出に用いるPER(株価収益率)を切り上げた。大阪・関西万博案案件の寄与も見込まれるほか、「リオープニング」銘柄の観点でも注目されるとしている。
■三菱電機 <6503> 1,683円 +53.5 円 (+3.3%) 本日終値
三菱電機<6503>が急伸し13連騰。2021年6月以来、およそ1年10カ月ぶりの高値水準で推移している。24日の取引終了後、自動車機器事業の構造改革を実施すると発表。収益性の向上を期待した買いが集まったようだ。巨額投資が必要な先進運転支援システムなどのCASE関連事業については、技術シナジーが見込めるパートナーとの協業を模索する。電動パワーステアリングシステム製品など強みが生かせる事業に関してはコスト削減とともに、価格転嫁の加速など顧客との取引条件の見直しを進め、収益性が期待できるプロジェクト・機種にリソースを集中させる。一方、カーマルチメディアをはじめとする課題事業は早期の事業終息を進めるという。スピーディーな事業運営を展開するため自動車機器事業を分社化する方針。具体的な方法や内容は確定していないとしているが、1年以内を目安に新会社の設立を目指すとしている。
■ダイセキ <9793> 3,815円 +120 円 (+3.3%) 本日終値
ダイセキ<9793>が大幅高で3日続伸。24日の取引終了後、自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を30万株(発行済み株数の0.60%)、または12億円としており、取得期間は4月25日から7月31日まで。企業環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行することが目的としている。
■コーテクHD <3635> 2,371円 +62 円 (+2.7%) 本日終値
コーエーテクモホールディングス<3635>は高い。24日の取引終了後に発表した23年3月期決算が大きく上振れして着地したほか、続く24年3月期業績についても堅調な見通しを示しており、これを好感した買いが入った。23年3月期決算は売上高が前の期比7.8%増の784億1700万円(従来予想770億円)、純利益は同12.5%減の309億3500万円(同235億円)。第4四半期に発売したパッケージゲームの新作が概ね計画通りに推移し、リピート販売が計画を上回ったことが寄与。また、各種費用の減少やデリバティブ評価損の戻し入れも業績を押し上げた。年間配当も従来予想の48円から50円に引き上げた。同時に発表した24年3月期業績予想は、売上高が前期比21.1%増の950億円、純利益が同0.2%増の310億円を見込む。配当予想は前期比据え置きの50円とした。
■大和ハウス工業 <1925> 3,328円 +87 円 (+2.7%) 本日終値
大和ハウス工業<1925>が12連騰し年初来高値を更新。24日の取引終了後、集計中の23年3月期連結業績について、売上高が4兆7600億円から4兆9080億円(前の期比10.6%増)へ、営業利益が3600億円から4650億円(同21.3%増)へ、純利益が2260億円から3080億円(同36.7%増)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。退職給付会計における数理計算上の差異が生じたことに加えて、新型コロナウイルス感染症影響からのホテル事業の回復や、投資不動産の売却が順調に進捗したことなどが寄与した。
■Genky <9267> 4,090円 +55 円 (+1.4%) 本日終値
Genky DrugStores<9267>が反発。同社は24日取引終了後、23年6月期第3四半期累計(22年6月21日~23年3月20日)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比13.5%増の47億5800万円となり、通期計画58億円に対する進捗率が82.0%に達していることが好感されたようだ。売上高は同9.2%増の1242億500万円で着地。プライベートブランドの伸長、廃棄の抑制、価格見直しなどが寄与した。なお、通期業績予想については従来計画を据え置いている。
■しまむら <8227> 12,560円 +150 円 (+1.2%) 本日終値
しまむら<8227>がしっかり。24日の取引終了後に発表した4月度(3月21日~4月20日)の月次売上速報で、既存店売上高が前年同月比3.4%増と7カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。月度前半の気温上昇やお出かけ需要により、婦人・紳士の初夏・夏物のアウター衣料や服飾雑貨が売り上げを伸ばした。特にアウター衣料ではPB「CLOSSHI」やJB(共同開発ブランド)「LOGOS DAYS」のTシャツやブラウス、ジャケットが好調で、服飾雑貨では帽子やアームカバーが好調だった。また、ミセス・シニア向けのアウター衣料も売り上げを伸ばした。なお、全店売上高は同3.1%増だった。
■あすか薬HD <4886> 1,253円 +12 円 (+1.0%) 本日終値
あすか製薬ホールディングス<4886>は3日続伸。24日の取引終了後、法人向けフェムテックサービスを提供するLIFEM(東京都新宿区)と、フェムテックに関する包括的業務提携契約を締結したと発表しており、好材料視された。今回の包括的業務提携契約では、LIFEMが提供している健康経営や女性活躍をサポートする法人向けフェムテックサービス「ルナルナ オフィス」について、あすか製薬が疾患啓発情報資材の作成及び提供を行うという。第1弾として、女性特有の健康課題である「月経」について分かりやすく解説する動画を共同制作し、「ルナルナ オフィス」導入企業への配信を開始したという。
■日東工業 <6651> 2,669円 +25 円 (+1.0%) 本日終値
日東工業<6651>が3日ぶりに反発した。24日の取引終了後、電気自動車(EV)の使用済みリユースバッテリーと、太陽光リユースパネルを活用した環境配慮型の産業用太陽光自家消費蓄電池システムの受注受け付けを26日から始めると発表。これが手掛かり材料となったようだ。同社の「産業用太陽光自家消費蓄電池システム サファ Link -ONE-」は、日産自動車<7201>のEV「リーフ」のリユースバッテリーを活用し、太陽光の余剰電力を蓄電池に蓄える。資源の再利用を促すほか、施設ごとの需要にあった効率的な制御・運用も可能になるという。
株探ニュース