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【材料】ネットフリックス、冴えない決算で株価下落 有料会員数の伸びが予想を大きく下回る=米国株個別

 ネットフリックス<NFLX>が下落。前日引け後に1-3月期決算(第1四半期)を発表し、1株利益、売上高は予想範囲内となったものの、有料会員数の伸びが予想を大きく下回った。北米を始めとした各地域で鈍化が示され、懸念が高まっている。ガイダンスも公表し、第2四半期は予想を下回る見通しを示した。

 同社は、延期していた米国でのパスワード共有の取り締まり計画を第2四半期にも開始すると述べた。そのため、第2四半期の新規顧客数は第1四半期とほぼ同水準と見ている。同社は1億人以上が視聴料を支払わずにアカウントを使用していると推定している。

 同社は声明で「アカウント共有の蔓延は有料会員向けの投資と改善、そして事業構築の能力を損なう。第1四半期にカナダ、ニュージーランド、スペイン、ポルトガルで開始した結果には満足しており、正しいアプローチであると確信している」と語った。

 株価は決算発表直後に売りが強まり、2桁の下げを見せていたが、その後に急速に下げ渋る場面も見られた。通常取引では下落して始まっている。同社は、「広告とパスワード共有の両方が、第1四半期に影響が出たが、第2四半期には回復する」と述べた。視聴者への課金計画が下期の成長を後押しすると見ている点が買戻しを誘発した模様。アナリストからも同意見が出ている。

 そのほか、同社が通年のフリーキャッシュフロー(FCF)の見通しを上方修正した点を挙げているほか、同業他社が利益を重視する中で、同社は競争緩和の主な受益者になる可能性も指摘されていた。コンテンツのコスト増に蓋をしながら、今後数年間、加入者数と価格決定力の上振れを促進するという。

 ただ、同社の今後の成長に疑問を抱く向きも少なくないようだ。

(1-3月・第1四半期)
・1株利益:2.88ドル(予想:2.86ドル)
・売上高:81.6億ドル(予想:81.8億ドル)
・営業利益率:21.0%(予想:20.2%)
・有料会員数:+175万(予想:+241万)
  北米:+10万件(予想:+25.8万件)
  EMEA:+64万人(予想:+83万人)
  南米:-45万人(予想:+52万人)
  アジア・太平洋:+146万人(予想:+98.6人)
・FCF:21.2億ドル(予想:9.24億ドル)

(4-6月・第2四半期見通し)
・1株利益:2.84ドル(予想:3.08ドル)
・売上高:82.4億ドル(予想:84.7億ドル)
・営業利益率:19.0%(予想:20.7%)

(通期見通し)
・FCF:35億ドル以上(従来:30億ドル以上)(予想:34.1億ドル)
・営業利益率:18~20%(予想:19.2%)

(NY時間09:36)
ネットフリックス<NFLX> 320.83(-12.87 -3.86%)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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