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【市況】株価指数先物【引け後コメント】 バフェット氏の発言がトリガーとなり、ボリンジャーの+1σ水準まで上昇


大阪6月限
日経225先物 27940 +270 (+0.97%)
TOPIX先物 1993.0 +15.5 (+0.78%)

 日経225先物(6月限)は前日比270円高の2万7940円で取引を終了。寄り付きは2万7870円と、シカゴ日経平均先物清算値(2万7865円)にサヤ寄せする形で上昇して始まった。現物の寄り付き直後に2万7950円まで買われ、買い一巡後は2万7850円~2万7950円処のレンジで推移。しかし、11時頃に日本経済新聞電子版が米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が「追加投資を検討したい」と日本株に強気な見解を示したと報じた。これをきっかけに一気に保ち合いを上放れると、前場終盤には2万8070円まで上げ幅を広げた。思惑的なトレードが先行した反動もあって、後場は2万7980円~2万8030円と狭いレンジで推移。終盤にかけて持ち高調整の売りにより2万7940円で取引を終えた。

 日経225先物は、バフェット氏の報道直後に一気にレンジを切り上げるなど、ニュースヘッドラインに反応して、アルゴリズムに絡んだトレードが入ったのだろう。ただし、ショートカバーを巻き込む動きは限られていた。

 米国では12日に3月の消費者物価指数(CPI)、13日に3月の卸売物価指数(PPI)の発表を控えているため、慎重姿勢は崩せないようである。グローベックスの米株先物は小幅な上昇で推移しており、CPIの結果を見極めたいところだろう。さらに、週末にはシティグループ<C>やJPモルガン・チェース<JPM>などの決算を控えており、シリコンバレーバンク破綻の影響も確認したいことからポジションを傾けづらくさせそうだ。

 もっとも、5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げは織り込まれているほか、これによって利上げはピークとみられている。米連邦準備理事会(FRB)の利上げサイクルは終了との見方から米長期金利の落ち着きも意識されそうである。一方で、バフェット氏の発言によって、日本株への積極的なショートは仕掛けづらくなるだろう。

 また、日経225先物は2万8070円まで買われた後は上値の重さが意識されたが、ボリンジャーバンドの+1σに到達したため、短期的には達成感につながりやすい水準だった。オプション権利行使価格の2万7875円を中心とした上下の権利行使価格である2万7750円~2万8000円辺りのレンジを想定し、+1σ水準を明確に上放れてくる局面では、直近の戻り高値2万8330円や3月高値の2万8480円がターゲットになりそうだ。

 なお、NT倍率は先物中心限月で14.01倍だった。日経225先物が2万8000円を一気に上放れる場面では14.05倍まで上昇したが、後場はこう着のなかでNTロングの巻き戻しが優勢だった。朝方には13.96倍に低下する場面も見られたが、切り上がる25日移動平均線水準が支持線として機能している。

 手口面では、日経225先物はABNアムロが1280枚、ソジェンが1100枚程度の売り越しに対して、BNPパリバが1120枚、JPモルガンが750枚、BofAが630枚、日産が590枚、大和が500枚程度の買い越しだった。TOPIX先物はソジェンが2380枚、BNPパリバが1600枚、JPモルガンが1490枚程度の売り越しに対して、ドイツが2770枚、モルガンSが1360枚程度の買い越しだった。売り方は裁定買い(現物買い・先物売り)に絡んだ商いとみられる。

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