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【市況】ダウ平均は反発 IT・ハイテク株に買い戻し ただ、銀行株は上値重い=米国株前半

NY株式23日(NY時間12:54)
ダウ平均   32339.52(+309.41 +0.97%)
ナスダック   11887.18(+217.22 +1.86%)
CME日経平均先物 27330(大証終比:+210 +0.77%)

 きょうのNY株式市場でダウ平均は反発。前日はFOMCとイエレン米財務長官の議会証言を受けて銀行株が下げを先導し、ダウ平均は500ドル超の大幅安となっていた。きょうはIT・ハイテク株中心に買い戻しが出ている。

 一方、銀行株も序盤は反発して始まっていたものの、次第に上値が重くなり、大手銀はまだプラス圏を維持しているものの、地銀株は下げに転じている。SPDR地方銀行(ETF)<KRE>のほか、ファースト・リパブリック<FRC>、パックウェスト<PACW>も下げに転じた。

 銀行株については前日のイエレン米財務長官の議会証言が重しとなっているようで、「預金保険の広範な引き上げは検討してない」と述べたことが重石となっている模様。また、地銀株については今後、融資に慎重になり、その分、業績悪化も警戒されている。

 前日のFOMCでFRBは、政策金利を予想通りに0.25%ポイント引き上げ、4.75-5.00%とした。しかし、FOMCメンバーの金利見通し(ドット・プロット)では、今年末時点の予想中央値が5.125%(5.00-5.25%を示唆)となっていた。12月時点の予想と変わらずで、年内あと1回の利上げを示唆している。今回のFOMCを経て、市場では早期利上げ停止観測が強まっている。

 また、パウエルFRB議長は年内の利下げを否定していたが、市場では依然として期待感が根強い。早ければ7月にも利下げに転じるとのシナリオを織り込む動きも出ている。パウエルFRB議長は前日の会見で年内利下げは否定していたが、今回の金融システムの混乱で地銀中心に融資にブレーキがかかり、それが実体経済を圧迫。インフレや雇用も夏以降は急速に後退して行くと、市場は見ているのかもしれない。

 そのため景気の先行きへの警戒感は根強い。「ウォール街の問題だけが市場の重荷になっているわけではない。消費者がお金を借りるのが難しくなっているなど、メインストリートの問題も深刻化している。役員室のテーブルだけではなく、台所のテーブルもだ」といった声も聞かれた。

 仮想通貨プラットフォームのコインベース・グローバル<COIN>が大幅安。米証券取引委員会(SEC)から、法的措置をとる可能性がある場合の通知である「ウェルズ・ノーティス」を受け取ったと前日引け後に発表した。

 コンサルティングのアクセンチュア<ACN>が決算を受け上昇。同時に向こう1年半で全従業員の約2.5%にあたる約1万9000人の人員削減を計画しているとも発表した。

 決済サービスのブロック(旧スクエア)<SQ>が大幅安。空売りで知られるヒンデンブルグ・リサーチがリポートで、同社が投資家を誤った判断に導いたと指摘し、同社に対するショートポジションを建てたことを明らかにしたことが嫌気されている。

SPDR地方銀行(ETF)<KRE> 42.86(-0.59 -1.36%)
ファースト・リパブリック<FRC> 12.29(-1.05 -7.84%)
パックウェスト<PACW> 9.17(-0.95 -9.39%)

コインベース<COIN> 66.75(-10.39 -13.46%)
ブロック<SQ> 62.79(-9.86 -13.57%)
アクセンチュア<ACN> 271.90(+18.63 +7.35%)

アップル<AAPL> 160.50(+2.67 +1.69%)
マイクロソフト<MSFT> 280.07(+7.78 +2.86%)
アマゾン<AMZN> 100.23(+1.53 +1.55%)
アルファベットC<GOOG> 106.92(+2.70 +2.59%)
テスラ<TSLA> 195.26(+4.11 +2.15%)
メタ・プラットフォームズ<META> 206.06(+6.25 +3.13%)
AMD<AMD> 101.59(+4.01 +4.11%)
エヌビディア<NVDA> 273.48(+8.80 +3.32%)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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