【材料】今週のマーケット展望「日経平均予想は26500~27900円」~マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆氏(山崎みほ)
NASDAQ <日足> 「株探」多機能チャートより
皆さま、こんにちは、フィスコマーケットレポーター山崎みほの「マネックス証券の気になるレポート」です。
米シリコンバレー銀行(SVB)破綻のニュースから波乱の相場が続いていますが、先週の後半は日本株も戻りをみせるなど、不安感が和らぎつつある状況です。
さて、マネックス証券の「メールマガジン新潮流」が、3月20日に配信されました。そのなかから今回は、同証券のチーフ・ストラテジスト、広木隆氏のレポート「今週のマーケット展望」の内容をご紹介いたします。
まず広木さんは、『シリコンバレー銀行(SVB)破綻に端を発した金融システム不安は、当局や大手行の迅速な対応で落ち着きつつあるが、それでもまだ余震が続き、マーケットは不安定な状況だ』と切り出しました。
そうした中、『今週は21?22日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる』として、『FOMCを巡っては様々な見方が錯綜している。米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを継続する姿勢を示せば、金融システムや実体経済に悪影響を与えるとの懸念から利上げは一旦、停止されるというものから、利上げをしなければそれだけ事態が深刻だと当局が認識していると市場に受け止められ、かえって不安を助長するので、ここは毅然と利上げを断行するだろうという見方もある』と、様々に分かれる見方を解説しています。
これらについて、広木さんは『僕は0.25%の利上げをして、パウエル議長が会見で今後については柔軟に対応するというようなコメントをして市場に一定の安心感を与えるものと予想する』と示した上で、『いずれにせよ、この状況では過度にタカ派的な結果は示せないので、今回のFOMCは市場に配慮した穏当なものとなるだろう。ただし、金利先物市場が織り込む年内複数回の利下げ観測は行き過ぎで、ドットチャートはそれを示唆するものにはならないだろう。だからと言って、失望売りもないと思う』と、見解を述べています。
また、『先週は外国為替市場で円が買われ、1ヶ月ぶりに1ドル131円台に上昇する場面があった』としつつも、『ただし、これは「安全通貨」としての円がリスクオフで買われたというよりも、単純に米国金利が急低下したというだけの話である』と広木さんはいいます。
ただ、『では、その米国金利の急低下は「安全資産」としての米国債が「Fly to Quality(質への逃避)」で買われた結果ではないか、と言われると、解釈が難しい。CDSやVIXなどがそれほど跳ね上がっているわけではないので、全面的なリスクオフという感じがしない』とも述べ、『米国債市場のボラティリティが高まっているのは事実なので、今週も米国金利の動向から目が離せない』と注視を促しています。
一方で、『その金利低下はハイテク・グロース株の息を吹き返させている』として、直近の値動きについて『ナスダック総合はすでに今回の下げを取り戻して3月月間の高値近辺の水準だ。フィラデルフィア半導体株価指数(SOX)も同様で、チャートの形状は昨年10月をボトムに逆三尊を形成している。3200ポイントを明確に上抜ければ、ネックラインを超え、完全な形の逆三尊となり、底入れ感が強まるだろう。日本の半導体関連銘柄の追い風となる』と説明しています。
反対に、『米国金利低下をきっかけに、様々なポジションのアンワインドが起きたせいで、これまでロングされることが多かったバリュー株が売られている』として、『そろそろ売り一巡感が出てもいい頃と思われ、期末接近で配当取りの動きが復活するか注目したい』と言及しています。
最後に、日経平均の今週の予想レンジは『2万6500円 ~2万7900円』としました。
参考にしてみてくださいね。
山崎みほの「気になるレポート」はマネックス証券の「メールマガジン新潮流」に掲載されたレポートを山崎みほの見解で注目し、コメントしています。レポート発行人との見解とは異なる場合があります。詳細は発行人のレポートをご確認くださいね。
フィスコマーケットレポーター 山崎みほ
《CS》
提供:フィスコ