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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 権利行使価格2万7250円中心の2万7000円~2万7500円辺りのレンジ推移に


大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 27190 +290 (+1.07%)
TOPIX先物 1941.5 +23.5 (+1.22%)
シカゴ日経平均先物 27210 +310
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 14日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。朝方発表された2月の消費者物価指数(CPI)は、食品とエネルギーを除いたコア指数が前月比0.5%上昇と予想(0.4%上昇)を上回ったが、前年同月比では5.5%上昇と市場予想と一致した。インフレ加速への過度な警戒が和らぎ、買い優勢の展開となった。また、米金融当局がSVBファイナンシャルグループ<SIVB>傘下のシリコンバレーバンクなどの預金を全額保護すると発表。13日にはバイデン米大統領が「米国の銀行システムは安全」と述べるなか、一部のヘッジファンドの銀行株買いが伝わったことも材料視された。ヘッジファンドが銀行株をショートポジションに転換したと報じられていたこともあり、破綻が回避されるなら売られ過ぎとみた買いも入ったようだ。S&P500業種別指数はすべてのセクターが上昇し、自動車・同部品、半導体・同製造装置、メディア、銀行、ソフトウエア・サービスの強さが目立った。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比310円高の2万7210円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中大阪比10円高の2万6910円で始まり、直後につけた2万6840円を安値にリバウンド基調を強め、米国市場の取引開始後には一時2万7220円まで買われる場面があった。買い一巡後は2万7120円~2万7220円辺りの狭いレンジで推移。中盤に2万7010円まで上げ幅を縮めたものの、終盤にかけて再び買い直され、2万7190円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い優勢の展開になりそうだ。14日の日中取引で割り込んだ75日、200日移動平均線をナイトセッションで上回っており、両移動平均線が支持線として意識されやすく、2万7000円水準での底堅さがみられそうだ。米国市場の流れを引き継ぐ格好で銀行株には自律反発狙いの買いが入りやすく、ややTOPIX型優位になろう。

 もっとも、米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは、米国の銀行システム全体の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更した。米国の金融システムに対する不安感は根強く、自律反発の域は脱せないだろう。そのため、日経225先物は25日線が位置する2万7420円辺りでは強弱感が対立しやすく、オプション権利行使価格の2万7250円を中心とした2万7000円~2万7500円辺りでのレンジ推移になりそうだ。

 VIX指数は23.73に低下し、200日線を下回ってきた。足もとで値動きの荒さが目立っており、楽観視はできないが、ひとまずリスク選好に向かわせやすいだろう。また、昨日の東証プライムの売買高は19億株と昨年10月28日(24億株)以来の商いだった。ショートに傾いたポジションを修正する動きなども、意識されやすいだろう。

 なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.02倍に上昇した。一時14.09倍まで切り上がり、2月6日に付けた直近戻り高値である14.03倍を突破。200日線が位置する14.13倍に接近するなか、いったんはNTロングの巻き戻しが入りそうだ。ただし、金融システムに対する不安感が払拭されたわけではなく、75日線が位置する13.91倍辺りに接近する局面は、NTロングを組成するタイミングとみておきたい。

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