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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 金融システム不安が高まるなか、ヘッジを考慮したNTロングでのスプレッド狙いへ


大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 27230 -420 (-1.51%)
TOPIX先物 1945.0 -34.0 (-1.71%)
シカゴ日経平均先物 27160 -490
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 13日の米国市場は、NYダウ S&P500が下落した一方で、ナスダックは上昇。SVBファイナンシャルグループ<SIVB>傘下のシリコンバレーバンクに続き、暗号資産(仮想通貨)関連企業との取引で知られるシグネチャー・バンク<SBNY>の破綻を受けて、金融システムを巡る不安が高まり、銀行株を中心に売られた。売り一巡後は、米連邦準備理事会(FRB)や米連邦預金保険公社(FDIC)など米当局が全預金者を保護する救済策を発表したほか、バイデン米大統領が金融システムの基盤は強固だと述べたことを受けて、買い戻しが優勢となり、NYダウは一時300ドルほど上昇する場面が見られた。また、FRBが利上げを停止するといった見方も浮上し、米長期金利が大幅に低下したことで、ハイテク株の買いに向かわせた。ただし、他の地銀に破綻が広がることへの警戒感は拭えず、NYダウは下落に転じた。S&P500業種別指数は不動産、公益事業、医薬品・バイオテクノロジーが上昇した半面、銀行、保険、各種金融が下落。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比490円安の2万7160円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中大阪比60円安の2万7590円で始まり、直後につけた2万7650円を高値に軟化すると、米国市場の取引開始直前には一時2万7000円まで売られる場面が見られた。売り一巡後はショートカバーが優勢となり、2万7290円まで買い戻されたものの戻りは鈍く、2万7120円~2万7290円辺りのレンジで推移。2万7230円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り優勢の展開になりそうだ。13日の日中取引では辛うじて25日移動平均線が支持線として意識されたものの、ナイトセッションで同線を割り込み、75日、200日線が位置する2万7000円までの下げとなった。3月に入ってからのリバウンド分を帳消しにしたことでショートカバーは入りやすくなるため、75日、200日線が支持線として機能するかを見極めたい。また、これを下回ってくると、2月24日に付けた直近安値2万6680円が意識されてくることになろう。

 まずは、2万7000円に接近する局面では、押し目狙いのスタンスか。一方で、上値は25日線が位置する2万7440円辺りで強弱感が対立しやすいだろう。そのため、オプション権利行使価格では2万7250円を中心に2万7000円~2万7500円辺りのレンジ推移を意識しておきたい。

 VIX指数は26.52となり、200日線を上回った。また、一時30.81まで切り上がり、昨年10月下旬以来の水準まで上昇したため、リスク回避姿勢が強まりそうだ。このような状況のなかで一方向にポジションを傾ける動きは考えづらく、ヘッジを考慮した物色に向かわせよう。金融システム不安が高まる一方で、FRBによる利上げ停止観測が浮上していることもあり、NTロングによるスプレッド狙いに向かわせそうだ。昨日のNT倍率は先物中心限月で13.97倍に上昇し、上値抵抗の75日線を突破してきた。目先的には200日線が位置する14.13倍辺りがターゲットになろう。

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