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【市況】売り一巡後の底堅さを見極め、相対的な日本株の強さが意識される可能性も/オープニングコメント

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

 10日の日本株市場は、売り一巡後の底堅さを見極める展開になりそうだ。9日の米国市場はNYダウが543ドル安だった。新規失業保険申請件数が増加したため、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ長期化懸念が後退し買いが先行した。その後、バイデン米大統領が24年会計年度(23年10-24年9月)の6.9兆ドル規模の予算案を発表、富裕層や法人の増税が含まれることを嫌気して売りに転じた。さらに、暗号資産関連のシルバーゲートキャピタルに続き、商業銀行サービスを提供するSVBファイナンシャル・グループの急落で、地銀などの含み損拡大が明らかになりつつあり、金融株を中心に下げ幅を拡大した。シカゴ日経225先物は大阪比370円安の28000円。円相場は1ドル136円10銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まろう。SQに絡んだ商いも加わることから、朝方は下へのバイアスが強まる可能性はありそうだ。ただし、SQ値は下で決まることから、売り一巡後はSQ値が支持線として機能する格好から、幻のSQといった形での下げ渋りが見られるかが注目されよう。そのため、まずは売り一巡後の底堅さを見極めるなか、様子見姿勢が強まりそうである。

 また、米国では雇用統計の発表を控え、FRBによる利上げ加速への警戒は根強いだろう。ただし、昨日の米国市場の下落はSVBファイナンシャル・グループが60%を超える急落となるなど、金融株の下落が相場全体のセンチメントを冷ます格好だった。日本の金融株へも売りが波及する流れが警戒されることから、相対的にTOPIX型の弱さが意識されそうである。そのため、全般弱含みながらも、ハイテク株などの底堅さが意識される可能性はありそうだ。

 そのほか、SQ通過後は期末を意識した配当志向の物色に向かわせやすい。米VIX指数の上昇で積極的な売買は手控えられやすいものの、金融株が総じて軟調ななかで底堅さがみられてくるようだと、相対的な日本株の強さが意識される展開も期待したいところだ。日経平均は売り先行ながらも、ボリンジャーバンドの+2σ辺りでの底堅さが見られるようだと、足もとのリバウンド基調は継続するだろう。
《AK》

 提供:フィスコ

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