【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):乃村工芸社、ロイヤルHD、明治HD
乃村工芸社 <日足> 「株探」多機能チャートより
乃村工藝社<9716>が6日続伸。8日の取引終了後、集計中の23年2月期連結業績について、営業利益が45億円から32億円(前の期比41.1%減)へ、純利益が29億5000万円から21億7000万円(同45.5%減)へ下振れて着地したようだと発表したが、織り込み済みとの見方が強いようだ。各プロジェクトを着実に遂行した結果、売上高は1100億円から1120億円(同0.8%増)へやや上振れて着地したものの、資材価格の上昇のほか、各市場分野で価格競争激化の影響を受けたことから利益は計画を下回った。
■ロイヤルHD <8179> 2,819円 +51 円 (+1.8%) 本日終値
ロイヤルホールディングス<8179>は3日続伸し、連日で昨年来高値を更新した。SBI証券が8日、同社株の投資判断を「中立」から「買い」に引き上げた。目標株価は1950円から3200円に増額している。インバウンド需要の回復や、経済活動の本格的な再開を背景に、外食事業やホテル事業などが好転してきていると指摘。また、外食事業では付加価値を高めながら価格改定を行い、コスト上昇分の吸収を実現しているほか、ホテル事業はレジャー需要の取り込み強化やコスト削減の取り組みにより収益力が更に高まっていると分析する。同証券による23年12月期の営業利益予想は、31億円から47億円に引き上げられた。
■明治ホールディングス <2269> 6,400円 +100 円 (+1.6%) 本日終値
明治ホールディングス<2269>が続伸。この日、5月29日発売予定分から市販用アイスクリームの内容量を変更するほか、6月1日以降の出荷分から順次チョコレートやグミの値上げや内容量の変更を実施すると発表しており、好材料視された。6月1日出荷分からの値上げでは、定番商品の「きのこの山」「たけのこの里」を約8%値上げする。両製品の値上げは約30年ぶりのことで、砂糖、海外乳原料、油脂などの原材料価格の高止まりに加えて、原油価格高騰の影響による物流費コストや包装材価格の上昇などが要因としている。
■エアトリ <6191> 2,670円 +40 円 (+1.5%) 本日終値
エアトリ<6191>が4日続伸。8日の取引終了後、クラウド型採用管理システム「採用一括かんりくん」を運営するHRクラウド(東京都千代田区)と資本・業務提携したと発表しており、好材料視された。HRクラウドは、採用に関する業務を一元的に管理するクラウド型サービス「採用一括かんりくん」と採用支援の2軸のサービスを提供する企業。将来的な上場を視野に入れており、エアトリの上場経験やノウハウを最大限生かすことで、効率的な準備を進めることができるようサポートするとしている。なお、同件による業績への影響は軽微としている。
■グンゼ <3002> 4,715円 +45 円 (+1.0%) 本日終値
グンゼ<3002>は5日続伸。8日の取引終了後、自社株100万株(発行済み株数の5.47%)を3月27日付で消却すると発表したことが好感された。なお、消却後の発行済み株数は1729万3516株となる予定だ。
■レーザーテック <6920> 22,000円 +205 円 (+0.9%) 本日終値
レーザーテック<6920>が続伸、2月以降は一貫して下値を切り下げる動きにあったが、ここにきて値刻みこそ小幅ながら戻り足を明確にしている。前日の米国株市場では主要株価指数が高安まちまちだったが、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は2.7%高と大きく切り返した。これを受け東京市場でも同社株をはじめとする半導体関連に追い風となっている。同社は半導体マスクブランクス検査装置で世界シェアを独占するが、国内で日の丸半導体新会社のラピダスが北海道に大規模工場を建設し、最先端半導体の量産を目指すなか、重要なポジションを担う可能性が高い。
■安川電機 <6506> 5,690円 +50 円 (+0.9%) 本日終値
安川電機<6506>が小幅続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は8日、同社株のレーティングの「オーバーウエイト」を継続するとともに、目標株価は5200円から6800円に引き上げた。供給制約と中国・欧州の景況感の改善で業績拡大が進むと判断。ロボットやインバーターの成長から構造的な業績成長の期待は可能とみているが、市場からは十分に評価されていない、と指摘している。同証券では、23年2月期の予想連結営業利益は687億円から前の期比36.0%増の719億円(会社予想は700億円)へ、24年2月期の同利益は801億円から873億円へそれぞれ増額修正している。
■コマツ <6301> 3,469円 +9 円 (+0.3%) 本日終値
コマツ<6301>が小幅続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は8日、同社株のレーティングの「オーバーウエイト」を継続するとともに、目標株価を4100円から4400円に引き上げた。「インフレ環境では値上げが進むコマツは魅力的」と同証券では指摘。コスト高騰への価格転嫁をより強く想定し、一般建機の販売予想を見直したことなどを背景に、23年3月期の予想連結営業利益は4573億円から前期比49.1%増の4727億円(会社予想4400億円)に、24年3月期の同利益は5272億円から5295億円にそれぞれ上方修正している。
■ラウンドワン <4680> 542円 -5 円 (-0.9%) 本日終値
ラウンドワン<4680>は5日ぶりに反落。前引け後に発表した2月の国内既存店売上高は20年2月との比較で7.0%増となったものの、材料出尽くし感から利益確定売りに押されたようだ。20年2月に比べ土日祝日数は2日少なく、ボウリングが同12.2%減、カラオケが同7.1%減と落ち込んだ。ただ、19日から「夜割」を実施しているスポッチャが同3.4%増となったほか、クレーンゲームフロア「ギガクレーンゲームスタジアム」への改装を進めているアミューズメントが同23.0%増と引き続き伸長した。また、米国の2月既存店売上高も同約20%増と好調だった。
株探ニュース