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【市況】ESG投資の規則を認めない決議にバイデン大統領が初の拒否権行使へ

 米上院はきのう、退職年金基金がESG(環境・社会・企業統治)投資の考え方に基づく投資先決定をしやすくなるようにしたバイデン政権の規則を認めない決議を、賛成多数で採択した。共和党と協力して50対46で可決された。

 共和党が過半数を握る下院ではすでに採択されている。上院では、民主党から2人が賛成に回り、バイデン大統領の求心力低下にもつながりそうだ。モンタナ州選出のテスター議員と、ウェストバージニア州のマンチン議員が賛成した。

 共和党はバイデン政権が進めるESG投資促進への反発を強めている。2024年の大統領選をにらんだ与野党の対立が激化している。

 決議採択によって規則を無効にできるが、バイデン大統領は就任後初の拒否権を行使する見通し。

 ESG投資は、企業による気候変動対策などへの取り組みを重視する手法で、近年、急速に普及した。バイデン政権は昨年11月、退職年金基金の運用担当者が、投資先選定や議決権行使に際し、ESG投資の観点を反映させることを認める規則を決定。今年1月末に発効した。
 
 ただ、共和党は「政治的な議題を押し付けている」と反発。投資収益が減り、退職者の資産をリスクにさらすと批判している。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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