【市況】前場に注目すべき3つのポイント~米長期金利の一時4%乗せも動じず、ハイテク株を見直す動きが意識される~
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
2日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し:米長期金利の一時4%乗せも動じず、ハイテク株を見直す動きが意識される
■伊藤園、3Q営業利益 12.5%増 158億円
■前場の注目材料:日立建機、「人権尊重」加速、サプライヤーに第三者機関の証明提出要請
■米長期金利の一時4%乗せも動じず、ハイテク株を見直す動きが意識される
2日の日本株市場は、引き続きこう着感の強い相場展開が継続するものの、底堅さは意識されそうだ。1日の米国市場はNYダウが5ドル高と小幅に上昇した半面、ナスダックは76ポイント安とまちまちだった。2月のISM製造業景気指数は予想を若干下回ったものの、項目別で投入価格指数が予想を上回り、インフレが当面高止まりする可能性が示された。米連邦準備制度理事会(FRB)高官のタカ派発言を受けて、長期金利が一時4%台に乗せたことも重荷となった。ただし、底堅さは見られており、値ごろ感からの買いからNYダウは小幅に上昇に転じた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比45円安の27485円。円相場は1ドル136円10銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや売り先行で始まろう。ただし、日経225先物はナイトセッションで一時27390円まで下げる場面も見られたが、足もとでのレンジ内での推移だった。米長期金利が一時4%台に乗せるなかで波乱の動きは見られなかったことから、押し目狙いの買いは入りやすいだろう。2月のISM非製造業景気指数の結果待ちから積極的な上値追いの流れは期待しづらいだろうが、ショートは仕掛けづらくさせさそうだ。
また、ナスダックは下落したものの、200日線水準で踏ん張りを見せている。前日のハンセン指数の強い値動きによる反動はありそうだが、米国では半導体の米国内生産や研究開発などに530億ドル(約7兆2400億円)を投じる「CHIPS法」の下で支給する企業補助金の申請について詳細が公表されたこともあり、リバランス中心ではあるもののハイテク株を見直す動きなども意識されそうだ。
日経平均は75日、200日線が支持線として意識される一方で、25日線が上値抵抗となる。底堅さが意識されるなか、27480円辺りで推移している25日線を上回っての底堅さが見られてくるようだと、押し目狙いの水準も切り上げてくる可能性はあるだろう。米経済指標の発表待ちによる様子見ムードが強まりやすいものの、リバウンド狙いでの対応に向かわせよう。
■伊藤園、3Q営業利益 12.5%増 158億円
伊藤園<2593>が発表した第3四半期業績は、売上高が前年同期比8.2%増の3284.54億円、営業利益は同12.5%増の158.71億円だった。原材料高の影響を受けたが、タリーズコーヒー事業が好調だったほか、主力の飲料事業では「お~いお茶」ブランドが好調。
■前場の注目材料
・日経平均は上昇(27516.53、+70.97)
・NYダウは上昇(32661.84、+5.14)
・VIX指数は低下(20.58、-0.12)
・米原油先物は上昇(77.69、+0.64)
・米国景気は拡大
・日銀は金融緩和を継続
・コロナ後の人流再開
・日立建機<6305>「人権尊重」加速、サプライヤーに第三者機関の証明提出要請
・日野自<7205>大中型トラック型式指定、再取得は年末以降、エンジン改良に遅れ
・NTT<9432>KDDIと次世代光通信で提携、超省エネ光通信確立へ
・東芝<6502>新卒1660人採用、注力領域中心に増強、来春入社
・古河電工<5801>30年度の営業益5倍に、森平次期社長「グループ体質改善」
・アンリツ<6754>京セラと「PCIe5.0」で光信号伝送試験に成功
・ホンダ<7267>来年度の値下げ要請見送り、事業環境悪化に配慮
・フジクラ<5803>米CFSにレアアース系高温超電導線材を納入、量産技術確立
・TPR<6463>CNT分散液を量産、来年度めど山形にライン構築
・日産自<7201>日産と三菱自、小型車など国内値上げ、原材料・物流費高騰
・ホンダ<7267>LGエナジーと北米で車載電池工場を着工、25年量産
・日立建機<6305>フル電動ダンプ実証、ザンビア鉱山で来年開始
・旭化成<3407>米グループ会社、C4Vと戦略提携、電力貯蔵用次世代電池を開発
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:50 10-12月期法人企業統計調査・全産業設備投資(前年比予想:+7.1%)
・08:50 2月マネタリーベース(1月:前年比-3.8%)
<海外>
・特になし
《ST》
提供:フィスコ