【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):I-ne、ブリヂストン、三菱ケミG
Ine <日足> 「株探」多機能チャートより
I-ne<4933>が続急伸、昨年来高値を更新した。16日の取引終了後、25年12月期に売上高550億円(22年12月期352億6900万円)、営業利益71億5000万円(同32億3500万円)を目指す中期経営計画を発表したことが好感された。注力領域であるヘアケア系・美容家電の継続成長を基盤に、スキンケアほかの拡大とグローバル展開の更なる成長加速を目指すとしており、スキンケアなどの分野で新規ブランド開発による売り上げの拡大を目指すほか、中国事業の拡大とその他エリアの開拓を図るとしている。
■TBSホールディングス <9401> 1,635円 +104 円 (+6.8%) 本日終値 東証プライム 上昇率7位
TBSホールディングス<9401>が急騰。民放株が後場に大幅高となった。日本民間放送連盟(民放連)がこの日、放送分野における外資規制等に係る法令改正に対し、意見を総務省に提出したと発表。これを手掛かり視した買いが集まったようだ。フジ・メディア・ホールディングス<4676>、テレビ朝日ホールディングス<9409>、日本テレビホールディングス<9404>が大幅高。テレビ東京ホールディングス<9413>や朝日放送グループホールディングス<9405>、中部日本放送<9402>も高い。民放連は意見の中で外資議決権比率に関し、外国法人等および外資系日本法人について集計する形に一本化する方針が示されている省令改正案を巡り、実務作業の負担軽減や制度の継続性などの観点から、従来の集計方法も併存させて選択可能とすることが適切などとする認識を示している。
■ブリヂストン <5108> 5,148円 +212 円 (+4.3%) 本日終値
ブリヂストン<5108>が続伸。16日の取引終了後に23年12月期の連結業績予想を発表。同社では米国建築資材事業、防振ゴム事業、化成品ソリューション事業を非継続事業に分類し、それ以外の継続事業で売上高4兆1500億円(前期比1.0%増)、純利益3400億円(同11.3%増)を見込み、年間配当予想を前期比25円増の200円としたことが好感された。半導体不足の改善により新車用タイヤの需要回復を見込んでおり、乗用車/ライトトラック用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、鉱山用・建設用タイヤの全てが前年を上回る見通し。1月20日に発表した国内市販用タイヤの値上げも貢献する。なお、想定為替レートは1ドル=123円(前期132円)、1ユーロ=133円(同138円)としている。同時に発表した22年12月期決算は、継続事業ベースで売上高4兆1100億円(前の期比26.6%増)、純利益3055億800万円(同0.8%減)だった。
■ゼンショHD <7550> 3,680円 +140 円 (+4.0%) 本日終値
ゼンショーホールディングス<7550>は反発。同社は16日、菓子大手ロッテホールディングス(東京都新宿区)の傘下で外食事業を展開するロッテリアの全株式を取得すると発表した。買収による収益拡大を期待した買いが入った。ゼンショーグループの食材調達や物流、店舗運営機能などとのシナジーが、今後のロッテリアの事業拡大や発展に寄与するものと判断したという。株式譲渡日は4月1日の予定。
■三菱ケミカルグループ <4188> 805.8円 +28.9 円 (+3.7%) 本日終値
三菱ケミカルグループ<4188>は反発。16日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想の修正について発表した。今期の売上収益は4兆5140億円から4兆6400億円(前期比16.7%増)に、最終利益は280億円から1180億円(同33.4%減)に見通しを上方修正した。これを好感した買いが集まったようだ。スイスの製薬大手ノバルティス<NVS>は三菱ケミGの連結子会社である田辺三菱製薬に対し、「ジレニア」に関するロイヤルティーの支払い義務を定める規定の一部は無効であり、支払い義務はないと主張し、19年に仲裁の申し立てを行った。国際商業会議所での仲裁手続きが続いていたが、三菱ケミGによると、仲裁廷は今年2月13日にノバルティスの主張を全面的に否定する判断を下したという。これに伴い従来、売上収益としていなかったロイヤルティーに関し、23年1~3月期に一括して売上収益として認識することとなり、収益が上振れする見込みとなった。
■横浜ゴム <5101> 2,215円 +69 円 (+3.2%) 本日終値
横浜ゴム<5101>が後場上げ幅を拡大。午後1時ごろに発表した23年12月期連結業績予想で、売上高9000億円(前期比4.6%増)、営業利益730億円(同6.0%増)、純利益460億円(同0.2%増)と増収増益を見込み、年間配当予想を前期比1円増の67円としたことが好感された。前期は、下期に入り資源価格高騰やインフレにより欧州の市場環境が急速に悪化し、この影響は今期も第1四半期まで残るとみられるものの、、下期からは回復に向かう見通し。また、価格政策や新製品投入などによって利益改善にも取り組むとしている。なお、想定為替レートは1ドル=128円(前期132円)、1ユーロ=138円(同138円)としている。同時に発表した22年12月期決算は、売上高8604億7700万円(前の期比28.3%増)、営業利益688億5100万円(同17.7%減)、純利益459億1800万円(同29.9%減)だった。
■アサヒ <2502> 4,668円 +123 円 (+2.7%) 本日終値
アサヒグループホールディングス<2502>は逆行高で続伸。14日の取引終了後に公表した23年12月期の連結業績予想は、最終利益が前期比3.9%増の1575億円の見通し。2期ぶりに過去最高益を更新する計画を示したことを好感した買いが続いている。加えて同社の業績に貢献する欧州市場では、足もとではマクロ経済面での悲観的な見方が和らぎつつあり、英国の株価指数FTSE100種指数とフランスのCAC40指数は直近で過去最高値をつけている。16日にはフランスの酒造大手ペルノ・リカールの株価が好決算を受けて買いが集まり、ビール大手のハイネケン株も15日、22年通期の利益が予想を上回ったことを受けて上昇したと伝わっている。同業他社の好決算もアサヒの刺激材料となったようだ。
■ジャフコ グループ <8595> 2,139円 +28 円 (+1.3%) 本日終値
ジャフコ グループ<8595>は3日ぶりに小反発。16日の取引終了後、1722万株(発行済み株数の23.50%)の自社株を3月1日付で消却すると発表しており、好材料視された。なお、消却後の発行済み株数は5606万株となる予定だ。
■三菱重工業 <7011> 5,084円 +59 円 (+1.2%) 本日終値
三菱重工業<7011>が全体軟調地合いに抗して頑強な値動きを示している。中国による台湾有事が警戒されるなか、米国は日本と連携を強化して中国に対する抑止力を高める構えを強めている。ロシアのウクライナ侵攻を契機に世界的にも国家安全保障に対する関心が高まり防衛力強化に向けた取り組みが鮮明となっており、米国株市場でも防衛関連株への投資資金流入が顕著となっている。東京市場でも、防衛省との取引金額で群を抜き防衛関連のシンボルストックに位置付けられている三菱重への注目度が改めて高まっている。同社の株価は今年に入ってから、5100円台を横に走る75日移動平均線が上値抵抗ラインとして意識されているが、テクニカル的にはこの75日線をいつブレークするかがポイントとなっている。
■DM三井製糖 <2109> 2,036円 +14 円 (+0.7%) 本日終値
DM三井製糖ホールディングス<2109>が反発。16日の取引終了後、23年3月期決算で営業外収益を計上すると発表しており、好材料視されている。「FTY720」に関する共同特許権者である田辺三菱製薬(大阪市中央区)とノバルティスファーマとの仲裁に関して、仲裁判断を仲裁廷から受領したのに伴い、長期仮受金175億5200万円を営業外収益として計上するという。なお、23年3月期業績予想への影響は現在精査中としている。
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