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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「燻る節分天井の懸念、テクニカルは過熱点灯」

株式評論家 富田隆弥

◆騰落レシオ128%(1月30日時点)、サイコロジカルライン75%(2月1日時点)、RCI(順位相関係数、9日線、13日線、25日線)の高値圏到達など、日足のテクニカル指標に過熱信号が灯り、堅調だった日経平均株価もさすがに1月26日以降は2万7500円手前で足踏みしている。

◆「節分天井」のアノマリーを意識するところであり、過熱感を解消させるような調整が入ることも想定しておかねばならない。ただ、2万7200円台にある75日移動平均線と200日移動平均線を下値支持としてもみ合う動きは、チャートの踊り場でのほどよいスピード&日柄調整でもある。

◆注目された1月31日-2月1日開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、政策金利の上げ幅を市場の予想通り前回会合の0.50%から0.25%に縮小させた。3月(21日-22日)の会合では利上げを停止するとの観測が台頭し、米国の10年債利回りは3.3%台に低下している。

◆この金利低下を背景にナスダック指数が上昇、2月2日におよそ4カ月半ぶりに1万2200ポイントを回復している。ハイテク株を多く含むナスダック指数の上昇は日本株に影響を与えやすく、日経平均株価は踊り場から再び上昇に動き出してもおかしくない。そうなれば、12月高値の2万8195円を目指すだろう。

◆ただし、米国の金利低下を受けて、為替(ドル円)は2日に128円10銭近辺まで「円高」に振れている。為替の日足チャートは25日移動平均線(同130円57銭)を抵抗線として昨年10月から円高基調を続けており、この先125円台を目指すことも否定できない。

◆「節分天井」になるかは来週以降の動きを見なければならないが、上昇を加速させるナスダックもRCIなどテクニカル指標に過熱信号が灯っている。また、買い戻しを含めて当面の買い需要がここで集中している(人気偏り)可能性もある。米国市場は昨年12月のFOMC(12月13日-14日)のあとに調整を強めた経緯があり、今月もナスダック指数のピークアウトには注意したい。

◆日経平均株価は「2万8000円指向」の流れにあるが、テクニカル指標の過熱が続いていることは忘れないでおきたい。一方、下値ポイントは200日移動平均線が位置する「2万7200円」処であり、これを割り込むようであれば調整入りを覚悟することになろう。

(2月2日 記、次回更新は2月11日を予定)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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