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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):東電HD、ヨコオ、東京製鉄

東電HD <日足> 「株探」多機能チャートより
■東電HD <9501>  452円  +7 円 (+1.6%)  本日終値
 東京電力ホールディングス<9501>は反発。23日取引時間終了後、未定としていた23年3月期の連結業績予想を開示した。通期の売上高は7兆9310億円(前期比49.4%増)、最終損益は3170億円の赤字(前期は56億4000万円の黒字)を見込む。燃料価格の高騰により燃料費調整額が増加したことで大幅な増収を計画する一方、燃料・卸電力市場価格の高騰などにより電気調達費用が増加。市場のコンセンサスよりも大きな赤字幅となった。ただ、同時に家庭向けの規制料金について、6月以降の値上げの申請を実施したとも発表しており、売り込む姿勢は限られた。全体相場が上昇するなかにあって、日経平均など指数連動型ファンドを通じた買い需要が株価の支えとなったようだ。家庭向けの規制部門の値上げ幅は平均で29.31%。同社は東京電力エナジーパートナーの収支悪化を受け、同社の財務基盤の立て直しのため追加増資の引き受けも決定した。

■ヨコオ <6800>  2,207円  +33 円 (+1.5%)  本日終値
 ヨコオ<6800>が3日続伸。午前10時ごろ、半導体検査用プローブの製造工場をベトナムに開設すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。新会社「ヨコオ・エレクトロニクス・ベトナム」(YEV)は、同社初となるクリーンルーム内でのプローブ製造体制を整えており、半導体検査用プローブを作る工場としては、日本とマレーシアに続き3拠点目になる。今年2月の稼働開始を予定し、その後23年6月にフル稼働の月産300万本まで生産能力を引き上げていくとしている。

■東京製鐵 <5423>  1,320円  +19 円 (+1.5%)  本日終値
 東京製鐵<5423>が3日続伸。この日、同社が2026年以降に電炉由来の冷延鋼板と溶融亜鉛メッキ鋼板を自動車や建設、家電向けなどに供給するため、田原工場(愛知県田原市)で数百億円を投じ、ラインを新設する検討に入ると一部で伝わった。自動車向けなどへの事業拡大を期待した買いが集まったようだ。同社は前週末20日に23年3月期第3四半期累計(4~12月)の単体決算を発表。これにあわせ、1~3月期の製品出荷単価が10~12月期に比べ低下する影響を反映し、通期の売上高の見通しをこれまでの3750億円から3660億円(前期比35.1%増)に下方修正した。一方で最終利益の見通しは据え置いた。週明け23日の同社株は売り一巡後に切り返す展開。75日移動平均線を上抜けて陽線で引けるなど、力強い動きを見せていた。

■アシックス <7936>  2,973円  +40 円 (+1.4%)  本日終値
 アシックス<7936>が3日続伸。同社は23日、近畿タクシー(神戸市長田区)、神戸常盤大学附属ときわ幼稚園(神戸市長田区)と連携して、送迎バスの見守り実証実験を実施すると発表しており、好材料視された。今回の実証実験では、同社の有する「TUNEGRID(チューングリッド)」のコア技術の一つで、時間に応じた歩数を記録できるほか、受信機と連動することで、着用者の位置情報を取得できる重さ約7グラムの小型BLE(低消費電力Bluetooth)センサー「TUNEGRID-Cube(チューングリッド・キューブ)」を使い、新たに開発した位置情報を管理するアプリで検証。ときわ幼稚園の園児14人に「TUNEGRID-Cube」を取り付けたシューズを着用させ、近畿タクシーが運行管理する送迎バス内に設置した受信機を通じて、送迎バスへの乗降を検知する仕組みで、施設管理者は園児が送迎バスに取り残されていないかを遠隔からでも確認できるという。

■タカラバイオ <4974>  1,737円  +23 円 (+1.3%)  本日終値
 タカラバイオ<4974>が高い。午前10時30分、滑膜肉腫を対象疾患として国内で開発を進めるNY-ESO-1・siTCR遺伝子治療薬の先駆け審査指定制度対象品目指定及び希少疾病用再生医療等製品指定の申請者の変更に関する届け出を行い、引き継ぎに関する通知を受領したと発表した。これを手掛かりとした買いが入ったようだ。同社は大塚ホールディングス<4578>の大塚製薬との契約終了に伴い、指定の申請者をタカラバイオに変更するための届け出を厚生労働省に行っていた。滑膜肉腫を対象疾患とした国内の臨床試験の結果をもとに、現在、承認申請に向けた準備を進めているとしている。

■日本調剤 <3341>  1,184円  +14 円 (+1.2%)  本日終値
 日本調剤<3341>がしっかり。この日、LINEヘルスケア(東京都新宿区)と連携し、オンライン診療「LINEドクター」でのオンライン服薬指導の提供を開始すると発表しており、好材料視された。「LINEドクター」は、LINEアプリ上で診療の予約、無料ビデオ通話での診療、決済を完結することができるサービスで、LINEユーザーであれば、新たにアプリをダウンロードすることなく、体調不良時にLINE上で医師とつながり診療を受けられる。これまで「LINEドクター」では、院内処方の医療機関での処方薬の配送にのみ対応していたが、今回日本調剤と連携することで、初めてオンライン服薬指導の提供を開始することになったという。

■東宝 <9602>  4,700円  +50 円 (+1.1%)  本日終値
 東宝<9602>が堅調。第73回ベルリン国際映画祭で、新海誠監督のアニメーション映画「すずめの戸締まり」が最高賞に相当する長編コンペティション部門にノミネートされた。日本のアニメ映画のコンペ部門出品は「千と千尋の神隠し」以来とされている。東宝の直近の業績に貢献している映画の更なるヒットを期待した買いが株価の支えとなったようだ。「すずめの戸締まり」の制作環境で技術協力をしたシリコンスタジオ<3907>もしっかり。

■ファーマフーズ <2929>  1,330円  +7 円 (+0.5%)  本日終値
 ファーマフーズ<2929>が5日続伸。同社は23日取引終了後、国内外のスタートアップに投資するファンドを設立したと発表しており、これが買い手掛かりとなったようだ。ファンドの設立は、自社のアラジンテクノロジー(ニワトリから医薬品レベルの抗体を取得する独自技術)による抗体創薬事業及びヘルスケア事業のイノベーションを加速させることが主な目的。出資の総額は最大100億円(設立時は10億1000万円)を予定している。

■しまむら <8227>  12,160円  -440 円 (-3.5%)  本日終値  東証プライム 下落率5位
 しまむら<8227>は反落。23日の取引終了後に発表した1月度(22年12月21日~23年1月20日)の月次売上速報で、既存店売上高は前年同月比0.2%増と前年実績を上回ったものの、12月度の3.9%増から増収率が大きく鈍化したことが嫌気されたようだ。年末にかけて冷え込みが強まったことにより、婦人と紳士のアウター衣料でPB「CLOSSHI」のニットアイテムやタートルネックTシャツ、ダウンや中綿のジャケットとコートが売り上げを伸ばしたほか、オケージョン需要の回復でフォーマル用のスーツやバッグも好調だった。一方で、年明け以降は気温の上昇により冬物全般の動きが鈍くなった。なお、全店売上高は前年並みだった。

■レオパレス21 <8848>  312円  -7 円 (-2.2%)  本日終値
 レオパレス21<8848>が冴えない。環境省などが同社に対し、エアコンやテレビなどの廃棄家電を不適切に処理した疑いがあるとして立ち入り検査をしていたことが分かったと23日に伝わった。2022年9月に、環境省などの職員が家電リサイクル法に基づいて実施したという。報道を嫌気した売りが出たようだ。レオパレスは24日の取引開始前に、報道について「環境省の立ち入り検査が実施されたことは事実」などとするコメントを発表した。同社は家電を購入後、管理アパートに設置し、代金をアパートオーナーから受領していることから、家電リサイクル法上の「小売業者」に該当し、廃棄時のリサイクル券の交付・管理・保管などの義務があったが、小売業者との認識を持っていなかったという。現在、新たな処理方法の運用を一部で開始しており、今後切り替えを行っていくとしている。

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