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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):三菱UFJ、ニトリHD、オキサイド

三菱UFJ <日足> 「株探」多機能チャートより
■ジャパンディスプレイ <6740>  40円  +2 円 (+5.3%)  本日終値  東証プライム 上昇率3位
 ジャパンディスプレイ<6740>は堅調。前週末12月30日の取引終了後、中国子会社Suzhou JDI Electronicsの売却を完了したと発表。これに伴い、特別利益を計上する見込みとしており、これが株価の下支え材料となったようだ。譲渡価格は267億3000万円で、同子会社の資産増減などにより当初想定していた205億円から上振れした。特別利益として関係会社株式売却益約148億円を計上するとともに、特別損失として事業構造改善費用約35億円を23年3月期第3四半期にそれぞれ計上する。

■GCジョイコ <6249>  2,452円  +100 円 (+4.3%)  本日終値
 ゲームカード・ジョイコホールディングス<6249>が全体相場に逆行し大幅高、一時7%超の上昇で2500円台に乗せ、最高値街道をまい進する展開にある。パチンコやパチスロなど遊技機用プリペイドカード大手で、業界でスマートパチスロが導入されたことに伴う新機種への入れ替え特需を享受しており、これを材料に投資資金の攻勢が続いている。更に「今月からスマートパチンコの試験機の導入も始まり、3月には商業ベースでの導入が本格化する見込みで、パチスロよりもはるかに市場の大きいパチンコ機の入れ替えが関連企業の収益を押し上げることになる」(ネット証券アナリスト)という指摘がある。きょうはGCジョイコ以外にもユニバーサルエンターテインメント<6425>やゲンダイエージェンシー<2411>なども逆行高の動きをみせている。

■三菱UFJ <8306>  926.2円  +37.2 円 (+4.2%)  本日終値  東証プライム 上昇率6位
 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>は全般相場が大きくリスクオフに傾くなか強さを発揮し、昨年の大納会を引き継いで続伸と気を吐いている。日銀がイールドカーブ・コントロールの変動許容幅を広げたことで、大規模金融政策の修正に向けた思惑がくすぶっている。国内の長期金利が上昇傾向を強めれば、同社株をはじめメガバンクにとって運用環境の改善につながることから株価にはポジティブ材料となる。銀行株は配当利回りも高いことから、中長期スタンスの個人投資家資金の流入も観測されており、ハイテク株とは対照的に環境面で追い風が意識されている。

■ニトリホールディングス <9843>  17,395円  +345 円 (+2.0%)  本日終値
 ニトリホールディングス<9843>が続伸。12月31日付の日本経済新聞朝刊が「日銀は1月に示す消費者物価指数(生鮮食品を除く=コアCPI)の上昇率見通しを前回(10月時点)から上方修正する検討に入った」と報じた。日銀の金融緩和策に対する修正圧力が一段と増すとの思惑が広がるなか、年明けの1月3日にドル円相場は一時1ドル=129円台まで円高が進行。足もとでドル安・円高の流れには一服感もあるが、ニトリHDなど円高が業績の底上げにつながると期待される銘柄の一角に対し、資金が流入しているようだ。ワークマン<7564>やエニグモ<3665>がしっかり。東証株価指数(TOPIX)が1%を超す下げとなるなかにあって、業種別指数のパルプ・紙はプラス圏で推移する場面があった。

■オキサイド <6521>  7,790円  +130 円 (+1.7%)  本日終値
 オキサイド<6521>は鮮烈な戻り足で3連騰、きょうは全般悪地合いの間隙を縫って一時400円高に買われフシ目の8000円台を回復する場面があった。酸化物単結晶やレーザー関連など光分野で独自技術を有し、ニッチトップ企業として注目度が高い。半導体テスター向け紫外レーザーで需要獲得が進んでおり、足もとの業績は急拡大途上にある。23年2月期営業利益は前期比5割増となる9億円を見込むが、市場では一段の上振れを見込む声が強い。一方、2月末の株主を対象に1株を2株に株式分割すると発表していることで、この権利取りの動きも活発化している。株式需給面では外資系など複数の証券会社経由で貸株調達による空売りが増加しており、その買い戻しも株価に浮揚力を与えている。

■日本郵船 <9101>  2,907.5円  -202.5 円 (-6.5%)  本日終値
 日本郵船<9101>が急反落した。3日に公表された2022年12月の財新中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.0となり、前月(49.4)から低下。好況と不況の節目となる50を5カ月連続で下回った。世界経済の先行き警戒感が強まるなか、郵船に対しては物流の停滞による業績への悪影響を懸念した売りが膨らんだようだ。商船三井<9104>や川崎汽船<9107>も安い。12月31日に中国国家統計局が発表した同月の製造業PMIも、47.0と前月(48.0)から低下。3カ月連続で50を下回った。

■エーザイ <4523>  8,181円  -523 円 (-6.0%)  本日終値
 エーザイ<4523>が大幅続落。同社と米製薬企業のバイオジェン<BIIB>が共同開発するアルツハイマー病の治療薬候補「レカネマブ」を巡っては、米食品医薬品局(FDA)の審査終了目標日が1月6日に定められている。実用化と業績貢献への期待はこれまでエーザイ株の支えとなってきたが、12月上旬に株価が1万円をつけた後は、上値の重い展開が続いている。審査結果が発表される前に、いったん利益を確定するのを目的とした売りが膨らんだようだ。大発会のこの日は5日移動平均線と75日移動平均線を株価が下抜けたことも売りを促す要因となったとみられている。

■東京ガス <9531>  2,442円  -143 円 (-5.5%)  本日終値
 東京ガス<9531>が急落。同社の米子会社が、天然ガス生産の米ロッククリフ・エナジーを、プライベートエクイティ(PE)企業から買収する交渉を進めていると一部で伝わった。買収額は負債を含め約46億ドルと報じられており、これを嫌気した売りが膨らんだようだ。報道によると、東ガスが70%出資する米TGナチュラルリソーシズの全額現金による取引は、月内にも発表される見通しという。TGナチュラルリソーシズは資金の手配に動いているとする一方、合意に至らない可能性があるとする関係筋の見方も伝えている。

■日経レバ <1570>  12,385円  -365 円 (-2.9%)  本日終値
 NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が大きく下値を探る展開。一時3%を超える下げで1万2300円台まで水準を切り下げた。日経平均株価にリンクする形で組成されたETFで、価格変動率が2倍に基本設定されていることもあり、全体相場のボラティリティが高まると個人投資家を中心とした短期資金の参戦が活発化する傾向が強い。きょうは米国のリセッション懸念を背景に、東京市場では日経平均が大きく売られ、これに連動して日経レバも水準を切り下げている。売買代金も高水準でレーザーテック<6920>と首位を争う状況にある。

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