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【市況】ダウ平均は小幅安 米PPIは利上げ継続を正当化も様子見の雰囲気が強い=米国株後半

NY株式9日(NY時間15:29)
ダウ平均   33669.69(-111.79 -0.33%)
ナスダック   11078.05(-3.95 -0.04%)
CME日経平均先物 27880(大証終比:+30 +0.11%)

 NY時間の終盤に入って、ダウ平均は小幅安での推移が続いている。取引開始前に発表された米生産者物価指数(PPI)が予想を上回ったことで、売り先行で始まった。ただ、下値を積極的に試す雰囲気まではなかった。

 米PPIについては、サービス業が牽引し予想以上の上昇となった。インフレ圧力の根強さが示され、FRBの利上げ継続を正当化する内容ではあった。ただ、国内外における需要の冷え込みがサプライチェーンを圧迫し、前年比の伸びは鈍化が続いている。

 ただ、市場は来週の米消費者物価指数(CPI)やFOMCの結果とその反応を見極めたい雰囲気が強く、株式市場も小幅な値動きに終始した。

 市場では、来年も弱気相場を見込む声が多く、悲観論一色といったところだが、一部からは、S&P500が向こう1年で25%超上昇するとの強気な見方も出ている。悲観論が行き過ぎているという。景気は既に底入れしており、新たな強気相場が始まりつつあると指摘している。

「この国の経営者らがほぼ100%景気後退に陥ると考えている時期は思い出せない。通常、景気後退は思いがけないところから来て市場を驚かすもので、ここから発生することはない。悲観論が既に過剰に織り込まれているため、それが逆にポジティブ・サプライズの扉を開く」と述べている。

 エネルギーや医薬品、産業株の一角は軟調に推移しているものの、銀行や航空キャリアは堅調。IT・ハイテクはまちまちといった値動き。

 ネットフリックス<NFLX>が3日続伸。アナリストが投資判断を「買い」に引き上げた。目標株価も従来の300ドルから400ドルに引き上げている。解約率低下と安定した加入者増によって、来年はポジティブなカタリストがもたらされる可能性を指摘している。

 半導体のブロードコム<AVGO>が決算受け上昇。クラウド・インフラストラクチャ業界からの需要が引き続き堅調であることが示された。

 ルルレモンが決算受け大幅安。在庫が急増し利益圧迫している点が嫌気されている。

 ドキュサインが決算受け大幅高。通期の売上高およびビリングの見通しを上方修正した。

 仮想通貨交換業者のコインベース・グローバル<COIN>が続落。アナリストの投資判断引き下げも伝わり、「売り」に引き下げた。目標株価も従来の42ドルから30ドルに引き下げ。

 医薬品卸を手掛けるアメリソースバーゲン<ABC>が下落。筆頭株主のウォルグリーン<WBA>が持ち株を10億ドル分売却したことが明らかとなった。

ネットフリックス<NFLX> 321.75(+11.49 +3.70%)
コインベース<COIN> 40.60(-2.21 -5.16%)
ルルレモン<LULU> 326.11(-48.41 -12.92%)
アメリソースバーゲン<ABC> 165.10(-5.37 -3.15%)
ドキュサイン<DOCU> 49.89(+6.14 +14.03%)
ブロードコム<AVGO> 548.12(+17.04 +3.21%)

アップル<AAPL> 143.73(+1.08 +0.75%)
マイクロソフト<MSFT> 247.42(+0.02 +0.01%)
アマゾン<AMZN> 89.51(-0.84 -0.93%)
アルファベットC<GOOG> 93.87(-0.09 -0.09%)
テスラ<TSLA> 180.61(+7.17 +4.13%)
メタ・プラットフォームズ<META> 116.49(+1.16 +1.01%)
AMD<AMD> 69.26(-1.21 -1.71%)
エヌビディア<NVDA> 172.41(+0.72 +0.42%)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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