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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 買い優勢の展開ながら、ボリンジャーバンドの+2σ接近で次第に過熱感が意識されてくる


大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 28350 +230 (+0.81%)
TOPIX先物 2012.0 +16.5 (+0.82%)
シカゴ日経平均先物 28345 +225
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 23日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。米新規失業保険申請件数が市場の予想以上に増加し、3カ月ぶりの高い水準となったほか、11月の総合購買担当者指数(PMI)速報値が46.3に低下した。これを受けた米長期金利の低下を手掛かりに買い優勢の展開。その後、感謝祭の祝日を前にポジション調整から一時下落に転じる場面も見られた。ただし、11月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、大半の当局者が利上げペースを緩める必要があるとの認識を示していたことが明らかになり、金融引き締めへの警戒感が後退し、ハイテク株主導で切り返した。S&P500業種別指数は自動車・同部品、メディア、半導体・同製造装置が上昇した一方で、エネルギー、電気通信サービス、医薬品・バイオテクノロジーが下落。

 シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、日中大阪比225円高の2万8345円で終えた。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比30円安の2万8090円で始まり、直後につけた2万8040円を安値にリバウンドを見せ、祝日取引の開始直後には2万8400円まで買われた。その後は薄商いのなかで2万8330円~2万8400円辺りのレンジで推移し、FOMC議事要旨の公表を受けた米国市場の流れを受けて2万8420円まで上昇。買い一巡後は2万8290円まで利食いに押される場面もあったが、引けにかけて持ち直し、2万8350円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、買い先行で始まろう。下値切り上げのリバウンド基調のなか、FOMC議事要旨を通過したことで、ヘッジを緩める動きを見せてきそうであり、リバランスに伴うショートカバーに向かわせそうだ。ただし、米国市場は感謝祭を前にしたリバランスの動きもあり、感謝祭明け後の年末商戦の動向を見極めたいとする様子見姿勢が強まりやすい。また、中国で新型コロナウイルス感染拡大による都市封鎖(ロックダウン)が広がっていることも重荷になると見られ、買い一巡後は次第にこう着感が強まりそうだ。

 テクニカル面では、ボリンジャーバンドの+2σ(2万8450円辺り)に接近してきた。リバウンド基調は継続しているものの、短期的には過熱感が警戒されやすくなるため、オプション権利行使価格の2万8375円~2万8500円辺りでは強弱感は対立しやすいと考えられる。そのため、2万8250円~2万8375円辺りでの押し目狙いのロングでの対応になろう。

 なお、VIX指数は20.35に低下。8月半ば以来の水準まで下落し、リスク選好の動きが強まりそうだ。直近では米連邦準備理事会(FRB)高官らによるタカ派発言が相次ぎ、指数インパクトの大きい値がさハイテク株などの弱い値動が目立っていただけに、本日はインデックスに絡んだ商いによるNT倍率の上昇も意識されやすいところである。22日のNT倍率は先物中心限月で14.09倍に低下し、10月半ば以来の水準まで下げてきており、リバランスを狙った動きが入りやすいと考えられる。

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