【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):ワクー、ミタチ産業、ファンペップ
ワクー <日足> 「株探」多機能チャートより
Waqoo<4937>はストップ高。前週末18日取引終了後、22年9月期の連結決算の発表にあわせ、23年9月期の業績予想を開示した。売上高は前期比34.4%減の17億9100万円と減収を見込む半面、最終損益は1億2200万円の黒字(前期は6100万円の赤字)を計画する。更に、業務提携するSBCメディカルグループ(横浜市戸塚区)と、血液由来加工・脂肪由来幹細胞加工の受託サービスを全国で展開するとも発表しており、これらを材料視した買いが入ったようだ。前期は主力事業のD2C事業で新規顧客獲得の単価が高騰し、競争環境が激化した。在庫の滞留で商品評価損を計上したこともあって、3800万円の黒字と計画していた最終損益は赤字での着地となった。今期はSBCメディカルグループとの提携を通じ、コラボレーション商品の販売や血液由来加工・脂肪由来幹細胞加工の受託サービスを推進。新たなビジネスモデル構築の布石を打つとしている。
■ミタチ産業 <3321> 1,156円 +133 円 (+13.0%) 本日終値
ミタチ産業<3321>は急騰し年初来高値を更新。前週末18日の取引終了後、23年5月期の連結業績予想について、売上高を420億円から440億円(前期比3.5%増)へ、営業利益を20億円から22億円(同9.0%増)へ、純利益を14億3500万円から16億円(同9.2%増)へ上方修正し、中間・期末各15円の年30円としていた配当予想を中間30円・期末25円の年55円(前期40円)に引き上げると発表したことが好感された。原材料の高騰による取引価格への影響や、自動車関連企業での半導体不足による生産調整の影響はあるものの、グローバルな調達力や多方面のネットワークを生かした販売製品の確保や、新規顧客の開拓、またコスト抑制や効率化の継続が寄与するとしている。なお、営業利益の上方修正は9月に続き2回目となる。
■ファンペップ <4881> 191円 +19 円 (+11.1%) 本日終値
ファンペップ<4881>が急伸。午前9時ごろ、開発中の抗体誘導ペプチド「FPP003」に関して、韓国で物質特許が成立したと発表しており、これが好感された。同特許は、FPP003の用途(対象疾患)にかかわらず、物質そのものを広く保護する物質特許。FPP003は、住友ファーマ<4506>との共同研究により創製した開発化合物で、住友ファーマとの間で北米での全疾患を対象とする独占的開発及び商業化権に関するオプション契約を締結しており、日本を含む北米以外の地域については住友ファーマが優先交渉権を所有している。
■CINC <4378> 1,580円 +155 円 (+10.9%) 本日終値
CINC<4378>が続急伸。前週末18日の取引終了後、集計中の22年10月期単独業績について、売上高が従来予想の17億3600万円から18億500万円(前の期比37.5%増)へ、営業利益が2億3900万円から2億9200万円(同44.6%増)へ、純利益が1億5000万円から2億100万円(同55.8%増)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。アナリティクス事業の受注が堅調に推移したことに加えて、コスト改善により販管費が抑制されたことや、人材確保等促進税制の税額控除により税金負担が減少したことなどが寄与した。
■イトーキ <7972> 483円 +38 円 (+8.5%) 本日終値 東証プライム 上昇率5位
イトーキ<7972>が高い。同社はきょう、静岡聖光学院(静岡市駿河区)とのメタバースを用いた仮想空間と現実空間の学習環境デザインと教育カリキュラムの構築プロジェクトが、文部科学省の「次世代の学校・教育現場を見据えた先端技術・教育データの利活用推進事業」に採択されたと発表しており、これが材料視されたようだ。同事業は、GIGAスクール構想による1人1台端末の活用が進むなか、目指すべき次世代の学校・教育現場などを見据えたうえで、教育の質の向上を図るとともに、新たな政策課題に対応するため、教育現場で活用し得る先端技術や教育データを効果的に利活用するための実証などを行うもの。同社は静岡聖光学院とデジタルを活用した探求力、表現力、コミュニケーション力の醸成を目的とした実証研究を行っており、その活動が文科省の国家事業として採択された。
■協栄産業 <6973> 1,884円 +141 円 (+8.1%) 本日終値
協栄産業<6973>が大幅高で3日ぶりに反発。午前11時ごろ、神奈川県の「令和4年度新型コロナウイルス感染症対策ロボット実装事業」の参加企業に採択されたと発表しており、好材料視された。同事業は、新型コロナウイルス感染症対策に資するロボットなど(IoT関連機器を含む)の実装に強い意欲を持つ県内施設を広く募り、ロボットなどの導入実証及び効果検証を実施することで、実装への推進を図るもの。同社では、協働運搬ロボット「Thouzer」を使用した「買い物カゴ、カート回収運搬支援ロボット」を11月21日から1カ月の間、相模原市のイトーヨーカドーアリオ橋本店で導入実証を行うとしている。
■エスクロAJ <6093> 162円 +11 円 (+7.3%) 本日終値 東証プライム 上昇率7位
エスクロー・エージェント・ジャパン<6093>が高い。前週末18日の取引終了後、キャッシュレス・非対面決済サービス「H’OURS」に係るビジネスモデル特許を取得したと発表しており、好材料視された。「H’OURS」は、これまで不動産業界の商習慣であった決済立ち会いをなくすことで、不動産事業者と客の利便性やコスト効率を高めるサービス。買い主は契約日までにサービス専用の信託口座に手付金を預けることで、決済当日は会わずに決済が完了する仕組みで、同社は今年7月、クラウドサービス及び精算事務などを含めた業務プロセス全般について特許申請を行っていた。
■unerry <5034> 2,515円 +135 円 (+5.7%) 本日終値
unerry<5034>は高い。この日朝方、米シスコ・システムズ<CSCO>日本法人のシスコシステムズとの間で、店舗や公共施設のデジタル化とデータ利活用の推進に向けてプロダクト連携したと発表。これが材料視されたようだ。あわせて、シスコシステムズの「エコシステム パートナー プログラム」に参画することも明らかにした。同プログラムは、日本市場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させることを目的に今年7月に創設されたもの。
■林兼産業 <2286> 478円 +17 円 (+3.7%) 本日終値
林兼産業<2286>が急動意。上昇率は一時10%を超えた。午前11時、植物由来の機能性食品素材「ヒシエキス」を巡り、発毛促進や脱毛防止、キューティクル改善に関する特許を取得したと発表。これを受け、短期資金が流入したようだ。ヒシエキスを経口投与したモデルマウスについて、より多くの毛の再生が確認できたほか、マウスに糖化物を注射し、ヒシエキス配合クリームを外用塗布したところ、脱毛本数の減少や、キューティクルの改善が観察できたという。今後はヒトでの効果を検証するため、臨床試験を進めるとしている。
■Jワランティ <7386> 2,668円 +71 円 (+2.7%) 本日終値
ジャパンワランティサポート<7386>は上値追い態勢を維持。一時7.6%高の2795円まで上昇する場面があった。同社は今年6月に東証グロース市場に新規上場した銘柄で、住宅設備機器の修理対応などの延長保証事業を手掛ける。業績は拡大基調にあり、11月2日に発表した23年9月期業績予想は前期に続き過去最高業績を更新する見通しだ。足もとの株価は好業績を背景に上げ足を速めており、上場来高値圏を突き進む展開となっている。前週末18日の取引終了後にはツクルバ<2978>と協業を開始することを明らかにした。
●ストップ高銘柄
坪田ラボ <4890> 1,139円 +150 円 (+15.2%) ストップ高 本日終値
など、4銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース