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【市況】【杉村富生の短期相場観測】 ─これが個人投資家の生きる道!

経済評論家 杉村富生

「これが個人投資家の生きる道!」

●逆張りの精神と個別銘柄対応が不可欠!

 全般相場は相変わらず、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策に振り回されている。地区連銀総裁の発言はタカ派色が強まるばかりだ。11月1~2日のFOMC(連邦公開市場委員会)での0.75%(75ベーシスポイント)の利上げはほぼ確実である。12月13~14日に予定されている次の会合の利上げ幅はCPI(消費者物価指数)の数値次第だろう。

 そのCPIの上昇率は10月分が11月10日、11月分が12月13日に発表される。投機筋が直前に、売り仕掛けを行うのはいつものパターンだ。彼らは「CPIショック」を狙う。日経平均株価の6月20日の安値(2万5520円)、10月3日の安値(2万5621円)がそうだったように。しかし、ここは買い場になる。

 再三指摘しているように、年初以来の相場はベアマーケットだ。下降トレンドではないが、基本的に“往来”である。こんな市場環境下では徹底して安いところ(時)を買うか、元気な銘柄を攻めるしかない。波乗り戦術ではNEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 <1570> [東証E]の買い下がり作戦を提唱している。

 仕掛けのタイミングは日経平均株価の2万6000円割れ、VIX(恐怖)指数の35ポイント超だ。VIX指数は「30ポイント台→売り」、「25ポイント以下→買い」と一般的にはいわれているが、これは機関投資家のリスク資産ウェート調整の目安にすぎない。個人投資家がこれにつき合う必要はない。株価パフォーマンスは逆になっているではないか。

●円安阻止のためにやれることは……

 アメリカの金利は2年物国債利回りが4.612%、10年物国債利回りが4.233%と上昇が著しい。これを受け、ドル高・円安が進行している。1ドル=150円台に突入だ。日米の金融政策の違い(金利差)に加え、貿易赤字の拡大(4~9月は11兆円強)が痛い。さらに、国際緊張の高まり、しのび寄る食糧危機が影を落としている、と思う。

 とりあえず、貿易赤字を縮小するには 原発再稼働だ。規制委員会が承認済みの10基を再稼働すると、1兆円超の燃料輸入費が減る。これは国策である。東京電力ホールディングス <9501> [東証P]は仕手妙味が膨らむ。九州電力 <9508> [東証P]は玄海原発3、4号機の運転を再開させる。ドイツは原発全基を稼働可能な状態にする。

 エネルギー価格の高騰によるインフレを抑制するための現実的な対応である。日本ではインバウンド(外国人観光客)に期待が高まる。THEグローバル社 <3271> [東証S]はマンション事業のほか、外国人に人気の京都でのホテル事業がある。筆頭株主はSBIホールディングス <8473> [東証P]だ。業績は急浮上をみせている。

 個別銘柄では需要が急増しているヨウ素関連の伊勢化学工業 <4107> [東証S]、K&Oエナジーグループ <1663> [東証P]、LNG(液化天然ガス)のINPEX <1605> [東証P]、値動き抜群のM&A総合研究所 <9552> [東証G]、収益構造一変のトレックス・セミコンダクター <6616> [東証P]などは引き続いて注目できる。

 IDEC <6652> [東証P]の2023年3月期の1株利益は324.1円(前期は264.1円)と上振れ、最高益を更新する。配当は100円を据え置く方針だが、好業績を背景に増配の可能性もあろう。制御用操作スイッチ(非接触タイプ)が医療、半導体、食品、プラント向けなどに伸びているという。

2022年10月21日 記

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