市場ニュース

戻る
 

【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 下へのバイアス強まるも、ボリンジャー-2σまでの下落によって打診的なロングを想定


大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 26860 -260 (-0.95%)
TOPIX先物 1884.5 -17.5 (-0.92%)
シカゴ日経平均先物 27010 -110
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 21日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。米連邦準備理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で予想通り3会合連続で0.75%の利上げを決めた。会合後に行われたパウエルFRB議長の記者会見は、これまでの発言を強調する内容だったため目新しさはなく、会見中に買い戻しの動きが強まり、NYダウは一時300ドルを超える上昇を見せた。

 ただし、3カ月ごとにまとめるFOMC委員らの政策金利見通しにおいて、政策金利を2022年末で4.4%(前回3.4%)、23年末は4.6%(同3.8%)にそれぞれ引き上げた。次回11月のFOMC会合でも0.75%の利上げが予想されるなか、想定よりもタカ派的と受け止められた。買い一巡後は再び売り直され下げに転じると、引けにかけて下落幅を広げた。S&P500業種別指数は食品・飲料・タバコが小幅に上昇したほかは総じて軟調な展開となり、消費者サービス、銀行、自動車・同部品、メディアの弱さが目立った。

 シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、日中大阪比110円安の2万7010円で終えた。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比50円安の2万7070円で始まり、その後は緩やかなリバウンドを継続し、2万7300円を回復。FOMCの結果公表時に2万7060円まで急落したが、パウエル議長の会見中に急速に切り返し、一時2万7450円まで買われる場面も見られた。ただし、終盤にかけて再び売り直されて2万6850円まで下落し、2万6860円とナイトセッションの安値圏で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まろう。FOMC後に600円幅の荒い値動きで節目の2万7000円を割り込んできたため、インデックスに絡んだ売りが先行する格好となり、下へのバイアスが強まりそうだ。FOMCでの0.75%の利上げは織り込まれていたほか、パウエル議長の会見もこれまでの発言内容を踏襲したものだった。ナイトセッションではいったんはアク抜けの動きを強めたものの、政策金利見通しが引き上げられたため、利上げピーク期待が後退したほか、景気の後退懸念が強まった。

 ただし、東京市場は3連休前で積極的なトレードは限られるほか、FOMC後の波乱を警戒したポジション調整は進んでいたと見られる。そのため、売り一巡後はショートカバーも入りやすく、次第に底堅さが意識されそうだ。日経225先物はナイトセッションでボリンジャーバンドの-2σまで低下してきた。バンドが切り下がっているため-2σに沿った調整の可能性はあるものの、いったんは売られ過ぎシグナルによるリバウンドを想定した打診的なトレードに向かわせよう。

 また、VIX指数は27.99に上昇した。一時25.55まで低下した後に30.18まで上昇する場面も見られた。直近のレンジ上限で終えているものの、トレンドは上向きで推移しつつあるため、しばらくは方向性を見定めるなか、慎重姿勢が強まりやすい。なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.25倍だった。一時ボリンジャーバンドの-2σまで低下した後に切り返した格好であり、本日も-2σに接近する局面ではNTショートのリバランスに伴うNTロングが入りそうだ。

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均