【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):日経レバ、ロングライフ、キッズバイオ
日経レバ <日足> 「株探」多機能チャートより
NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が大幅続落。日経レバは日経平均株価に連動する仕組みで組成されたETFで、全般相場が波乱展開となると個人投資家を中心とした短期資金の参戦が活発化する。日経平均を投資対象としているが、価格変動率が2倍に設定されていることが特徴で人気が高い。売買代金は午前10時12分現在で650億円を超えており全市場を通じて断トツとなっている。全体相場は前日の米株安に追随してリスク回避の売りがかさんでいる。ただ、個人投資家はここ日経レバを買い越す動きが目立っており、2万8000円割れは押し目買いチャンスとみる向きが多いようだ。
■INPEX <1605> 1,557円 -47 円 (-2.9%) 本日終値
INPEX<1605>や石油資源開発<1662>が続落。31日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の10月限が前日比2.09ドル安の1バレル=89.55ドルに下落した。米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めが長期化することに伴う景気減速で原油需要が細ることへの懸念が浮上。また、31日に発表された中国8月製造業購買担当者景気指数(PMI)が49.4と好不況の分かれ目となる50を2カ月連続で下回ったことで、中国の原油需要が減少することへの警戒感も出ている。
■トヨタ自動車 <7203> 2,052.5円 -49 円 (-2.3%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>は売り優勢の展開ながら2000円トビ台では押し目買い意欲も旺盛となっている。注目されるのは同社株の売買代金で、きょうは全上場企業のなかで日本郵船<9101>やレーザーテック<6920>と首位を争う状況にある。外国為替市場ではドル買い・円売りの動きが加速し、足もと1ドル=139円台半ばまで円安が進行、98年8月末以来となる1ドル=140円をつけるかどうかにマーケットの関心が高まっている。そのなか、製造業のなかでも為替感応度で群を抜く同社にとって、円安進行は収益面で強力な追い風材料だ。同社の23年3月期通期の想定為替レートについては第1四半期決算発表時に1ドル=130円に修正したが、それでも実勢よりも9円以上円高の設定で、為替メリットに対する思惑が買いの根拠となっている。一方、一部メディアを通じて車用鋼材値上げの話が伝わっており、これは車両価格の上昇につながり価格転嫁となれば売れ行きにも影響を与えそうで、株価にはネガティブに働きやすい。
■トリケミカル研究所 <4369> 2,443円 -38 円 (-1.5%) 本日終値
トリケミカル研究所<4369>は続落。8月31日の取引終了後、23年1月期の連結業績予想について、営業利益を34億円から36億2100万円(前期比21.7%増)へ、純利益を45億円から51億9300万円(同26.8%増)へ上方修正したものの、目先の材料出尽くし感から売られたようだ。上期において、引き続き最先端半導体向けを中心に製品需要が旺盛だったほか、持ち分法投資利益が計画を上回ったことや、為替相場が円安に推移したことが要因としている。なお、売上高は136億円(同17.5%増)の従来予想を据え置いた。あわせて発表した第2四半期累計(2~7月)決算は、売上高65億4800万円(前年同期比22.0%増)、営業利益19億1100万円(同31.1%増)、純利益27億300万円(同43.7%増)だった。
■ソフトバンクグループ <9984> 5,510円 -52 円 (-0.9%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>は続落。前日の米国株市場では主要株価指数が揃って4日続落となり、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も既にフシ目の1万2000大台を割り込み、75日移動平均線絡みの攻防となっている。米ハイテク株に積極投資する同社株はナスダック市場の動向と株価の連動性が高いことで知られ、足もと風向きが悪くなっている。加えて、8月31日に「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の立ち上げの貢献者であるラジーブ・ミスラ副社長が同日付で辞任することを発表、これが今後の同社の投資戦略に影響を与えるとの見方も浮上するなか、株価にネガティブな影響を与えている。一方、株式需給面では自社株買いが期待できることで下値抵抗力も発揮している。
■ロングライフ <4355> 274円 +74 円 (+37.0%) 一時ストップ高 本日終値
ロングライフホールディング<4355>は急騰。この日、子会社エルケアが健康管理サービスを手掛けるメディロム<MRM>(東京都港区)と事業提携し、介護向けの見守りシステムを共同開発すると発表。これを材料視した買いが膨らんでいるようだ。メディロムが開発した24時間365日充電不要の活動量計「MOTHER Bracelet」を用い、体温変化や体調の急変、心拍データの異常などを検知した際に施設管理者や家族に連絡するシステムになる予定という。10月から試験運用を開始し、共同開発後は在宅介護者1万人にメディロムの活動量計を配布。その後、施設利用者3万人の利用を開始し、合計で4万人の利用を目指すとしている。
■ASNOVA <9223> 1,070円 +150 円 (+16.3%) ストップ高買い気配 本日終値
ASNOVA<9223>がストップ高カイ気配。8月31日の取引終了後、株主優待制度を導入すると発表しており、これが好材料視された。株主優待制度「ASNOVAプレミアム優待倶楽部」を新設し、毎年3月末と9月末時点で500株以上を保有する株主を対象に、株主優待ポイント(保有株数に応じて5000から1万5000ポイント)を年2回付与する。ポイントは1ポイント1円相当で、こだわりグルメやスイーツ、家電製品、選べる体験ギフトなどと交換できる。23年3月末の基準日から適用を開始するとしている。
■キッズウェル・バイオ <4584> 267円 +20 円 (+8.1%) 本日終値
キッズウェル・バイオ<4584>はマドを開けて買われ急騰。8月31日の取引終了後、ニコン<7731>子会社のニコン・セル・イノベーションと協働して製造・構築を進めていた、乳歯歯髄幹細胞(SHED)を再生医療等製品として製品化するための基となるマスターセルバンクについて構築を完了したと発表しており、これを材料視した買いが集まったようだ。両社によると、再生医療等製品向けSHEDマスターセルバンクの構築完了は日本初という。今後、キッズバイオはSHEDによる細胞治療・遺伝子治療製品等の創出を目指していく。
株探ニュース