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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 自律反発の域は脱せず、買い一巡後は2万8000円を挟んでの推移に

TOPIX <日足> 「株探」多機能チャートより

大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 28020 +110 (+0.39%)
TOPIX先物 1951.5 +7.0 (+0.35%)
シカゴ日経平均先物 28035 +125
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 29日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のジャクソンホール会議における講演で、金融引き締めが長期化するとの観測が強まり、米景気の悪化を懸念した売りが続いた。売り一巡後は原油先物相場が大幅に上昇したことでエネルギー株が買われ、NYダウが一時上昇に転じる場面も見られた。ただし、長期金利の上昇が重荷となり、アップル<APPL>やマイクロソフト<MSFT>といった大型テック株やエヌビディア<NVDA>など半導体株を中心に売られる格好となった。S&P500業種別指数は、エネルギー、公益事業、食品・生活必需品小売が上昇した半面、半導体・同製造装置、医薬品・バイオテクノロジー、テクノロジー・ハード・機器が下落した。

 シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、日中大阪比125円高の2万8035円で終えた。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比20円高の2万7930円で始まり、その後2万7880円まで売られた後は、緩やかなリバウンドの動きとなった。米国市場の取引開始後に2万8000円を回復すると、概ね2万8000円を上回って推移し、取引中盤には2万8150円まで買われる場面も見られた。終盤にかけて戻り売りに押される格好とはなったが、2万8020円と2万8000円をキープしてナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや買い先行で始まることになろう。米国市場は下げ渋る動きを見せたものの、NYダウは75日移動平均線水準まで下げてきたことからテクニカル面では調整一巡が意識されやすく、同線を支持線としたリバウンドを見せられるかを見極めたいところだ。また、長期金利の上昇によってハイテク株の弱い動きが目立っているため、指数インパクトの大きい値がさハイテク株などは手掛けづらいだろう。そのため、自律反発の域は脱せず、買い一巡後は2万8000円を挟んだ推移が見込まれる。

 まずは2万8000円水準での底堅さを見せたいところだが、調整が強まるなか25日線(2万8250円)、5日線(2万8275円)が心理的な抵抗線として意識されやすく、リバウンド機運は高まりづらいだろう。そのため、2万8000円水準からオプション権利行使の2万8125円辺りを捉えてくる局面では、戻り待ち狙いのショートが入りやすいと考えられる。一方で、2万8000円辺りでの底堅さが意識されてくるようだと、2万8125円を中心とした上下の権利行使価格2万8000円~2万8250円辺りでのレンジ推移を想定しておきたい。

 VIX指数は26.21に上昇し、上値抵抗線として意識されていた75日線を突破してきた。6月半ばにつけた35.05に向けた動きが警戒されやすく、リスクオフムードが徐々に高まってきそうである。なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.35倍に低下した。支持線として機能していた25日線を割り込み、75日線が位置する14.25倍辺りをターゲットとしたトレンドとなる。本日は自律反発からNT倍率は上昇する可能性が高そうだが、25日線が位置する14.40倍辺りではNTショートが入りやすいだろう。

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