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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 権利行使価格2万8375円~2万8625円辺りでの底堅い値動きが意識されやすい


大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 28450 +60 (+0.21%)
TOPIX先物 1969.5 +1.5 (+0.07%)
シカゴ日経平均先物 28460 +70
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 23日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。カンザスシティ連邦準備銀行主催の経済政策シンポジウム「ジャクソンホール会議」で、26日に米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の講演が予定されている。FRBが金融引き締めに積極的な姿勢を維持するとの警戒感が根強く、売り優勢となった。また、S&Pグローバルが発表した8月の総合購買担当者指数(PMI)速報値が2.7ポイント低下の45と、2020年5月以来の低水準だったほか、7月の米新築住宅販売が予想以上の減少だったことも重荷となった。

 ただし、原油先物相場の上昇を受けてエネルギー株が買われてNYダウを下支えしたほか、長期金利が一時低下する場面で半導体株が買い直され、ナスダックは小幅な下落にとどまった。S&P500業種別指数はエネルギー、自動車・同部品、素材が上昇する一方で、ヘルスケア機器・サービス、家庭用品・パーソナル用品、不動産が下落。

 シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、日中大阪比70円高の2万8460円で終えた。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比40円高の2万8430円で始まり、これをを安値に底堅い値動きを見せた。米国市場の取引開始後には2万8570円まで買われ、終盤にかけては軟化したものの、2万8480円~2万8520円辺りで推移し、2万8450円で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや買い優勢で始まることになろう。NYダウは直近3営業日で1000ドル超下げており、支持線として意識される25日移動平均線水準まで調整した。S&P500、ナスダックは25日線を挟んで下げ渋る動きだった。ジャクソンホール会議でのパウエル議長の講演が通過するまでは積極的な売買は手控えられるものの、いったんは調整一巡感が意識される水準であり、持ち高調整の動きも落ち着きそうだ。

 24日にエヌビディア<NVDA>の決算を控えているため手掛けづらさはあるだろうが、SOX指数は小幅に上昇しており、半導体株が買い直されたことは安心感につながりそうだ。そのため、日経225先物はオプション権利行使価格の2万8500円を中心とした上下の権利行使価格2万8375円~2万8625円辺りでの底堅い値動きが意識されやすい。チャート上では25日線辺りを狙ったショートが警戒されるが、週足のボリンジャーバンドでは+1σまで調整したことで割高感は後退した。7月下旬以降は切り上がる+1σと+2σとのレンジ内での推移を見せていることもあり、押し目狙いのロングが入りやすいだろう。

 ただし、VIX指数は24.11に上昇し、前日の高値水準での推移だった。リスクオフに向かわせる状況ではないものの、ロングの動きを強めてくることは期待しづらい。そのため、こう着のなかでヘッジを考慮したスプレッド狙いに向かいそうだ。昨日のNT倍率は先物中心限月で14.42倍に低下し、支持線として意識される25日線水準まで下げてきたこともあり、NTロングでのスプレッド狙いの動きが入りやすいだろう。

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