市場ニュース

戻る
 

【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 6月高値に接近も、日米半導体株の業績懸念から、利食いに伴うリバランスへ向いやすい


大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 28160 -80 (-0.28%)
TOPIX先物 1948.0 -1.5 (-0.07%)
シカゴ日経平均先物 28125 -115
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 8日の米国市場は、NYダウが上昇する一方で、 S&P500ナスダックは下落。前週発表された7月の米雇用統計が予想を大幅に上回り、リセッション(景気後退)懸念が後退するなか、買い先行で始まった。雇用統計では雇用者数が予想の2倍に達しており、米連邦準備理事会(FRB)による積極的な利上げにも米経済は耐えられるとの強気のセンチメントが強まった。ただし、10日に7月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることから様子見ムードも強く、上値の重さが意識された。

 また、エヌビディア<NVDA>が5-7月期の業績予想を下方修正したことで、6%を超える下落となった。これを受けてアドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>やクアルコム<QCOM>といった他の半導体株に売りが広がったほか、マイクロソフト<MSFT>やアップル<AAPL>など大型テック株の売りを誘った。S&P500業種別指数は自動車・同部品、不動産、耐久消費財・アパレルが上昇した半面、半導体・同製造装置、電気通信サービス、銀行が下落。

 シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、日中大阪比115円安の2万8125円で終えた。日経225先物(9月限)のナイトセッションは、日中比40円安の2万8200円で始まり、緩やかなリバウンドからプラスに転じると、米国市場の取引開始直後には2万8310円まで買われる場面も見られた。ただし、買い一巡後は売り優勢となり、取引中盤には下落に転じ、2万8070円まで売られた。引けにかけては買い戻しが見られたものの戻りは鈍く、2万8160円で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや売り優勢で始まることになろう。エヌビディアは主にゲーム部門の低迷による下方修正であり、ゲーム関連のソニーグループ<6758>へも売りが波及する可能性がある。また、昨夕に4-6月期業績を発表した東京エレクトロン <8035> [東証P]は予想を下回る内容だった。買い戻し中心とはいえ足元でリバウンドを見せていただけに、ショートを誘うことになりそうだ。

 日経225先物はナイトセッションで6月高値にあと40円に迫っていたこともあり、指数インパクトの大きい東京エレクトロンなど値がさハイテク株への売りが警戒されるなか、リバランスに向わせそうだ。まずは、東京エレクトロンの売り一巡後の底堅さを見極めることになろうが、NTロングの巻き戻しきは強まりやすいだろう。

 もっとも、昨日のNT倍率は先物中心限月で一時14.50倍まで上昇し、昨年12月下旬以来の水準まで切り上がっていたため、利益確定に伴うリバランスは想定されやすいところであった。6月の高値水準である14.42倍辺りまで低下する局面があるようだと、改めてNTロングのポジションを組成するタイミングとなりそうだ。

 VIX指数は21.29と先週末の21.15から小幅に上昇したが、下向きのトレンドを継続しておりリスク選好の状況は変わらないだろう。ハイテク株の弱い値動きが見込まれるなかで、TOPIX型優位とはなるものの、日経225先物は2万8000円水準での底堅さが意識されそうであり、オプション権利行使価格の2万8000円~2万8375円のレンジを想定しておきたい。

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均